知る・考える 用語解説 スターリン主義/帝国主義労働運動
週刊『前進』06頁(2657号05面05)(2014/11/17)
知る・考える 用語解説
スターリン主義/帝国主義労働運動
スターリン主義―世界革命に敵対する反革命
レーニンの死(1924年1月)後、ロシア共産党とソビエト国家の権力を握ったスターリンは、世界革命と労働者階級自己解放の闘いを社会主義・共産主義の名で裏切り、圧殺し、ロシア革命を変質させた。そして一握りの官僚層が労働者人民を暴力的に支配し自己の特権を維持する体制が成立した。これをスターリン主義という。ソ連と東欧諸国のスターリン主義党・国家は1989―91年に崩壊・消滅したが、中国、ベトナム、キューバ、北朝鮮の共産党と国家は残存している。日本共産党の思想と運動もこれらと同列だ。
スターリン主義は、1917年のロシア革命がその後に続くべきドイツ革命の敗北によって国際的孤立を強いられ、また遅れた農業が圧倒的という国内の経済社会問題を抱えた革命ロシアがそれらにどう立ち向かうかが問われた中で発生した。スターリンは、プロレタリア世界革命による問題の解決というマルクス主義の原則を放棄し、一国でも社会主義は建設できると強弁し、屈服を正当化した。他方で世界革命の原則を主張するトロツキーら左翼反対派を粛清・抹殺した。
しかし一国社会主義は原理的にも現実にも成り立たず、その根本矛盾を爆発させ、歴史的破産を遂げた。それがソ連崩壊である。
帝国主義労働運動―戦争推進と革命圧殺の手先
帝国主義労働運動とは、本来あるべき労働組合としての立場を投げ捨て、帝国主義の行う戦争と労働者への階級戦争の先兵の役割を果たす腐敗した労働運動のこと。逆にそれと真っ向から闘い、労働組合を現場労働者の手に取り戻すことで階級的労働運動の発展とプロレタリア革命の勝利をかちとることができる。資本家階級は労働者の闘いを圧殺するために労働組合を弾圧するだけでなく、組合の指導部を買収して資本の意のままになる御用労組をつくり、それを使って職場を支配してきた。帝国主義はそうした労働貴族を積極的に育成した。その代表的人物である連合の古賀伸明会長は今日、消費再増税に賛成するなど、その本性をますますむきだしにしている。
さらに、帝国主義の危機が爆発し「戦争か革命か」の情勢に突入する中では、既成の労働運動指導部が完全に屈服・変質して帝国主義労働運動に転落するということが起きる。労働運動の役割を資本主義体制の枠内で労働条件の改善を求めることに限定し、革命をやる立場に立つことを拒否してきた体制内労組幹部は、今やこの方向に最後的に舵(かじ)を切った。国鉄解雇撤回を闘う闘争団員を組合から排除し、外注化に協力して9・11郡山闘争圧殺に動いた国労本部がその典型である。