〝正社員をなくせ〟 竹中平蔵の放言は安倍の代弁

週刊『前進』06頁(2665号02面05)(2015/01/19)


〝正社員をなくせ〟
 竹中平蔵の放言は安倍の代弁


 安倍首相のブレーンであり人材派遣会社パソナグループ取締役会長の竹中平蔵が、元日の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)で「正社員をなくせ」と放言した。発言は以下の通りだ。
 「同一労働・同一賃金って言うんだったらね、『正社員をなくしましょう』って、やっぱり言わなきゃいけない」
 これは総非正規職化と究極の格差社会をつくり出そうという安倍政権とブルジョアジーの意思を代弁したものだ。また、「(非正規職が増えたのは)日本の正規労働が異常に保護されているから」との言辞も吐いた。
 そもそも竹中は小泉政権時代の経済担当閣僚として、04年の製造業派遣解禁や05年の郵政民営化法成立を強行し、1%の資本家の利益のために規制緩和と民営化を推し進めた人物だ。膨大な労働者を非正規職に突き落としてきた。それだけでも万死に値する。
 第2次安倍政権発足以降、産業競争力会議や国家戦略特別区域諮問会議のメンバーに入り、「成長戦略」と称する新自由主義の階級戦争の最先兵となってきた。この竹中が中心となってつくられたのが労働者派遣法改悪案だ。同法案は昨年、2度国会に提出されたが労働者の怒りにさらされ廃案となった。安倍政権は1月26日からの通常国会に再々度提出し、あくまで成立を狙っている。
 改悪案はこれまで最長3年とされてきた企業の派遣受け入れ期間の上限をなくす一方、労働者は全員3年で解雇と定める。26業種にのみ認められてきた期限のない派遣を全業種に広げる。全労働者を派遣に置き換えることも可能となる。
 総務省の11月労働力調査によれば、すでに非正規職労働者は2012万人。この1年で48万人増え初めて2千万人を超えた。正規職は29万人減った。雇用者に占める非正規職の割合は38%で過去2番目の高さである。
 派遣法改悪は総非正規職化の道を開き、労働者階級が歴史的にかちとってきた諸権利や労働者保護を奪い、資本に無制限の搾取の自由を与えるものだ。労働者間の分断と競争をいっそう激化させ、低賃金、貧困、長時間労働、過労死がますます強制される。労働者人民の未来は新自由主義の安倍政権を打倒し労働者が生産と社会のすべてを取り戻す中にある。生きるために職場に闘う労働組合をつくろう。派遣法改悪粉砕! 派遣法と非正規職を撤廃しよう。
 1〜3月国鉄決戦と15春闘の爆発で安倍政権ともども、この竹中や「連合を分裂させよ」と叫ぶ桜井よしこらの策動を粉砕し、打倒しよう。
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