川内原発 県議会の「同意」に怒り 「再稼働するな」の声が包囲
川内原発
県議会の「同意」に怒り 「再稼働するな」の声が包囲
11月7日、鹿児島県議会と県庁周辺では、鹿児島県の川内原発再稼働受け入れ表明に対して終日、激しい抗議の声が響き渡った。
県庁入り口前には再稼働反対のテントが張られ、「知事は県民の声を聞け!」と書かれた横断幕、寄せ書き、激文がところ狭しと並べられた。早朝から県内はもちろん九州全県、福島を始め全国から再稼働に反対する人びとが集まり、NAZEN福岡やレイバーユニオン福岡も全国の仲間とともに闘った。
議場傍聴席で「再稼働NO」
まず本会議場の傍聴席から怒りが爆発した。鹿児島ばかりか全日本、全世界が注目する議会だが、質問者は反対議員のみで、自公議員は質問すらしない。自公は、数をたのみに31の再稼働反対の陳情をすべて否決し、薩摩川内市の商工団体から出されたただ一つの再稼働推進の陳情を採決しようとした。
「もう許せない!」。傍聴席から一斉に怒号が起こった。伊藤祐一郎知事は目を閉じたままだ。傍聴者は全員立ち上がり「原発再稼働NO!」のプラカードを一斉に掲げて抗議。「川内原発を再稼働させないぞ!」と議場を圧する怒りのシュプレヒコールを何度も続けた。その激しい怒りに押され、県議会当局は傍聴者を退場させることすらできなかった。
一方、傍聴できなかった人たちは隣の県庁舎に押しかけた。「2階にモニター室がある。そこで議会のやり取りが見られると議会当局は言っている。中に入れて見させろ」と申し入れた。ところが県職員は入り口を固め中に入れさせない。県当局は「反対派が何をするかわらないから」として、なんと県庁業務を停止し、県庁舎全体を封鎖していた。怒った市民らは、職員に激しく詰め寄って抗議した。NAZEN福岡事務局が「この場で抗議集会をやろう」と呼びかけ、県庁入り口前で抗議集会が行われた。
採決強行後、伊藤知事は記者会見で「地元同意が取れた」と表明し、「私の中では(再稼働受け入れで)終始一貫していた」と開き直った。
旧自治省官僚時代、石川県に出向し、企画課長として志賀原発誘致の中心で動いたのが伊藤だ。「3・11」以降も「原発は必要」と繰り返し、川内原発再稼働を推進してきた。九州電力との緊密な関係も暴露されている。まさに安倍や電力資本の手先そのものだ。
昼から議会傍聴者たちも合流して、県庁前の公園広場で「ストップ再稼働! 3・11鹿児島集会実行委員会」の抗議集会が開かれた。地元反対派や県議、福島現地から駆けつけた団体、人士、さらに福島からの避難者らが「伊藤知事はカネで命を売るな!」など、口々に伊藤知事を弾劾し、大規模噴火や避難計画のずさんさを暴露した。
「一歩も引かない」と記者会見
さらに抗議の記者会見が県庁の反対派テント前で行われた。「鹿児島県の歴史に汚点を残した」「闘いはこれからだ」「一歩も引かないで闘おう」「あきらめなければ勝てる。さらに闘いを広げよう」と訴えた。
鹿児島県の川内原発再稼働受け入れに激しい怒りが燃え上がっている。墓穴を掘ったのは安倍と鹿児島県だ。この怒りで原発再稼働を絶対に阻み、戦争と民営化の安倍打倒へ。
(九州 A)