NAZEN福岡 結成3周年集会が成功 内部被曝を許さない

週刊『前進』06頁(2661号04面03)(2014/12/15)


NAZEN福岡
 結成3周年集会が成功 内部被曝を許さない

(写真 ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師が講演【11月30日 福岡市】)

 11月30日、福岡市内でNAZEN福岡3周年集会が65人の結集で大成功した。
 集会は、「来年2月川内原発再稼働阻止」の宣言と「衆議院議員候補・鈴木達夫弁護士を全力で応援しよう」との呼びかけで始まった。
 連帯あいさつでは、原発労災認定請求却下取り消し訴訟原告・梅田隆亮さんが「自分の体中にはマンガン、コバルトなど原発労働による放射性物質が取り込まれている。長崎大学病院の医師はこれが心筋梗塞(こうそく)の原因と言っている。しかし労基署は基準値8・6㍉シーベルト以下だから労災の対象外とした。これまでどれだけの原発労働者が健康を破壊され、殺されてきたか。その無念さと、今働いている原発労働者の安全を少しでもよくするために、裁判を頑張りたい」と訴えた。
 国鉄1047名解雇撤回闘争を闘う羽廣憲さんは「国鉄民営化も原発推進も国策だ。ダメなものはダメだと声を出し、闘う労働組合をなんとしてもつくって対決しよう」と呼びかけた。佐賀大学名誉教授の豊島耕一さんは「福島の被曝を隠すことと川内原発再稼働は一体だ」と述べ、佐賀での闘いを報告した。さらに合同労組レイバーユニオン福岡は雇い止め粉砕の闘いを報告して「労働組合をよみがえらせよう」と訴えた。

城臺さん、杉井医師が訴え

 長崎の被爆者・NAZENナガサキの城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんが特別報告を行った。8月9日の平和祈念式典で安倍首相を「集団的自衛権の容認は暴挙!」と弾劾した発言は「やむにやまれぬ気持ちからだった。戦争と原発が同時に頭の中をよぎり、今ここで言わなければ安倍政権を許すことになると無我夢中でした」と話した。
 また今年7月の長崎保養について「原発事故による放射能がどんなに子どもたちをむしばんでいるかを実感した。自分の経験からも保養は大切だ」と述べた。
 ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師の講演は全体をひきつけた。「福島事故後の医療に強い関心を持っていたが、〝チェルノブイリの山下〟として有名な彼が乗り出したのだから大丈夫だろうと思ったらそうではなかった。地元の医師たちも右にならえ。地元からは、被曝から子どもたちを守ってほしいという悲痛な叫び、避難できずに日々被曝している人びとを守りともに生きぬく診療所を建ててほしいという声が上がった。この声に応え、医師と全国の人びとが立ち上がり、3千万円のカンパでできたのがふくしま共同診療所だ」と熱く語った。
 「現在福島医大での2次検査で甲状腺がんが33人にのぼっている。小児性甲状腺がんは100万人に1人、10万人に1人と言われているのが、福島では7700人に1人という異常な多さになっている。それでも福島原発事故とは関係ないと言い張っている」と怒りをあらわに弾劾した。最近では発生率の高さに原発事故との関係を指摘されることを恐れ、「過剰診断、過剰診療だ」との非難が始まっていると暴露した。「こうした攻撃と対決し、慢性低線量被曝という認識を広め、闘っていく」。その一つとして保養の大切さを指摘した。参加者は食い入るように聴き入り、診療所とともに闘っていこうという決意がみなぎった。
 最後に事務局が安倍政権の中心軸になっている葛西JR東海名誉会長の「手っ取り早い経済回復は原発再稼働だ」発言や、経産省総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の「原発再稼働・活用・増設」方針を徹底弾劾し、「鈴木達夫さんの衆院選に総決起しよう。川内原発の再稼働を絶対に阻止しよう」と訴え、団結ガンバローで締めくくった。
(九州 K)
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