知る・考える 用語解説 日本帝国主義(日帝)/安倍・葛西体制
週刊『前進』06頁(2656号05面05)(2014/11/10)
知る・考える 用語解説
日本帝国主義(日帝)/安倍・葛西体制
日本帝国主義(日帝)―今の日・米・欧は帝国主義だ
「戦後の日本は民主的な平和国家であり、戦前の『大日本帝国』のような国ではない」という主張が、学校教育やマスコミなどを通じて広く流布され、あたかも現在の日本は帝国主義ではないかのように思われている。また日本共産党などは「世界で唯一の帝国主義はアメリカであり、日本はそれに従属しているだけだ」と主張し、一切の物事を「対米従属論」で説明しようとしてきた。だが、こうした主張は理論的にも現実的にもまったく間違っており、労働者階級人民の階級意識をくもらせるものでしかない。そもそも「帝国主義」とは、単なる政策や統治形態の問題ではなく「資本主義の最高の発展段階」(レーニン)のことである。その意味で、今の日本やアメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどの諸国は、「1%」の大企業・大銀行などの支配者が「99%」の労働者人民を支配する帝国主義段階の国にほかならない。
経団連などの財界や大企業と一体化した安倍政権の新自由主義政策は、大恐慌下での日本帝国主義(日帝)の延命をかけた最後のあがきであり、その行き着くところは大失業と戦争だ。これに対する労働者階級の回答は、「よりましな政府」でも「ルールある資本主義」でもなく、日帝を打倒して社会を根底から変革するプロレタリア革命以外にない。
安倍・葛西体制―危機深める日帝の政治中枢
日帝の政治支配の中軸を形成している安倍と葛西敬之(JR東海名誉会長)の極右的な結託体制。取り巻きを集めた脆弱(ぜいじゃく)な安倍政権を、葛西があらゆる面で「参謀」的に支えている。葛西は、2011年3・11福島原発事故の直後から原発再稼働の必要性を強弁し、また安倍の私的諮問機関「安保法制懇」のメンバーとして集団的自衛権行使の7・1閣議決定の下地をつくった。「インドあたりで戦争が起きてくれればありがたい」と公言するなど、戦争推進の先兵でもある。現在は内閣府の宇宙政策委員会委員長となり、日帝の軍事・戦争体制づくりに深くかかわっている。
葛西の位置が重要になっているのは、鉄道(高速鉄道と都市鉄道)のパッケージ輸出が国際争闘戦の戦場となり、日帝の死活的な国策となっているからだ。
葛西は、1980年代の国鉄分割・民営化の推進者となり、当時の国鉄職員局次長として国鉄労働者20万人の首を切り、団結破壊の不当労働行為を繰り返した極悪の人物だ。労働者階級にとって絶対非和解の打倒対象である。
安倍と葛西を結びつけるものは、階級的労働運動への恐怖と憎悪である。JR体制打倒の国鉄決戦は、この安倍・葛西体制を打倒しプロレタリア革命をたぐり寄せる戦略的な闘いである。