新自由主義と全面対決 闘う労組が国境を越え団結 11・2全国労働者集会 戦争と民営化の安倍を倒せ

週刊『前進』06頁(2656号03面01)(2014/11/10)


新自由主義と全面対決 闘う労組が国境を越え団結
 11・2全国労働者集会
 戦争と民営化の安倍を倒せ



(写真)韓国・アメリカ・ドイツの代表と、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の呼びかけ3労組が先頭でデモ

改憲・戦争反対、反原発の闘い

国際連帯で戦争絶対反対 
とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 「戦争は国会から始まる」。この言葉を私は、国会傍聴を15年続けてきた経験から考えました。自民党は今年1月の大会で「不戦の決意と平和国家の理念を貫く」という文言を運動方針から削除しました。改憲をする、再び戦争をする宣言です。安倍内閣は7月1日、集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行しました。憲法改正が自民党の党是であり、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱えています。
 地方創生特別委員会は重大です。石破茂氏は02年5月23日には衆院憲法調査会で「徴兵制が憲法違反とはとうてい考えられない」と言いました。そして地方創生大臣として今、特別委員会で驚くべき答弁をしています。
 日米安保ガイドラインの再改定も予定され、さらに靖国神社を国家護持にしようとしています。中国の人びとは「父を殺した人間を首相が参拝するとはいったい何事だ」と言っています。
 日本は、自衛を大義名分化し、開戦の道を再び突き進もうとしています。私は侵略、加害の歴史を心に刻み、国際連帯による戦争絶対反対、改憲阻止の決意を表明します。戦争絶対反対の闘いを広げ、安倍政権を一日も早く打倒しましょう。

憲法変えるな戦争を許すな 
長崎の被爆者/NAZENナガサキ 城臺美彌子さん

 私が生まれた1939年の前年に国家総動員法が制定されました。内容は国民を徴用できる、賃金を統制できる、物資の生産・配給・消費などを制限できる......戦争のために国民は持っている権利を全面的に政府に譲り渡すというものでした。
 その2年後、41年にアジア・太平洋戦争へ突入しました。今もすでに有事立法ができ、空港も学校も病院も国に差し出すことになっています。
 安倍政権になって有事立法、教育基本法改定、原子力基本法改定、武器輸出3原則の緩和、福島原発事故をなかったものにしようとするエネルギー基本計画、特定秘密保護法と国家安全保障会議法、集団的自衛権容認――まさに暴走内閣です。
 安倍晋三首相の悲願は自主憲法です。愛国心を叫び、国防軍をつくる憲法改正、いや、憲法壊滅を図ろうとしています。教育現場では道徳教育に評価を加えようとしています。「お国のために尽くします」と言わなければ「国民ではない」という評価が下されます。かつての皇国民教育です。
 今、戦争前夜のような不安定さを感じます。子どもたちを再び戦争に送ることは許しません。全世界の労働者と力を結集し、一歩も引かず、ともに歩みを進めたい。

原発も戦争もない未来を! 
福島診療所建設委員会呼びかけ人 佐藤幸子さん

 8月24日、県民健康調査検討委員会は、子どもたちの甲状腺がんが疑いも含めて103人と発表しました。3千人に1人という高い発症にもかかわらず、「放射能の影響は考えにくい」と言い切ったのです。
 福島の子どもたちを見殺しにして、何がオリンピックですか? 何が原発再稼働ですか? 原発を輸出する? 冗談じゃありません。
 毎日、汚染水が増え続けています。作業員の健康被害が今後どう出るのか誰もわからない。自国の原発事故さえ後始末できない日本が、世界中に原発輸出するのですか?
 震災後初めての県知事選が先月行われました。投票率は45・85%、史上2番目の低さで、与野党相乗りの前副知事の内堀氏に決まりました。選挙で変わらないと思っている県民が半分以上いるのです。
 子どもたちの未来に原発も基地も戦争もいりません。原発で被曝しないためにも、若者が戦争に行くことを2度と繰り返さないためにも、命が一番大切だと再確認して、きょうを新たな出発の日にしましょう。

民営化・非正規職化粉砕の闘い

職場で労組の闘う姿を示す
東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長 吉本伸幸さん

 11月17日に職場に復帰し就労します。全国・全世界のみなさんのご支援に心より感謝申し上げます。鈴コン分会の闘いは、世界に吹き荒れる非正規労働者の無権利状態に対し、労働組合が団結して闘えば勝てるということを立証しました。
 安倍は戦争に突き進もうとしています。若者を始め、雇用の現状は派遣、外注化、非正規職化など深刻さを深め、闘う労働組合の復権を求めています。鈴コン分会は職場に戻って労働組合の本当の姿を現場で闘って示していきます。
 合同・一般労組全国協議会は本日、建設交運連絡会を結成します。その中に、関東生コン支部を結成していきます。

学校の民営化と闘う教組に 
三浦半島地区教職員組合の教育労働者

 学校の民営化が始まっています。学校統廃合と公設民営化で、教職員の解雇に突き進もうとしています。
 私の職場でも、民営化が目に見えてきています。学校給食や英語教育の外注化、学校現業の合理化、さらに教職員から駐車場代すら新たに徴収しようとしているんです。三教組執行部は、参加・提言・改革という路線で、教育委員会と一緒になって組合員に犠牲を強制しています。
 現場は怒りでいっぱいです。多くの組合員が、労働組合らしく闘いたいと思っています。この怒りを束ね、団交やストライキで労働者の団結した力を存分に発揮する組合を目指し、来年の役員選挙に全力で挑みます。

闘う労働組合を沖縄全島に 
日本IBM・ビジネスサービス労働組合書記長 仲宗根光洋さん

 沖縄知事選が告示されました。既成政党の左派である「沖縄革新共闘」が推薦したのが元自民党沖縄県連幹事長の翁長です。翁長は、那覇市長として市役所の非正規化や民営化を推し進め、労働組合をつぶす最先頭にいた新自由主義者です。
 沖縄の労働者の階級性を解体する「オール沖縄」では辺野古新基地建設は絶対に阻止できないのです。
 民営化・外注化、非正規職化、雇い止め・解雇という合理化に対し、絶対反対で闘う労組が沖縄全島、日本全国・全世界に必要です! その思いで3年前に労働組合を結成しました。4月1日に私が解雇された後は、解雇撤回の闘い、闘う労働組合の実践を沖縄全島に広げるために県内の労組を回り、その力で戦争・新基地建設を阻止し安倍を打倒するために今なお闘っています。

雇い止め解雇の撤回へ闘う 
沖縄南部一般合同労組協同リネンサービス分会 高橋徳臣さん

 8月に職場の仲間と団結し、感動的に労働組合を結成しました。10月、会社は僕を含めて他7人に対する雇い止め解雇で回答してきました。絶対許せません。こんな安易な労働者殺しを二度と繰り返させないために、全国・全世界の労働者・学生と横一線でスクラムを組み、闘っていきます。

植木団地を絶対守りぬく 
植木団地労働組合委員長

(写真 植木団地労働組合、全国水平同盟高槻支部、園芸協同組合の旗を林立させて登壇しアピール )

 昨年11月29日に高槻市が植木団地の園芸協同組合に退去命令を出してきました。11月30日が最終期限になっております。出ていくわけにはいきません。労働者を侮辱するな! それがわれわれの方針です。植木団地を絶対に守りぬかなければいけません。そのためにも労働組合の団結の力を貸してほしいのです。
 私たちは10月11日に、植木団地労働組合を結成しました。園芸協同組合、全国水平同盟高槻支部、植木団地労働組合の3本の矢で高槻市と闘っています。植木団地の闘いは全国・全世界の労働者・学生の「すべてを奪い返す! 生きさせろ」の闘いの一つです。
 カンパをお願いします。11月30日に皆さまに植木団地に来ていただいて決起集会をやります。

現場からの闘いの報告

●愛媛県職労副委員長 中村圭司さん

 安倍政権は地方公務員法の改悪と不当な人事院勧告によって人事評価制度の導入と賃金水準の大幅引き下げ、格差拡大を強制しようとしています。安倍の言う岩盤規制撤廃攻撃です。7・1閣議決定の中で、従順なモノ言わぬ公務員をつくろうとする攻撃です。
 最も厳しい攻撃に絶対反対で闘うところに団結は生まれ発展することを、国鉄闘争は証明しています。職場から団結を固め、全国、世界の仲間とともに闘う決意です。

●愛媛県職労副委員長 臼坂伸二さん

 私が勤める畜産研究センターでは2008年以降、現業業務の見直しが提案され、組合が絶対反対で闘う中で一定の歯止めをかけましたが、当局は一般職への任用替え、外部委託、職種転換を強行し人員削減が進んでいます。そのことで昨年、現業職員が労働災害にあいました。これをきっかけに職場の安全保安闘争に取り組み、放置されてきた危険個所を次々と当局に改善させています。
 今日も「反戦」の旗と「伊方原発再稼働阻止」の横断幕を持ってきました。頑張りましょう。

●郵政非正規ユニオン

 私は正社員1年目で解雇されました。郵政非正規ユニオンに入ったことで解雇という完全な不当労働行為です。JP労組も「社員ではなくなったから組合員ではない」と言っています。私は正規労働者として、非正規労働者と固く団結して解雇撤回へ闘います。

●郵政非正規ユニオン

 私の賃金は昨年4月1日から基本賃金から15%もダウンされました。理由はミスがあるからというだけでした。今年に入って団交を申し入れたら「間違いがあった」と、8月の給料日に差額分を取り戻すことができました。この不当行為を断じて許せません。

●小竹運輸グループ労組委員長 中村信幸さん

 細かいことは言いません。これからも労働運動はいろんな弾圧があると思います。しかし、われわれは絶対屈しない。最後まで、勝利するその日まで労働者としての誇りをもって闘いましょう。

●いわき合同ユニオン

 私は4月から新卒で品質管理の業務をしてきました。仕事の覚えが悪いと言われ、試用期間が3カ月延長され、ついに一昨日、解雇が決定されてしまいました。退職目的のパワハラなども日常的に行われました。10月31日解雇なのに28日に団交期日を設定する会社のやり方は不誠実団交、不当労働行為そのものです。みなさんの協力をお願いします。

●精神医学研究所附属東京武蔵野病院労組青年部書記長 赤羽進彦さん

 私たちは新自由主義の経営との激烈な攻防を闘い、いったんの勝利をつかみこの集会に来ています。経営との5年間の攻防で、今年8月、ついに経営陣の重要な一角を退職に追い込み、就業規則給与規定の改悪を阻止しました。株式会社の参入を通じた医療福祉の民営化・外注化・非正規職化の攻撃を攻勢的に打ち破ることはできます。闘う労働者、労働組合には力があります。絶対非和解の階級的労働運動路線で、戦争と民営化の安倍政権を打倒することは必ずできると思います。

●国鉄闘争全国運動・新潟

 10月11日、新潟労働者集会を開催し国鉄闘争全国運動・新潟を結成しました。解雇撤回の最高裁署名を7千筆集めることができました。その6割が労働組合の取り組みによるもので、10月集会には署名を積極的に担った複数の労働組合の役員が参加しました。4・9政治和解の大反動を打ち破ったと言えます。
 今年3月にJR新津車両製作所分社化反対のデモを行い、JRの青年労働者も合流しました。
 地域の労働組合の結集を図り、反原発を始めとする大衆運動とつながり、この闘いを通じて安倍政権を打倒し社会を根底から変えていきます。新津車両製作所のデモに立ち上がったJRの青年労働者の決起こそ新自由主義を打ち破る端緒です。青年労働者を獲得しJRの中に動労総連合を立ち上げる決意です。

●全日本学生自治会総連合委員長 斎藤郁真さん

 全学連は10月21日、国際反戦デーの復権に挑戦し、国会デモと全国大学で戦争反対のデモを行いました。大学では防衛省との軍事研究が進められています。学費、奨学金につけ込む形で「経済的徴兵制」が行われようとしています。
 大学を取り戻す闘いの中で、既存の平和運動をのりこえなければいけない。法政大学総長・田中優子、沖縄大学学長・仲地博、京都大学総長・山際壽一といった左派とかリベラルと呼ばれてきた人間が学生を弾圧している。法政大学文化連盟委員長の武田雄飛丸君は田中総長によって公安警察に売り渡されました。
 この関係を学生自身の力でのりこえ、大学の戦争協力を阻止し、巨万のデモを実現して戦争を止める決意です。全国の大学に学生自治会を建設する闘いを前に進めます。12月6日、日米安保ガイドライン粉砕、大学の戦争協力阻止を主張して国会へのデモに立ちます。ともに闘いましょう。

●特別報告 富田益行さんの遺志を継ぎ
国鉄闘争全国運動関西/全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 国鉄闘争全国運動関西の先頭に立ってきた富田益行さんが10月29日に亡くなられたことに心から哀悼の意を表します。
 富田さんは尼崎事故糾弾の集会・デモでは権力の弾圧に一歩も引かない態度を堅持し、集会や労働現場では笑顔を絶やしませんでした。大阪で開催した10・17集会で基調報告をして新たな方針を提起した矢先のことであり、本当に残念です。富田さんの献身的な運動の成果を引き継ぎ発展させ、国鉄闘争完全勝利、闘う労組のネットワークを強く大きくすることを宣言します。

閉会あいさつ

最高裁10万筆署名の達成を 
国鉄闘争全国運動呼びかけ人 入江史郎さん

 世界各国から参加していただき、本当にありがとうございます。
 年内にも迫っている動労千葉鉄建公団訴訟の最高裁判決を前に7万7283筆の署名が集まりました。なんとしても10万の署名を実現して最高裁判決に立ち向かいたいと思いますので奮闘をお願いします。
 「集団的自衛権行使・憲法改悪反対労組声明」と「セウォル号惨事に関する決議」の二つの特別決議を拍手で確認し、まとめにします。

連帯あいさつ

信念を曲げず農地強奪阻む
三里塚芝山連合空港反対同盟 市東孝雄さん

 三里塚闘争は48年にわたって空港絶対反対を貫き、今なお成田空港の完成を阻止しています。成田空港会社は私の農地を取り上げるための裁判を起こし、千葉地裁は不当きわまりない極悪反動判決を強行しました。現在、東京高裁で控訴審闘争を行っています。
 農地は農民にとって命そのものです。国策といえども私の信念を曲げることはできません。
 反対同盟は動労千葉との労農連帯を深めて闘ってきました。これからさらに労農連帯の闘いは重要です。安倍政権は集団的自衛権の7・1閣議決定を強行しました。成田空港は有事の際には米軍の兵站(へいたん)基地として使用されます。世界中の反戦闘争を闘う人びととの国際連帯を固めたいと思います。
 安倍政権は原発再稼働を推し進め、TPP締結で日本農民を壊滅するなど、労働者や農民を虫けらのごとく踏みにじっています。成田でも約半世紀かかっても完成できない空港の拡張を強行しようとするのは、有事のためにほかなりません。絶対に第3滑走路を造らせません。
 辺野古新基地建設と闘う沖縄の人びとや反原発を闘う福島の人びとと固く連帯し闘いましょう。

「自衛戦争」のペテン許さず 
憲法と人権の日弁連をめざす会/「許すな改憲!大行動」代表呼びかけ人 
鈴木達夫弁護士

 ついに安倍政権が瓦解(がかい)を開始しました。戦争放棄の国から戦争する国への転換が7・1閣議決定です。人民が生きるためには国家権力を打倒する以外にない。
 戦争を止めるためにどうしても確認したいことがある。国家とは支配階級、一握りの金持ちと官僚が人民を支配するための道具以外の何ものでもない。1%の金持ちの利益のために存在する国家が、資本の延命のために資源や勢力圏をめぐってぶつかり合い、それに人民を動員するのが戦争だ。そんな戦争に命をかけるわけにはいかない。
 「他国のために戦争するのは反対だ」という人がまだいる。だが常に侵略戦争は「自衛のため」と言って行われた。「自衛戦争」というペテンにだまされてはならない。
 戦争を止める力は労働者の闘いとその国際連帯にある。労働者に国境はない。労働者の団結で安倍内閣をぶっ飛ばし、とって代わって、労働者が人類の新しい時代を切り開く。それがわれわれの闘いの方向です。

あと2年で文昭の奪還を 
星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議共同代表 
星野暁子さん

 本集会に向けた全国33カ所での国鉄集会で星野解放歌「ソリダリティ」を歌っていただきありがとうございます。私は、この歌をつくるにあたり明るい「希望」のメッセージを込めました。
 私はここに立って、戦争へとカジを切った安倍政権は倒せるという確信を持ちました。安倍政権打倒を「星野精神」で闘うことを呼びかけたいと思います。文昭は今日の集会へのメッセージで、「生産を担う労働者が立ち上がれば、全人民が立ち上がる。いかなる弾圧・攻撃もそれに屈服する時だけ力を持つが、不屈に闘う時は無力だ。それは、星野とともに、動労千葉、動労水戸、鈴コン闘争が体現している」と言っています。
 星野文昭の獄中闘争は40年目に入りました。これ以上1日たりとも許せません。全証拠を開示させ、100万人署名運動と労働者民衆の団結、国際連帯の力で星野文昭を70歳まであと2年での奪還を実現しましょう。11・29星野全国集会に結集しましょう。

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