「裁判員」廃止へ追撃を 大運動が150人で最高裁デモ
週刊『前進』06頁(2658号04面03)(2014/11/24)
「裁判員」廃止へ追撃を
大運動が150人で最高裁デモ
(写真 晴れわたった秋空の下、東京地裁前を進むデモ参加者【11月14日】)
11月14日昼、「裁判員制度はいらない!大運動」が主催して、東京で裁判員制度の廃止をめざすデモが行われた。150人が参加し、都心の官庁街―オフィス街を力強くデモした。
「大運動」の11月デモは今年で4回目。毎年11月のデモは、最高裁が次年度の裁判員候補者に選んだ人びとに名簿記載通知を送る時期に合わせ、「発送をやめろ」と最高裁に迫る趣旨で始められた。最高裁は毎年のこのデモに打撃を受けてきた。そこで今年は通知の発送を繰り上げ、デモ直前の12日に全国23万人に記載通知を発送した。
正午から、デモ出発点の日比谷公園霞門で出発前のアピールが行われた。まず「大運動」事務局の武内更一弁護士がマイクを握り、最高裁がすでに通知を発送したいきさつを述べ、「最高裁のろうばいぶり、追い込まれぶりがよく表れている。私たちの運動が最高裁を追いつめている証拠だ。元気よくデモしよう」と呼びかけた。
続いて「大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士が次のように訴えた。
「裁判員制度は、実施以来5年間で惨憺(さんたん)たる状況になった。メディアは今、裁判員制度の現状に触れようとしない。彼らは制度を推進してきた勢力だから、これに触れられない」「裁判員裁判で心に病を負った福島の元裁判員の国賠訴訟が、全国の司法関係者に激震を起こした。100日間を超える裁判員裁判がこれから神戸地裁で始まる。裁判員として出頭する人もどんどん減ってきた。裁判中に解任される人も増えている。このように、私たちの見ているところで、裁判員制度は最後の姿を見せている。絶対に廃止に追い込もう。きょうは沿道の多くの人たちと心をひとつにして、デモしよう」
高山さんの力強い提起に、参加者は一層確信を深め、デモに出発した。
「大運動」呼びかけ人の今井亮一さん(交通ジャーナリスト)や弁護士を先頭に、横断幕や色とりどりの旗をなびかせて行進した。
まず、目の前の弁護士会館に向かって、「日弁連は裁判員制度に手を貸すな」と第一声。続いて東京地裁から官庁街、オフィス街へ進んだ。首相官邸のすぐ脇では、「戦争反対!」「安倍やめろ!」の声がひときわ鋭く響いた。昼休みに街を行く労働者の注目と共感と声援の中、デモ隊は意気高く最高裁まで行進した。
被告が殺人罪などに問われている裁判員裁判が19日から神戸地裁で始まった。判決まで過去最長132日間の予定だ。その間、裁判員は年末年始を除きほぼ週3日の頻度で地裁に出向き、ほとんど朝から夕方まで拘束される。裁判員に大変な負担を強いる。
最高裁の意識調査でも「裁判員はやりたくない」は実に85%に上る。もはや裁判員制度は破綻している。さらに闘いを強め、現代の徴兵制=裁判員制度を絶対に廃止に追い込もう。