新しい労働者の政党をつくろう 首切り、賃下げと非正規化、格差拡大の アベノミクスを葬り去れ
新しい労働者の政党をつくろう
首切り、賃下げと非正規化、格差拡大の
アベノミクスを葬り去れ
衆院選で自民党は「景気回復、この道しかない」と声高に叫んでいる。だが、アベノミクスは完全に崩壊している。
●アベノミクスは大破綻
第一に、経済成長率は2四半期連続マイナスとなった。14年7〜9月期の実質GDP(国内総生産)は前期に比べ0・4%減(年率で1・6%減)であり、これは4〜6月期の1・9%減(年率7・3%減)に続く2期連続のマイナス成長だ。「消費増税による落ち込みは一時的。経済は早期に回復する」との安倍政権やエコノミストの宣伝は打ち砕かれ、安倍は消費税率の引き上げ延期に追い込まれた。
実は過去1年間でGDP成長率がプラスとなったのは、消費増税前の駆け込み需要のあった14年1〜3月期だけだ。1年間で3四半期がマイナス成長である。日本経済は「恐慌の中の恐慌」に突入したのだ。
第二に、日本国債が格下げされた。消費増税延期を受けて、米格付け会社ムーディーズが日本国債の格付けを1段階引き下げ、オマーンやチェコと同一水準となった。
政府債務はすでに1000兆円を超えている。12年12月の安倍政権発足後に41兆円増えた。14年度末には1144兆円になると言われている。
このままアベノミクスを続ければどうなるか。それは国債の金利上昇、国債価格と円暴落に必ず突き進む破滅への道だ。
第三に、安倍がアベノミクスの「成果」として押し出していること、すなわち、①賃金が上昇した、②雇用が100万人増えた、③有効求人倍率(仕事を探す人1人に対する企業の求人数)が1倍を突破し1・10倍となった――これらはすべて大うそだ。
●実質賃金は16カ月連続減少!
厚生労働省の勤労統計調査によれば、昨年10月に比べて名目賃金は0・5%上昇した。だが、これに物価上昇を加えた実質賃金は、2・8%下がり、実質賃金は16カ月連続で減った。
物価上昇は日銀が金融緩和を行い、資金を市中にバラまき、円安を招いた結果だ。アベノミクスが直接に賃金を下落させたのだ。
「賃金が上がった? どこの世界の話だ!」。これが労働者民衆の率直な声だ。
●正規雇用は減り、非正規職に置き換えられた!
総務省の労働力調査によると、今年10月時点の労働者数は、5279万人で、2年前と比べると125万人増えていることになる。だが内訳は正規労働者が42万人減り、パート、アルバイト、派遣などの非正規労働者が167万人増えたのである。非正規の中でもとくに不安定な派遣労働者は、今年10月に127万人で、2年前から37万人増えた。
●賃金減→消費減→景気後退の悪循環!
総務省家計調査によると、今年7〜9月期の1カ月の平均消費支出は前年同期比1・5%減。物価上昇分も加えると実質5・3%減となった。
円安で燃料費や材料費は上昇し、中小企業は業績を悪化させている。14年1〜10月の円安が原因の中小企業の倒産件数は前年同期と比べて2・8倍も増えた。
●貧富の格差は極限的に拡大!
年収200万円以下の人はこの2年間で1090万人から1120万人に増え、年収1000万円超の人が172万人から186万人に増えた。
「有効求人倍率が1・10倍に達した」との成果強調も大うそだ。14年10月の就職件数は16万6千人で、リーマンショックの08〜09年の平均値16万5千人と大差ない。つまり、ハローワークに行くと「求人募集」の数はあっても、働いてまともに生活できる仕事が見つからない、だから就職件数が非常に少ないのだ。正社員に限ると有効求人倍率はわずか0・68倍だ。
一方、トヨタは2年連続の過去最高益を上げた。円安の恩恵にあずかり外需に依存するほかの大企業も、収益を拡大している。一握りの富める者がボロもうけし、景気、雇用、賃金すべてを悪化させ、労働者民衆に貧困と生活苦をもたらしたのがアベノミクスだ。衆院選で葬り去ろう。