鈴木たつお弁護士の衆院選総括 「新しい労働者の政党」を掲げた選挙戦 安倍・自民党と切り結んだ

週刊『前進』06頁(2662号02面01)(2014/12/22)


鈴木たつお弁護士の衆院選総括
 「新しい労働者の政党」を掲げた選挙戦
 安倍・自民党と切り結んだ



(写真 12月7日 高円寺駅前)

(写真 選挙戦の最終日に、ねり歩きで子どもたちと握手をする鈴木候補【12月13日 荻窪駅】)


 12月15日に荻窪の選挙事務所で、選挙戦をともに闘った区民とボランティアスタッフが集まり、大衆的総括集会が開催された。鈴木たつお弁護士が「勝利の地平に達した」と総括発言を行い、区民やスタッフから勝利感あふれる発言が続いた。以下は発言の要旨です。(編集局)

 みなさんがいろいろな部署であらゆる闘いをやった。なかでも街宣隊は「やりの穂先」だった。この寒さの中、朝早くからの活動で疲労の極限に達していたにもかかわらず、最終日の1千人集会までをやりぬいて私たちは勝利の地平に達した。

宣伝・扇動・暴露を磨き

 今から考えれば、1〜2月の都知事選はまだおおらかなものでした。1人の東京都の首長を選ぶ選挙では、自分たちの主張をいかに鮮明に訴えるかに尽きた。しかし衆院選は、資本主義社会が仕掛けた政治制度の最高の舞台です。「国権の最高機関」と憲法にも書いてある。そこでの闘いの激烈さ、厳しさはみなさんも痛感したと思います。自分たちの主張を訴えるだけではダメで、敵と切り結んでいかなければならない。安倍・自民党はじめ他の政治党派と目に見える形で激突して初めて人びとが足を止めて、私たちの話に心を動かしてくれる。
 杉並46万の有権者に、階級の立場、つまり1%の資本家の側に立ってものを考えるか、それとも99%の側、特に労働者階級の立場に立ってこの世の中を生きようとしているのか。そういう労働者階級であることの自覚を問うていた。
 同時にそれは政党の選択です。とくに若手との討議の中で出てきた「新しい労働者の政党をつくろう」のスローガンを掲げ、そこに闘いの集約点を求めたことも非常に衝撃的であり、また正しかったと思います。「無所属」だからといってなんとなく支持される時代ではない。「市民派」などというのも一昔前に流行ったが、そんなフワフワしたもので一緒に闘う気になる時代ではない。労働者階級に深く根を張った政党、それをともに闘いとっていく――まさしく現代革命への挑戦に次ぐ挑戦です。
 私たちの宣伝・扇動・暴露は全人民的なものでなくてはならない。自分たちの闘いのリアリズムを持ちながら、それが同時にすべての人たちが抱えている苦しみ、悔しさ、悲しみ、怒りをつないで一体になる。もっともっと言葉を磨いて、それが人びとの心に届き、共振を起こした時に、すべての人民が命をかけてこの世の中をひっくり返すために決起すると実感しました。
 そういう中で、これまで社民党、民主党、共産党に入れるほかなかった人びとを確実に獲得することができた。この杉並の地で闘い続け、権力に怒りを燃やし続けてきた人びととも合流できた。1万7千票とはそういうことだと思います。

動労総連合を全国に

 自民党が291議席を取った。しかし選挙が終わった途端に彼らもマスコミも青ざめている。「国権の最高機関」といわれる議会が民意と完全に離れて、レーニンの言うところの「おしゃべり小屋」になり下がった。誰が人民を支配するかを競う場という、資本主義体制下の議会選挙の本質が完全に明らかになった。
 みんなの怒りが満ちあふれています。自民党・安倍政治など人民の誰も支持していない。52%という戦後最低の投票率。それも単なる無関心ではなく、「みんなウソだった」と政府と議会に愛想を尽かしている。これはブルジョアジーも分かっている。いくら議席を取っても、やばいところに自分たちが立っていることを痛感している。
 今日の株価が続落した。普通はご祝儀相場で上がるものです。自民党が300議席近くも取ったのだから。ところが世界同時株安。その大恐慌の深刻化の波を一番かぶっているのは日本経済です。政府の借金が1144兆円、財政再建など問題にならない。彼らはますます危機にたたき込まれている。
 レーニンが『国家と革命』の中で使っている「おしゃべり小屋」という言葉は、単なる比喩(ひゆ)ではない。この本が書かれたのはロシア10月革命の数カ月前です。そこでレーニンは「おしゃべり小屋」に対してコミューンを対置している。やはりレーニンはものすごくリアルな人だと私は思う。革命の直前に、ここがポイントだとはっきり見ていた。
 大胆に言わせてもらうと、今、日本におけるわれわれと権力との関係は、ロシアの1917年2月革命から10月革命に至る過程と同じ過程に入った。「おしゃべり小屋からソビエトへ」。レーニンは、議会なんかに集約されない人民の怒りがあふれ出る中で、新しい政治権力についてコミューンを教訓として提起していたと思います。
 「おしゃべり小屋」では何も決められず、ますます人民の怒りがかき立てられ、職場で、街頭で闘う。そういう時代に突入したことを実感しています。
 だからこそ、職場の闘い、階級的労働運動であり、「動労総連合を全国に」です。「おしゃべり小屋ではなく労働者の団結に権力をよこせ! われわれがとって代わって天下をとるぞ!」ということが最も現実的で、説得力をもつ時代に入った。この杉並選挙の意義はどんなに語っても語り尽くすことができないほど深いと思います。
 同時にそれは、新しい労働者の政党をつくるということを緊急の課題にしている。新しい労働者の政党の形成と階級的労働運動をまっしぐらに前進させましょう。
 来年から再来年、憲法改悪が真っ向から出てきます。しかし全然負ける気はしません。大決戦をやって向こうを倒す、そして労働者が天下をとる。その大きな道に意気揚々としてわれわれは進む。それが今度の選挙であったと私は思います。皆さんのお考えをまた聞かせてください。

このエントリーをはてなブックマークに追加