秘密保護法の施行弾劾! 職場・大学で団結ひろげ闘おう

週刊『前進』06頁(2661号05面04)(2014/12/15)


秘密保護法の施行弾劾!
 職場・大学で団結ひろげ闘おう

真実を隠して戦争する国へ

 特定秘密保護法が12月10日に施行された。国家が労働者人民から情報を隠し、真実を知ろうとすることを処罰する同法は、侵略戦争遂行体制の構築そのものだ。断じて許すことができない。
 法施行を受け、国家安全保障会議(日本版NSC)や外務・防衛両省、警察庁などが、「その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」とする情報を「特定秘密」に指定する作業が始まった。
 その内容は、「国の安全保障に関する重要なもの」「自衛隊の訓練または演習」「テロの防止に関し収集した国民の生命および身体の保護に関する重要な情報」、さらに外国からの提供情報などいくらでも拡大できる。総数は昨年末時点で約47万件。今後、無制限に拡大されることは疑う余地がない。
 この情報を漏らしたら最高懲役10年とされる。これまでの国家公務員の守秘義務違反は最高懲役1年だった。これに比べてすさまじい厳罰化だ。また、漏えいや取得を共謀したり、教唆(きょうさ)、煽動(せんどう)したりしても最高懲役5年の厳罰が科される。
 内部告発や、真実を知ろうとする報道機関や労働者人民の調査、活動が国家暴力で禁圧され、国家の悪事や外国政府との密約、戦争政策や軍事作戦の一切は隠蔽(いんぺい)される。
 荻野富士夫・小樽商科大教授は次のように指摘する。
 「1937年の軍機保護法改正の際、衆院は拡大解釈しないように求める付帯決議をした。しかし41年には、偶然耳にした海軍の飛行場のことを米国人に話した学生が身柄を拘束された。その後、政府は防諜(ぼうちょう)意識を植え付けて相互監視と密告を奨励し、施策に従順な国民づくりに進んでいった」(毎日新聞12・10付)
 秘密保護法はまさにその再来だ。

「適性評価」で労働者を分断

 また、特定秘密を扱う公務員や、自衛隊に艦船や航空機を提供する軍需産業、暗号システムを管理するコンピューター会社、衛星写真にかかわる人など広範な民間労働者が「適性評価」の対象となる。犯罪歴や精神疾患の病歴、借金、飲酒の節度、家族の国籍や住所、生年月日も調査される。
 戦争動員の観点から全労働者を管理し分断することが狙いだ。
 だがこれは、労働組合が一切の戦争協力を許さず職場から闘えば打ち破れる。この闘いは、民営化阻止・非正規職撤廃の闘いとも完全に一体だ。
 衆院選のまっただ中での秘密保護法施行は、安倍戦争政治への怒りと反撃に拍車をかけた。
 全国の労働者人民が鈴木達夫弁護士を押し立てて総力で闘った東京8区での衆院選決戦こそ、秘密保護法施行への渾身(こんしん)の回答、反撃である。「安倍政治にもう我慢ならない」「戦争で殺されてたまるか!」――この怒りが爆発した。この闘いは、法施行に対し、怒りで体を震わせて抗議に立ち上がったすべての人びとと連帯するものだ。
 こうした労働者人民の一つひとつの決起と決断が、秘密保護法で人民を組み敷こうとする支配階級のどす黒い狙いをぶち破った。闘いはここから新たに始まった。

労組・自治会の団結で粉砕を

 職場・キャンパスで、闘う労働組合・学生自治会をつくり出すことが秘密保護法を始めとした戦争体制づくり、治安弾圧を打ち破る最大の力だ。その現実性を示したのが京都大学の学生による公安警察のスパイを実力で摘発・追放した闘いだ。
 直接にも秘密保護法は、公安警察からの出向者が軸となった内閣情報調査室が作った法律だ。公安警察がデモに参加した学生に襲いかかり、キャンパスで戦争反対の声を上げる学生を監視し情報収集している実態は戦時体制そのものだ。
 自らの大学で学生自治会を建設し闘ってきた京大の学生たちは、団結の力を発揮して実力で公安警察を追放した。安倍のもくろむ治安弾圧体制は現場の労働者・学生の団結の力でぶっ飛ばせる。
 ここにおいて、口先で秘密保護法や改憲を「批判」しながら、現場の闘いを押しつぶそうとするエセ「左翼」の役割は絶対に許せない。法政大学総長の田中優子はその典型だ。こうした連中は、実際には最悪の戦争翼賛勢力だ。
 また、日本共産党スターリン主義の国会議員団は「国際テロリスト財産凍結法」に全面賛成した。この大裏切りは「テロから国を守る」を口実に行われる階級的労働組合と革命党への弾圧と、戦争体制づくりに翼賛・協力する共産党の反革命的本質を示している。
 これらの戦争翼賛勢力を現場の闘いで打倒し、労組拠点、学生自治会を建設しよう。衆院選決戦の地平を引き継ぎ、職場・キャンパスで団結を広げ、秘密保護法と戦争・改憲攻撃を日帝打倒のプロレタリア革命に転化しよう。
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