韓国民主労総労働者大会 3万人が〝パククネ退陣〟叫ぶ 連帯・団結・闘争で世界を変えよう

週刊『前進』06頁(2657号06面01)(2014/11/17)


韓国民主労総労働者大会
 3万人が〝パククネ退陣〟叫ぶ
 連帯・団結・闘争で世界を変えよう

(写真 「パククネ退陣!」の横断幕を手にした民主労総執行部を先頭に3万人の労働者が力強く都心をデモ【11月9日 ソウル・大学路】)

(写真 動労千葉の動輪旗と動労水戸、動労西日本ののぼりを持った青年労働者が先頭に立ち、大学路に向かってデモ行進する動労千葉訪韓団【11月9日 ソウル】)

(写真 金属労組が開催した「セウォル号家族と金属労働者の一つの広場」に参加、怒りをともにした【9日午前 光化門籠城現場】)


 動労千葉訪韓団は11月8日、11・2労働者集会を共有した民主労総ソウル本部の同志たちと民主労総労働者大会前夜祭が開かれるヨイド公園で再会した。田中康宏委員長を団長に動労水戸の石井真一委員長、動労西日本の山田和広書記長を始め90人を超える大訪韓団の登場だ。「労働者の団結で世界を変えるチャンスだ。戦争も国境もない世界を求めて新たな一歩を踏み出そう」(田中委員長)の意気込みで全国から集まった同志たちである。来年、創立20年を迎える民主労総も「新たな跳躍」をかけ、80万組合員の直接選挙による初の執行部選挙の真っ最中だ。訪韓団は、8日の前夜祭参加を皮切りに9日午前、希望連帯労組ケーブル放送(C&M)非正規支部および公共運輸労組ソギョン支部建国大分会の籠城(ろうじょう)現場を激励訪問、さらに光化門で開かれたセウォル号遺家族と金属労組の集会に参加。3万人の都心デモに合流し、44周年チョンテイル烈士精神継承!2014全国労働者大会に参加した。10日には民主労総ソウル本部との日韓労働者理念交流を行い、鉄道労組や自治体労働者などとの交流も深めるなど、3日間の貴重な国際連帯行動を打ちぬいた。パククネ退陣! 安倍打倒! 国際連帯の力で戦争を阻止し、世界革命へ進もう!

非正規組合員20万人が希望

 「パククネ退陣!」の労働者の叫びがソウル都心を揺るがした。「私が民主労総だ。生きている者よ、立ち上がれ」の大横断幕を先頭に金属労組の大部隊が延々と続く。宣伝カーが呼びかける。「パククネ政権は鉄道や医療の民営化を推進し、国民の安全と健康を破壊して財閥の金もうけの手段にしようとしています。鉄道、医療、水、電気、ガスなどの社会公共性を守ろうと、労働者は決意しました。ともに闘いましょう!」
 11月9日午後、清渓川(チョンゲチョン)沿いの永豊(ヨンプン)文庫前から大学路(テハンノ)へ、3万人を超える大デモは大河の流れのようだ。動労千葉訪韓団のデモの先頭には動労千葉、動労水戸、動労西日本の動輪旗・のぼりを掲げた青年労働者が立った。「われわれは真の普通選挙を要求する」の横断幕を持った香港職工会連盟も参加している。デモ終着の大学路では民主労総執行部選挙に立候補した4組の候補者たちが出迎えてアピールした。
 午後4時過ぎ、全国労働者大会が始まった。昨年、サムソン電子サービス支会のチェジョンボム烈士の遺影があった場所に、雇用不安と低賃金、入居者からの人権侵害に苦しんで焼身し、7日に亡くなった新現代アパート警備労働者イマンス烈士の遺影が並んでいる。
 300人を超える犠牲を出したセウォル号惨事の遺族も「絵に描いた虎でしかない特別法だが、これからが始まりだ。安全で平等な社会のために団結して闘おう」と怒りのこぶしを突き上げた。
 民主労総のシンスンチョル委員長は、「民主労総80万組合員のうち20万人が非正規職だ。非正規職は集まることも、闘うことも困難だが、この20万組合員がこの地の1800万労働者の新たな希望となり、世界を変えることができると確信している」と訴えた。
 さらに「民主労総は直接選挙というもう一つの課題を抱えている」と述べ、「私たちの力で民主労総を守り、組合員の力で新たに跳躍する20年、連帯の民主労総、団結の民主労総、闘争の民主労総をつくろう!」と声を限りに叫んだ。

鉄道労組訪問し交流深める

 10日午前、動労千葉と動労水戸、動労西日本の動労総連合の労働者たちは、龍山(ヨンサン)駅近くにある全国鉄道労組ソウル地方本部を激励訪問した。
 10月、新たに本部長に選出されたパクジョンソン本部長が「日本の新しい労働運動の再生を目指して闘っている動労千葉との今回の交流で、新自由主義と闘っていく労働運動の連帯をつくっていけたらと思います」と歓迎の言葉を述べた。
 田中委員長は、昨年12月の23日間の鉄道労組ストライキを衝撃と感動をもって受け止めたことを伝え、「28年前の国鉄分割・民営化は、日本の労働運動が大きく後退するきっかけになった。私たちはもう一度、労働組合の力を取り戻したいと闘ってきたが、今回の鉄道労組との交流は何万馬力もの力だ」と感謝の言葉で応えた。
 11月に来日したオムギリョン前本部長も「パククネ政権は任期中に鉄道民営化を成し遂げようとしている。その強烈な攻撃に対し闘う団結を固め、組織的準備をしている最中です。新自由主義に立ち向かって闘う立場を堅持し、階級的労働運動の再生を目指して闘っている動労千葉と交流していきたい」と語った。

職場で資本と闘い戦争阻む

 鉄道労組や希望連帯C&M非正規支部、ソギョン支部建国大分会、自治体労働者、医療労働者などとの交流を深め、訪韓団のだれもが敵の攻撃はどこでもまったく同じだと確信した。グローバル展開する新自由主義を打ち破るために労働者の国際連帯は不可欠だ。しかし、自らの職場で資本と非妥協で闘い、団結を拡大しなければ、世界の労働者の共感と信頼を得ることもできない。
 10日に民主労総ソウル本部で開催された韓日労働者理念交流で田中委員長は、新自由主義と闘う階級的労働運動について次のように提起した。
 「新自由主義が医療も教育も社会保障も社会そのものを崩壊させてしまうほど暴れ回り、膨大な非正規労働者であふれている。この状況でどういう労働運動が通用するのか。これをつかんだ時、すべてが動き出す。民主労総の闘いはそのための苦闘、実践の最先端だ」
 「職場で資本と闘う団結と、資本が生み出す戦争に本気になって反対する団結、これが一つになっていなければならない。それを自らの闘い、実践として示すことが階級的労働運動だ」
 階級的労働運動の再生をかけ、労働者の国際連帯を前進させよう。
(室田順子)

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