田中康宏委員長のあいさつ 労組として戦争は絶対に阻止し 分割・民営化以来のすべてを覆す
田中康宏委員長のあいさつ
労組として戦争は絶対に阻止し
分割・民営化以来のすべてを覆す
今年、こういう恐ろしい流れを断ち切って労働者が胸を張って団結を固めて、誇りを抱いて、僕らこそが主人公なんだって堂々と進める社会をつくっていく。そういう決意を新たにしたい。
昨年内判決を阻んで最高裁を追い詰めた
この1年間、動労千葉は現場の大変な奮闘を先頭にして、一歩一歩勝利をかちとってきました。ひとつは1047名の解雇撤回闘争です。高裁判決から1年3カ月、最高裁は昨年内に判決を下ろすことができずに、すべてが新年になだれ込んできました。僕らが28年かけて暴き出した真実が最高裁を追い詰めています。
もう4年前ですが、裁判の中で元国鉄官僚の伊藤嘉道証人が、「動労千葉の12名は採用候補者名簿に載っていました」「採用・不採用を決める直前、葛西敬之という職員局次長の指示で外しました」と言った。つまり、動労千葉の組合員は首を切られず、採用されていたはずだった。
さらにその後、一方ではJR設立委員長・斎藤英四郎、もう一方では旧国鉄幹部の井出正敬、葛西敬之が直接会い、組合つぶしのための不採用基準を定めていた。その謀議の資料が見つかった。国鉄がやった不当労働行為、不当解雇は新会社JRに責任は及ばないと国鉄改革法はしたけれど、両方は結局つるんでいた。そこに運輸省の幹部までいた。まさに国家的不当労働行為です。だから本来は解雇撤回の勝利判決以外にありません。
今年、この真実を武器に絶対に国鉄分割・民営化以来のすべてをひっくり返したい。そういう闘いを全力で進めたい。
外注化粉砕の手がかりつかんだスト決起
もうひとつ、民営化された後に始まったのは、あらゆる鉄道の業務を数百の会社にバラバラに外注化して、アウトソーシングしていく攻撃でした。それが雇用を破壊し、安全を破壊して暴れまわっています。
外注化阻止闘争を闘い始めて16年になります。10年以上外注化を止めてきました。昨年は5月、10月の二つのストライキに決起しました。このストライキは外注化粉砕、絶対に鉄道の安全を守りぬく運転保安確立。それと外注化が単に僕らJR本体の労働者だけではなくて、外注先のCTSの下請けの労働者に一番の被害をもたらすことに気がつき、「CTSの仲間たちを守れ」というスローガンでストライキをやりました。その結果、まだほんの一歩ですが下請けの仲間たちが動労千葉に結集してくれることが始まりました。これを押し広げることができれば、民営化・外注化攻撃を止めることができる。この手がかりをもとに今年も進みます。
JRをめぐっては、もうとにかく全部がおかしくなってきている。一番象徴的には、JR北海道のもう鉄道会社の体をなしていない惨憺(さんたん)たる現実です。線路が壊れても直せない。列車が壊れても直せない。人も金も資材もない。それで社長が2人自殺する。もう解決がつかない。貨物会社も経営破綻で、賃下げだけが延々と労働者にのしかかる。再来年にはJR四国と九州が破綻し始めます。
そして、もっと深刻な事態があります。大量退職問題です。国鉄は民営化のために1982年で新規採用を止めました。この8年か9年でJRの四十数%が退職する。鉄道を動かし安全を守る条件が全部壊れようとしています。JRはこの現状を使って、際限なく外注化をエスカレートさせようとしている。めちゃくちゃな労働強化がのしかかる。国鉄的なものを一掃し組合つぶしに利用する。これから起きることは「去るも地獄、残るも地獄」の現実だっていうことを訴えて、真正面から立ち向かいたい。
この年頭の動向を見ても、大変なことが起きている。たとえばつい数日前、国保が市町村では全部破綻するから、県に移管すると言い出した。これは県に移管しただけでは絶対終わらない。安倍政権が必ず言い出すのは、民間活力を導入する、国保の民営化です。これが狙いでしょう。そうなったら皆保険制度が壊れる。去年は年金資金を半分、株に突っ込んじゃった。「異次元緩和」のバブルでつり上げた株価は、絶対に破綻する。そうしたら年金資金が吹っ飛ぶ。
896自治体が消滅すると言われています。もう地方は息絶え絶えですが、今年3月14日のダイ改でJR千葉支社は特急列車を全面的に削減、廃止しようとしている。これは地方の切り捨てです。僕らは3月ダイ改に向かってローカル線切り捨て絶対反対で闘います。銚子市が2017年、富津市は2018年に財政破綻する。だけどそこに人が生きているんです。やっぱりこれを解決する道は、どんなに小さくてもその地域で職場から闘う労働組合が、すべての怒りの声をまとめ上げることです。これは闘う労働組合が復権していく時に、絶対必要不可欠な要素です。
闘う労働組合が社会の中心に登場しよう
1047名の解雇を撤回し、外注化を粉砕する、組織破壊攻撃を粉砕して大量退職問題に対して定年延長と65歳まで働ける労働条件を絶対かちとる。そして民営化、規制緩和、新自由主義政策がもたらした社会のめちゃめちゃな破壊と、戦争への道を阻む。
もうすべてが限界を超えています。何が起きるか分からない。国債や、円や、株がいつ暴落するかも分からない。
僕らはこうしたすべてに立ち向かい、かつてのように闘う労働組合がもう一度団結した力を取り戻す。そして社会を動かし、社会を変革するその中心に、労働組合が胸を張って登場する。そうした時に初めてすべてが動き出す。おそらく今年は、これまでずっと我慢をしてきた怒りやあきらめが、いっぺんに噴き出す年になる。福島もそうです。沖縄もそうです。こういう怒りの声を全部糾合して、今年は国鉄闘争に勝利する年にしたい。さらに団結を固めて、胸を張って明るく進みたいと思います。