国労組合員資格訴訟 控訴審で反撃を宣言 審理を全面的にやり直せ
週刊『前進』06頁(2660号05面04)(2014/12/08)
国労組合員資格訴訟
控訴審で反撃を宣言
審理を全面的にやり直せ
国労組合員資格確認訴訟の控訴審第1回口頭弁論が12月2日、東京高裁第21民事部(齋藤隆裁判長)で開かれた。
この裁判で東京地裁は「組合員資格は企業に在籍することが前提」という超反動判決を出した。その判決を打ち破る闘いは、総選挙の公示日と重なって始まった。原告や傍聴者は選挙闘争を闘いつつ裁判闘争に立った。
法廷で原告代理人弁護団は、控訴理由書の要旨を陳述した。
国労本部は2010年の大会で、闘争団組合員を選挙権も被選挙権もない特別組合員にし、翌11年の大会で特別組合員の資格さえ奪って国労外に追放した。国労を連合に合流させるための大反動だった。11年の大会ではまた、明文で「JRおよびJR関連企業に在籍する者」に組合員資格を限定する国労規約の改悪まで行った。
しかし、改悪される以前の規約には、その「解釈確認」として「国鉄労働組合が不当処分と認定した被解雇者……は本人の希望により組合員としての資格を継続することができる」と明記されていた。原告本人の意思を問うことなく国労本部が強行した組合員資格の剥奪(はくだつ)は、明白な規約違反だ。
原告代理人はこの事実を指摘して、「一審判決はこのことを無視している。規約厳格解釈の立場から審理をやり直すべきだ」と裁判長に迫った。
原告代理人はさらに、労働組合法が、均等な取り扱いを受ける権利と組合役員を選挙する権利を組合員に保障していることを挙げて、「選挙権、被選挙権のない特別組合員は、労組法上の組合員ではない。大会決議で労組法上の組合員資格を奪えるという一審判決は、憲法と労組法に違反する」と論陣を張った。
原告側の説得力ある主張に押され、国労本部は「反論の書面を出す」と言わざるを得なかった。
裁判後の総括集会で原告の小玉忠憲さん(秋田闘争団)は「一審で証言した濱中保彦元書記長は『4・9和解で解雇は不当労働行為ではなくなった』と言った。彼らの正体を暴かなければならない。われわれは裁判で本部を圧倒したが、権力が本部を全力で支えている。この裁判を徹底的に闘い、それでも組合員ではないというなら、動労総連合の旗を立てる以外にない」と断言した。
原告の羽廣憲さん(小倉闘争団)は「国労組合員には本部の都合のいいことしか伝えられていない。それを打ち破るのがこの裁判だ。あきらめずに闘う」と宣言した。
原告の成田昭雄さん(旭川闘争団)は「低賃金に苦しむ非正規職の仲間が、『4原告はすべての問題を背負って闘っている』と言って職場で原告団物販に取り組んでいる。そのことに胸が熱くなる」と思いを語った。
最高裁への署名提出行動を終えて傍聴に駆けつけた動労千葉争議団の中村仁さんは、「この裁判は労働組合はどうあるべきかを問う重要な裁判だ」とエールを送った。
集会後、原告と傍聴者は、原告代理人でもある鈴木たつお弁護士を押し立てての総選挙闘争に駆けつけ、街頭宣伝戦をともに担いぬいた。