愛と団結、怒りを一つに 星野暁子さんが11・29集会へ訴え

週刊『前進』06頁(2658号06面01)(2014/11/24)


愛と団結、怒りを一つに
 星野暁子さんが11・29集会へ訴え

(写真 徳島刑務所の門に立つ星野暁子さん【10月】)

分断は打ち破られている

 私のつれあいの星野文昭は、獄中40年目のきびしい寒さの冬を迎えようとしている。今年2月、無呼吸症候群のため横寝をしている文昭は、外側に出ている耳が一晩でしもやけになったと話してくれた。10月の面会の時に、徳島救う会とともに、暖房と湯たんぽを求める寒さ対策の申し入れを行った。また、法務省への申し入れも行った。
 異常はなかったものの文昭の右肺に影が見られるやいなや、精密検査を獄外の病院ですばやく行った刑務所の対応を見ると、一枚一枚の全国からのたより、申し入れ、徳島刑務所包囲デモなど、私たちの粘り強い取り組みは、獄壁を打ち破って確実に獄中の文昭を守り、受刑者の処遇の改善の道を開いている。
 『愛と革命』が出版され、全国で今、次々に星野文昭の絵画展・集会が開催されている。全国の創意工夫をこらした取り組みは、目を見張るばかりであり、労働者・市民の心をとらえている。CD「ソリダリティ」が発売され、全国34カ所の国鉄集会で歌われた。星野闘争と労働者・市民の闘いがひとつになって前進している。
 文昭は、最近の『前進』への投稿の中で「星野40年の投獄は、階級的労働運動・国際連帯の闘い、あらゆる人びとにかけられた究極の団結破壊であるから、無期を打ち破ってきた星野を取り戻す闘いに取り組むことによって、団結を団結としてつくりだし、闘いに勝利することができる」と言っている。本当にそうだ! しかし弾圧は、一人ひとりにかけられる。いま無期になっているのは、革共同では、星野文昭ひとりだ。そこに向き合う重さ、敷居の高さがあったと話してくれた人がいた。当然だろう。しかし、その文昭の絵から受け取れるのは、「生きる」ことの希望であり、激励であり、あふれるような愛情だ。すべてが奪われている獄中でなぜこんな絵が描けるのか、これはいったいどういうことなのだろうと、あらためて星野文昭に向き合ったという話を聞いた。私の話からも、文昭が身近になったそうだ。「分断」は打ち破られている、獄中の文昭と私の闘いによって。そして、多くの救う会・取り戻す会の人びとの闘いによって、一枚のはがきを送ってくれるあなたの闘いによって、何より国鉄闘争を軸とする階級的労働運動の進展によって。

百万人署名運動の推進を

 明日の見えない無期確定から28年、奪われているがゆえに互いの愛情と団結を何よりも大切にして道を開いてきた。その歩みに対して、精神障害の子どもを持つお母さんから「生きる力をもらいました」と言われた。また、7・1情勢のもと、先端の攻撃と闘う西郡の人たちから「星野さんの闘いがあるから闘える」と言われた。文昭も私も、闘ってきて本当によかったと思っている。
 安倍政権への怒りは、ついに衆議院解散に追い込んだ。「生きさせろ」の声、戦争反対の叫び、フクシマの怒り、オキナワの怒りが、星野の闘いに結びついた時、それは「人間が人間らしく生きられる世の中を自らの闘いによってつくっていこう」という確信がすえられた運動になっていく。戦争反対・沖縄闘争を闘ったがゆえに無期デッチあげをかけられている星野の闘いにとっても、それらの闘いに結びつくことは、取り戻す現実性を引き寄せることになる。
 さらには、「無実の星野さんを40年も閉じ込めるのは、憲法違反であり、国家犯罪だ」という怒りが結びつき、巨大な流れになっていくのが証拠開示を求める星野100万人署名運動だ。宮城救う会は目標を5千筆に決めて闘いを開始している。絵画展が成功した松江では、870筆が労働組合から届けられた。
 星野文昭は、「獄中の党」としてこの40年を生きてきた。『前進』が2週間遅れで届く。呼吸をすること、思いを通わせることが闘いである獄中に生きてきたからこそ、奪われたものすべてを奪い返して、隊列の隅々まで目の届く「中央指導部」(大原論文)として、伸びやかに解放までの日々をともに闘いたいと思う。

安倍政権に断を下す時だ

 11月29日の星野全国集会は、総選挙直前の集会になった。星野弁護団長の鈴木達夫さんが出馬する。戦争国家へと突き進み、フクシマを見殺しにし、沖縄の辺野古新基地建設を強行し、民営化を推し進めて、首切り・非正規職を蔓延(まんえん)させてきた安倍政権に断を下す時だ。
 そして、星野文昭を取り戻すのは、今だ。70歳まであと2年で取り戻そう。来年の確かな勝利のために、11・29集会へのあなたの参加をお願いします。
(全国再審連絡会議共同代表)
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