焦点 戦争・改憲と原発推進の安倍 年頭会見に怒りの大反撃を
焦点
戦争・改憲と原発推進の安倍
年頭会見に怒りの大反撃を
「戦争か革命か」の歴史選択をかけた2015年決戦が始まった。すでに中東とウクライナで戦火が噴き上がり、東アジア―朝鮮半島で新たな戦争が切迫する中、日帝・安倍は文字どおり「戦争放火者」として突出した動きを見せている。安倍はとりわけ、一方で4月統一地方選を乗り切った後に安保関連法案の一括提出を狙っており、他方で5月連休過程での訪米と日米安保ガイドライン再改定を画策している。15年前半はこれをめぐる一大階級決戦である。
●安倍「新談話」を許さず
第3次安倍内閣が発足した昨年12月24日、安倍は記者会見で「憲法改正は歴史的なチャレンジ」と述べ、改憲攻撃へ踏み込む意図をあらわにした。1月5日の年頭会見でも「原発再稼働、安保法制の整備、憲法改正などの課題について......実行する責任を負っている」と強調した。さらに、戦後70年の終戦記念日に合わせて、新たな首相談話を打ち出すことを表明した。近く有識者会議を立ち上げ検討を開始するという。
かつて安倍は、「アジア諸国への植民地支配と侵略への反省とおわび」を政府の公式見解として盛り込んだ95年「村山談話」について、「そのまま継承しているわけではない」(13年4月23日参議院予算委員会での答弁)と発言して国内外から激しく非難され、その後「(村山談話を)全体として引き継ぐ」と修正を余儀なくされた。だが今年、戦後70年の節目に新談話を出すことで「結果として(過去の談話は)骨抜きになる」(昨年10月、自民党総裁特別補佐・萩生田光一の発言)ことを狙っているのだ。
この安倍の動きに対し、米国務省は同日ただちに記者会見を行い、「村山談話、河野談話が示した謝罪は、日本と近隣諸国との関係改善に重要な一章を刻んだ」と述べ、政府見解の修正を狙う安倍をけん制した。中国、韓国政府も安倍の動向を「鋭意注視する」とコメントしており、「新談話が関係国との新たな火種になりつつある」(日経新聞1・7付)という状況だ。日帝の戦争・改憲に向けた策動は、ただちに日米間の矛盾・対立の激化と日帝の国際的孤立化をもたらす。何よりそれは日本とアジア、そして全世界の労働者階級人民の怒りと闘いをいっそう燃え上がらせる。
●「存立事態」口実に武力行使
危機と孤立を深める安倍は、それゆえますます凶暴に戦争・改憲へと突き進んでいる。
第3次安倍内閣では、18閣僚中17人を第2次内閣から留任する中で、防衛相兼安保法制担当相だけを交代させ、元陸上自衛官で小泉政権時代の防衛庁長官だった中谷元を抜擢(ばってき)した。中谷は7・1閣議決定をめぐる公明党との協議や、特定秘密保護法の与野党協議で中心的役割を果たした人物だ。
このむき出しの戦争内閣のもと、政府は6日に開かれた自民党との非公式協議の場で、4月統一地方選後に国会提出をめざす安保関連法案の骨子を提示した。その最大の特徴は、武力攻撃事態法や自衛隊法に「存立事態」なる新概念を導入することにある。すなわち、昨年の7・1閣議決定で「国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に集団的自衛権を行使できるとしたことを踏まえ、こうした事態を「存立事態」と定義する。そして首相が「存立事態」と判断すれば、命令ひとつで自衛隊が地理的制約もなく地球上どこでも出動でき、無制限の武力行使が可能となるというのだ。
さらに、自衛隊の海外派兵を常時可能にする恒久法の制定も検討するとしている。
これらの戦争法案と並んで、政府・防衛省は、武器輸出促進のための新たな援助制度の創設へ検討を開始した。防衛関連企業への資金援助だけでなく、武器購入に必要な資金を他国に低利融資し、また政府自ら武器を買い取って無償で他国に贈与するなどの制度が検討されている。まさに安倍の戦争・改憲攻撃は、兵器産業を柱とする戦争経済への全面転換と一体で進められているのだ。
15年安保国会決戦の爆発と一体で、国鉄決戦と公務員決戦に勝ち抜き、戦争・改憲攻撃を粉砕する階級的拠点建設を全産別でかちとろう。