児童館全廃を許すな 鈴木たつお候補勝利で阻止へ 杉並丸ごと民営化に絶対反対
児童館全廃を許すな
鈴木たつお候補勝利で阻止へ
杉並丸ごと民営化に絶対反対
衆院選・東京8区、鈴木たつお弁護士が立候補した杉並区では、民主党・田中良区政による児童館の「全廃」が打ち出された。区は日々働く児童館の労働者や労働組合に対して「労働条件問題ではなく行政の決定事項だ」として団交すら拒否し、「なくなっちゃうの?」という子どもたちの不安と疑問の声を一切無視して進めようとしている。自治体労働者・住民が手をとりあって声をあげ、絶対に阻止しよう。
自治体労働者と住民が団結して
0〜18歳の子どもが遊び育つ児童館は、杉並区全体に42カ所あり、各小学校に一つの割合という高水準の権利だ。戦前からの生活協同組合運動や労働運動、そしてビキニ事件を契機とした原水禁運動に並ぶ杉並の労働者と住民の誇るべき闘いの歴史の象徴とも言える。
とりわけ児童館の労働者たちは、国鉄分割・民営化の過程で開始された職員の非正規化、合理化と粘り強く闘い続け、住民とともに子どもたちを誇りを持って守ってきた。田中区長は児童館のニーズが減少しているかのように宣伝するが、そんなことはない。高校を出ても児童館を訪れるほど子どもたちに慕われている。こうした若者の姿は、児童館が愛されている何よりの証拠だ。
杉並の労働者・住民の団結の象徴である児童館の歴史をなぜ断ち切ろうとするのか。「子ども・子育て支援新制度」=〈保育所と学童クラブの民営化〉を進め、それを突破口に杉並区を丸ごと民営化するためである。
学校の複合施設化―民営化狙う
杉並区は「杉並区立施設再編整備計画」に関し「素案」(13年9月)、「計画」(14年3月)を公表している。今でこそ「区民のニーズ」など口当たりのいい言葉で、あたかも区立施設がよくなるような印象を押し出しているが、「素案」ではそもそも二の次だ。
「素案」は、人口減少(30年後に7・7万人の減)に伴う「区民税収入の減少」と高齢化による社会保障費の増加を問題にし、「利用率が低い施設を廃止したり......施設を改築に併せて適正な規模にスリム化するなど、区立施設全体の規模を縮減する」と、あけすけに語っている。その中身は「道路・橋梁(きょうりょう)を除く596施設」すべてを対象とする驚くべき民営化計画だ。
そこで目を付けているのが「学校施設・学校跡地」であり、「複合化・多機能化による効率化の推進」を打ち出し、「民間活力の導入、適切な維持管理による施設の長寿命化等にとりくみ、施設運営の効率化を進めます」とある。「老朽化」「防災対策」を口実とした改築に伴い、学校の複合施設化から民営化を狙う中身だ。
区の主催した説明会では、住民から「集会施設の利用料はどうなるのか」「学校の改築の際に体育の授業は安全にできるのか」など多くの質問に「検討中」と答えるものの、学童クラブと特養老人ホームの民営化は決まっている。幹線道路が多く安全に遊ぶ場が少ない地域でも、児童館の廃止が平然と進められようとしている。この中に区の姿勢は鮮明だ。
民主党・共産党結託体制を破れ
「規制をなくし市場原理に任せれば社会はよくなる」などと言われた国鉄以来の民営化の宣伝文句はすべてうそだった。資本の金もうけのための方便だった。若者は非正規労働者に突き落とされ、貧困が蔓延(まんえん)した。福島第一原発事故が起こり、JR北海道の安全は崩壊した。安全も顧みない。次は保育所、老人ホームだ、学校だ、なんて許せない。そして民営化と貧困は戦争につながっている。
現在、杉並区の与党は民主党だが、戦争賛美の「つくる会」教科書を採択したことで有名な山田宏前区長よりは「まし」として日本共産党がこれを支えている。杉並での選挙戦をとおして、こうした戦争と民営化の攻撃を進める民主党―共産党結託体制をぶち破る、労働者党を建設しよう。鈴木たつお候補の勝利へ全力を挙げよう!
(織田陽介)
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●「機能は維持される」はウソ。児童館は文字通りの全廃
◎児童館42カ所すべてを廃止。子どもセンター(仮)、保育園、小学校へ、子どもたちの居場所はバラバラに。中高生については案もなし
◎学童クラブは民間委託し、小学校の中へ
◎跡地は保育園民営化等のために使われる
◎正規職員250人、非正規250人が職場を廃止される
●杉並区立施設再編整備計画は杉並丸ごと民営化
◎「区立施設全体の規模を縮減する」(区立施設再編整備計画・素案)
◎道路・橋梁を除く596の区立施設すべてが対象の巨大な民営化計画
◎保育園、学童クラブや特養ホームの民営化
◎小中学校の「複合化・多機能化」から民営化を狙う
◎ゆうゆう館、公営住宅、集会施設、図書館、区役所も含めた民営化、複合化、料金改定
◎あんさんぶる荻窪、科学館などの廃止
◎清掃事務所も統合・合理化