知る・考える 用語解説 世界大恐慌/公安警察
知る・考える 用語解説
世界大恐慌/公安警察
世界大恐慌-現在も激化し深化している
世界経済は今、大恐慌の真っただ中にある。それは現在も激化・深化し、すでに「恐慌の中の恐慌」へと突入している。これは単なる「世界金融危機」ではない。最後は第2次世界大戦へと行き着いた1929年の大恐慌をも超える、もはや歴史的に後のない大恐慌だ。
この引き金を引いたのは07年8月に爆発した米住宅バブルの崩壊である。そしてそれが08年9月15日、米5大投資銀行の一つであるリーマン・ブラザーズの破綻によって、実体経済の崩落をも伴う世界大恐慌へ転化していった。
大恐慌の根底にあるのは、過剰資本・過剰生産力である。それは帝国主義の経済実体である大独占と金融資本のもと、重化学工業の巨大な固定資本が生み出したもので、政策的には解消できない。何をやっても利潤率がもはや上がらない。
さらに今次大恐慌は、資本主義・帝国主義の最末期である新自由主義と、それがつくり出した世界的な金融全面自由化の大破綻としてもある。金融資本が巨額の投機マネーで世界を支配し、延命してきた、その矛盾の大爆発である。
大恐慌は、大失業と戦争を生み出す。同時に全世界的に革命情勢を成熟させる。階級的労働運動と国際連帯で、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化することこそ、労働者階級の歴史的な任務だ。
公安警察-人民の政治活動弾圧が任務
京都大学に潜入した刑事は公安警察の一員だった。公安警察とは、支配階級が「公共の安全と秩序」の名のもとに労働者人民の政治活動、反政府活動を日常的に監視し、弾圧するための機関だ。とくに革命運動と階級的労働運動の圧殺を最大の任務として活動している。公安担当の警察官は、警視庁公安部を先頭に、全国の警察本部に配置されている。
その前身は、戦前の特高警察(特別高等警察)である。「国体(天皇制)」や私有財産制を否定する思想と運動を禁止した治安維持法のもとで、戦争反対の声を上げる人びとや、労働争議や小作争議を闘う労働者・農民が徹底的に弾圧された。そのために人民を監視し、片端から逮捕して獄中で拷問を加え、『蟹工船』の作家・小林多喜二を虐殺するなどの悪事を働いたのが特高警察だ。治安維持法と特高警察は戦後に廃止されたが、それに代わる政治警察として新たな装いをとって設置されたのが公安警察である。
特定秘密保護法を始め、安倍政権が「テロ対策」の名で強行している治安立法は、新たな戦争のために、公安警察を再び戦前並みに強化することを狙うものだ。だが闘う労働組合を軸に、労働者人民が本気で団結して闘えば、こんな攻撃は実力で吹き飛ばすことができる。それを示したのが京大での学生の闘いだ。