共産党は消費税容認 全廃が労働者人民の立場だ
週刊『前進』06頁(2660号02面02)(2014/12/08)
共産党は消費税容認
全廃が労働者人民の立場だ
今次衆院選で労働者人民の未来をかけた唯一の選択は、東京8区(杉並区)で鈴木たつお候補とともに闘い勝利することです。日本共産党は、労働者人民の選ぶべき政党ではありません。このことを私たちは強く訴えます。共産党が11月26日に発表した「総選挙政策」を批判します。
「消費税8%に反対」の声は一切上げない
第一に、問題なのは消費税についての立場です。共産党は「消費税10%は『先送り』実施ではなく、きっぱり中止を」と言っています。これは春に8%に税率アップされた消費税を、既成事実として完全に認めるということです。消費税は貧困な人ほど重い負担を強制されます。このような悪税は、即時全廃以外にありません! 現に多くの労働者の家庭、中小零細業者や個人事業者が地獄の苦しみを強制されています。生活費の増大で家賃や学校の授業料、給食費も支払えず、医者にもかかれない。消費税を支払えず会社が倒産し、失業や自殺、一家心中に追い込まれる。これが現実に起きていることです。
共産党はこうした現実を隠ぺいし、「『先送り』実施を認めるのか、中止を求めるのかが、鋭い争点」(志位委員長)などと言い、8%を容認しているのです。絶対に許せません。
共産党は「『消費税にたよらない別の道』――日本共産党の財源提案」なる文書を衆院選前に発表しました。ここでは次のように言います。
「(日本経済の)平均2%台の成長は可能です。そうすれば税収も増え、10年後には、国税・地方税あわせて20兆円を超える自然増収を実現します」「2030年ころまでには、基礎的財政収支を黒字化し、対GDP比でみた債務残高の増大を食い止め、逆に減少に転じさせることが可能」
このように、資本主義はまだ成長できると賛美し、日本国家の財政再建が可能であるというとんでもない幻想を振りまいています。ここでも消費税8%は前提です。
対GDP(国内総生産)比240%超、1144兆円(14年度末)にまで累積した政府の債務は、消費税を引き上げたところで解決しません。
大体、この債務は銀行や資本家の救済のために積み上げられたものです。彼らがそのツケを労働者に支払わせることを正当化する論理が「財政再建」であり、これに同調しているのが共産党です。
現在の課題は、労働者人民に大失業と戦争をもたらすことでしか今日明日の延命ができない資本主義の体制をひっくり返し、労働者が主人公の社会をつくることです。政策を変えればこの先何十年も資本主義にバラ色の未来があるとえがく共産党は、この闘いを押しとどめる政党です。
「安倍打倒」ではなく「暴走ストップ」だけ⁉
第二に、「安倍政権の暴走ストップ!」というメインスローガン自体がインチキです。なぜ今、「安倍打倒」を訴えないのか。「暴走ストップ」「審判を」などと口先で言いながら、安倍政権はまだまだ倒せないし、打倒する気はないということです。何より、労働者階級が資本家階級とその政府を倒し、社会のすべてを取り戻そうとは呼びかけません。社会を変える主体が労働者階級であることを否定しているのです。
共産党は、「大企業の巨額の内部留保のほんの一部を使うだけで、大幅な賃上げと安定した雇用を増やすことができます。そのために政治がやるべきことは……雇用のルールをつくることです」(衆院選政策)と言います。大資本家の温情によるほどこしと、「雇用のルール」の法制度づくりにすべてが切り縮められているのです。資本家と政府にお願いして「ルール」をつくれば救済される。労働者とはそのような存在なのでしょうか。絶対に違います。
解雇撤回・原職復帰をかちとった東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会(鈴コン)の闘いを見てください。3カ月雇用契約の非正規職の生コン労働者が、職場で労働組合に団結し、絶対反対で闘えば資本に勝てることを証明したのです。共産党は労働者にこのような力があることをけっして認めていません。だから非正規職撤廃も、解雇・首切りと闘うとも言わないのです。
共産党などの野党と既成労働運動指導部が現場の労働運動・労働組合の力を無視・抹殺し、新自由主義に屈服してきた結果が、資本のやりたい放題がまかり通る今日の状況です。もうこんなあり方を打ち破りましょう。
「自衛戦争」賛成で侵略戦争に翼賛・協力
第三に、安倍の集団的自衛権行使の7・1閣議決定に対し、共産党は「『海外で戦争する国』づくりを許さない」と言います。これは「戦争反対」ではありません。共産党は「自国を守るための」戦争には全面賛成しているのです。しかし、これまでの侵略戦争はすべて「自国の領土、財産、国民を守るため」と称して行われてきました。「日本を守るため」というペテンを打ち破らなければ戦争を止めることはできません。戦争は〝1%〟の資本家階級の利益のために〝99%〟の労働者人民が動員され、生活と生命を犠牲にされるものです。このことは労働者人民が痛苦の歴史を通して記憶に刻みつけてきた教訓です。
戦争を阻止する道は、全世界の労働者民衆が国境を越えて手を結び合うこと、「自国を守るため」と称して行われる一切の戦争政策に絶対反対を貫き、戦争をする政府を倒すことです。「自衛戦争」に翼賛・協力し、労働者階級の国際連帯に敵対する共産党は戦争反対の党ではありません。
第四に、原発問題について、共産党は内部被曝、外部被曝の現実を徹底的に隠ぺいし、闘いを妨害しています。(4面参照)
今、日本共産党のまやかしを労働者人民は次々と見破り、鈴木たつおを選択して闘いに立ち上がっています。「新しい労働者の政党をつくろう」の大運動をともに巻き起こしましょう。