沖縄県知事選 「オール沖縄」うち破り闘う労働組合甦らせる 安倍打倒・辺野古新基地阻止を

発行日:

週刊『前進』06頁(2655号04面02)(2014/11/03)


沖縄県知事選
 「オール沖縄」うち破り闘う労働組合甦らせる
 安倍打倒・辺野古新基地阻止を

(1)

 10月30日に告示され11月16日に投開票される沖縄県知事選挙は、沖縄の労働運動と階級闘争のこれからを決める重要な階級決戦となった。11月沖縄県知事選は2010年代の中期階級決戦そのものである。世界大恐慌下のアベノミクスの大破綻と、原発再稼働や消費増税、そして7・1集団的自衛権行使の閣議決定への労働者階級の怒りに包囲される中で、閣僚の辞任劇という形で崩壊を開始した第2次安倍改造内閣を打倒する選挙戦だ。10月26日の福島県知事選では、「オール福島」を掲げ原発を容認し、安倍を支持する全候補者への県民の根底的な怒りが表された。沖縄県知事選で新自由主義・安倍政権を打倒することは可能だ。
 求められていることは、新自由主義・安倍政権とこれに屈服した既成の全勢力が唱和する「オール沖縄」「オール福島」という階級闘争圧殺攻撃を打ち破る、労働者階級の新たな闘いへの挑戦である。それは闘う労働組合の復権であり、この闘いの先頭に立つ労働者党の建設だ。

(2)

 今次沖縄県知事選は、1968年の主席公選以来、紆余(うよ)曲折がありながらも「維持」されてきた沖縄革新共闘の最後的崩壊と解体という意味でも歴史的な選挙戦となる。これまでも革新陣営から寝返り転向したやからは数多くいた。彼らはすべて、沖縄の労働者階級の「裏切り者」として断罪され、歴史のくずかごに投げ捨てられてきた。
 しかし今回沖縄の既成「革新」勢力は、自ら「脱革新共闘」を唱え、「オール沖縄」の名のもとで自民党沖縄県連の元幹事長である翁長(おなが)雄志と手を組んだ。彼らは、民営化・外注化を推し進め那覇市職労破壊に手を染めてきた根っからの新自由主義者である翁長の「イデオロギーではなくて、アイデンティティ」という主張を丸のみして、この階級融和と階級性の解体のスローガンを文字どおり「超党派」で唱和している。そしてこのスローガンこそ1950年代の「島ぐるみ土地闘争」のスローガンであると、沖縄県知事選をかつての「島ぐるみ土地闘争」になぞらえている。この「脱革新共闘」を最先頭で突っ走っているのが日本共産党スターリン主義だ。
 だが、翁長が島ぐるみ土地闘争の継承者であるかのように自らを押し出すことほど許しがたいことはない。沖縄「革新」共闘の丸ごと総体が、寝返り転向して沖縄の労働者階級の裏切り者に成り下がったのである。そういう意味で戦後の沖縄史の画期をなす事態がわれわれの目の前で進行しているのである。

(3)

 安倍政権は7月1日に名護市辺野古への新基地建設の本体工事に着手した。「7・1」はそういう意味でも歴史を画する事態であり、沖縄の労働運動と階級闘争の新たな時代の始まりである。辺野古の海に杭(くい)を打ち、埋め立てようと連日繰り広げられている機動隊や海上保安庁の乱暴狼藉(ろうぜき)。沖縄にこれからの100年も「基地の島」を強制しようとする日帝・新自由主義・安倍政権。青年労働者の2人に1人が非正規職であるという「非正規職の島」の現実。「1%」と「99%」の極限的な階級対立。これらに対する沖縄の労働者階級、とりわけ青年労働者の怒りが全島に渦巻いている。この怒りが、9月20日に辺野古の浜に5500人もの大結集を実現した。自治労を先頭に、多くの労働組合が大型バスをチャーターして決起した。「7・1」を打ち破る沖縄の労働者階級の新たな決起の始まりだ。
 だがこの集会に参加する労働組合に対して、連合沖縄は「労働組合の旗を持ち込むな」という指令を下ろした。既成「革新」=体制内労組幹部は労働組合のもとに労働者が団結して闘うことを抹殺しようとしている。そして、資本と一体となって非正規職化を押し進めてきた連合幹部が完全に帝国主義労働運動そのものとして、沖縄の労働者階級の戦争動員の先兵として登場しようとしている。しかし戦後沖縄の歴史とは、労働者が労働組合のもとに団結して闘い、「基地のない平和で豊かな沖縄」を目指してきた歴史だ。
 11月沖縄県知事選は、何よりも労働組合をめぐる大党派闘争だ。「脱革新共闘」「オール沖縄」とは、沖縄の労働者階級が労働組合のもとに団結して闘うことを否定し、労働組合を抹殺するというイデオロギーであり路線である。
 多くの労働者が今回の沖縄県知事選に対して「これでいいのか」という疑問と怒りを沸々とたぎらせている。われわれは「闘う労働組合を甦(よみがえ)らせよう!」と呼びかけ、その先頭で総決起する。「沖縄革新共闘」の破産と崩壊をのりこえる闘う労働組合を、今こそ沖縄の階級闘争の最先頭に甦らせよう。

(4)

 沖縄県知事選で問われていることは、「復帰」闘争の総括とその路線的なのりこえである。「復帰」以降の日帝の沖縄政策=沖縄振興策は新自由主義攻撃の先駆けをなすものであった。沖縄「革新」=既成体制内指導部はこの沖縄振興策=新自由主義攻撃と闘うことができずに破産と崩壊の道を転げ落ちた。そしてついに、新自由主義攻撃のお先棒を担うことを宣言したのである。
 しかし動労千葉を先頭とする階級的労働運動派は国鉄分割・民営化と闘い、新自由主義攻撃に勝ち抜いてきた。「民営化・外注化、非正規職化」と闘う新たな労働運動がこの中から生み出されてきたのだ。そして国鉄闘争全国運動が労働運動の新たな時代の司令塔として登場してきた。
 新自由主義が崩壊し始めた時代に、「沖縄革新共闘」が破産し崩壊したことは必然だ。今こそ、新自由主義=「民営化・外注化、非正規職化」と闘う労働組合を歴史の最前線に登場させる時だ。
 動労千葉・動労水戸、国労郡山工場支部の闘いと団結して、動労総連合を全国に建設していく闘いの先頭で沖縄の労働者階級は総決起しよう。日本IBM・ビジネスサービス労働組合の解雇撤回闘争を沖縄全島に広げていこう。NTTで、全駐労で、郵政で、そして自治労で、教労で、「オール沖縄」と対決して体制内指導部を打倒し、闘う労働組合への変革に断固として挑戦していこう。拠点労組と拠点職場を建設し、団結を強固に打ち固めて「オール沖縄」への労働者階級の怒りの決起を職場・生産点から解き放ち、職場支配権を打ち立てて体制内幹部から労働組合の権力を奪い返して沖縄の労働運動を塗り替えていこう。星野文昭同志の奪還の闘いを、沖縄県知事選のまっただ中で推し進めよう。
 沖縄の労働者階級の「命を守る」闘いを継承し、「基地の島」「非正規職の島」の現実を覆す階級的労働運動の新たな挑戦として、青年労働者を先頭に闘う労働組合をつくり、11・2労働者集会に大結集しよう。沖縄県知事選で沖縄の労働者階級の根底的な怒りを解き放ち、新自由主義・安倍政権を打倒しよう!
(2014年10月30日)
〔革共同沖縄県委員会〕

このエントリーをはてなブックマークに追加