前進社国賠 都 (警視庁) に一部賠償命令 核心部分の違法性認めず 東京地裁 さらに不当捜索と闘う
週刊『前進』06頁(2656号06面01)(2014/11/10)
前進社国賠
都 (警視庁) に一部賠償命令
核心部分の違法性認めず 東京地裁
さらに不当捜索と闘う
10月31日、前進社国家賠償請求訴訟の判決が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で出された。
2009年10月23日に警視庁が公安条例違反容疑をデッチあげて前進社に家宅捜索に入り、メディア類(パソコンなどに使う記録媒体)1223点を含む1418点もの大量の物品を中身の確認もせず無差別に押収した。この訴訟は、前代未聞の権力犯罪を国家賠償請求という形で徹底的に追及・弾劾する闘いだ。
判決内容は、被告東京都・警視庁に部分的に損害賠償を命じるひとまずの勝利だ。この判決に権力は大打撃を受けている。だが他方で判決は今回訴訟の核心点である警視庁による大量のメディア類の無差別な押収を合法と認め、令状を発布した裁判官をも擁護した反動判決でもある。この点を徹底的に弾劾する。
権力の偽証を暴き徹底的に追い詰めた!
被告・警視庁は完全に開き直り、裁判所に対して、証人尋問をほとんどせずに門前払いの判決を出すように求めてきた。だが、原告・救対部と弁護団の粘り強い闘いによって、裁判所も証人採用を認めざるをえなくなり、原告側証人11人と公安1課の警察官4人の証人尋問をかちとった。特に家宅捜索の責任者2人を含む4人の警察官を法廷に引きずり出したことは決定的だった。
証言に立った警察官は追い詰められて供述を次々と変遷(へんせん)させ、違法な捜索・押収をとりつくろうために、誰が聞いてもウソとわかる偽証を繰り返した。その結果、警視庁の警察官らの証言に疑問を持った裁判所が前進社の現場検証を行うという画期的な地平を切り開いたのだ。
さらに警視庁が押収した後に還付した記録媒体に17個の写真データが書き加えられていたことを暴露した。そこに写っているA同志を翌年の11月4日にデッチあげ逮捕した。このように捜索が完全な別件捜査でもあった事実をも明らかにした。
メディア大量差し押さえ認める反動判決
まさに勝利判決以外ないところまで権力を追い詰めていたがゆえに、裁判所としても警視庁の違法性を部分的に指摘せざるをえなかったのだ。だが、7・1集団的自衛権行使の閣議決定を受けた日帝最高裁・寺田体制のもと、反動の牙城である東京地裁は「電磁的記録媒体をその場で確認していたのでは記録された情報を損壊される危険性があったと認められる」と虚偽の認定を行い、そのことを理由にメディア類を根こそぎ押収したことを合理化した。断じて許せない。
違法な別件捜査についても、そのことには触れず、司法としての義務を放棄したきわめて政治的な判決と言える。
権力はこの十数年にわたり、動労千葉など3労組が呼びかける11月労働者集会の直前に、必ず本件のようなきわめて不当な弾圧を行ってきた。
権力は革共同の前進に恐怖し、電子メディアを含む大量のデータを収集して革命党を丸裸にしようとしてこのような弾圧に及んだのだ。憲法も法律も踏み破った革命党と労働運動への弾圧は断じて許すことができない。
だが、動労千葉を先頭に闘う労働組合の新潮流が確固として登場し、反原発闘争で決起した巨万の人民と結びついて2010年代中期階級決戦に突き進んでいる。革共同は今回の判決をも跳躍台にして不当弾圧・不当捜索と徹底的に闘いぬく。