第5回全国機関紙担当者会議・基調報告 『前進』の不断の改革と党の大変革で1万読者網実現へ 革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫

週刊『前進』06頁(2655号04面01)(2014/11/03)


第5回全国機関紙担当者会議・基調報告
 『前進』の不断の改革と党の大変革で1万読者網実現へ
 革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫


 『前進』の紙面改革と党の大変革で1万人読者網を実現しよう。機関紙担当者会議5回目にして『前進』の部数は拡大基調に入った。2010年代中期階級決戦の勝利への出発点が形成された。全組織で労働者同志が機関紙担当者になり、奮闘したことがこれを可能にした。労働者の担当者が増えた。これから1万読者網建設へ本格的に前進する。『前進』の役割はますます増大している。2010年代中期階級決戦勝利へ『前進』拡大闘争に総決起しよう。

9・11郡工闘争で新段階に入った階級的労働運動

 9・11郡工闘争が切り開いた地平は教訓に満ちている。国労郡工支部の橋本光一さんが外注化に反対して仁王立ちした。一人の労働者指導部の決起が情勢を切り開くことを見事に示した。
 9・11に向かう過程には並々ならない努力があった。9・11は外注化反対闘争だが、その中に被曝労働拒否の闘い、集団的自衛権行使の7・1閣議決定への反撃を貫き、みんなが決起した。この闘いは安倍政権やJR東日本資本、葛西らを追い詰めた。
 橋本光一さんと一体となって動労総連合の青年労働者が先頭に立った。9・11郡工闘争は国鉄闘争の新たな夜明けをつくり出したと言える。
 分割・民営化攻撃に決着をつける過程に入った。大量退職問題を逆手にとったJR資本の外注化攻撃の前に他のすべての勢力が屈服し、体制内労働運動の大崩壊が進んでいるが、それに抗して動労千葉はもう一度国鉄決戦をしっかり据えて闘いぬいている。
 動労千葉は、1979年の分離・独立以来35年、80年代半ばの分割・民営化攻撃以来30年、国鉄闘争の先頭を担い、2010年4・9政治和解の反革命と対決して国鉄闘争全国運動をつくり出してきた。
 他方で11年「3・11」を契機に新たな地平を切り開いている。動労水戸が被曝労働拒否のストライキに決起し、福島県民と結びついた。9・11郡山闘争で動労千葉、動労水戸、国労郡工支部として階級的労働運動派が登場した。日本の労働運動のど真ん中に革命派の拠点がつくられた。決定的なことだ。こうして満を持して「動労総連合を全国に」という組織方針を持つことができた。
 今や9・11に続いて全国各地で国鉄集会を大成功させ、11・2労働者集会に向かって進んでいる。

国鉄決戦軸に主導権奪取へ

 党派闘争の現状についてしっかり見なければいけない。
 革共同が国鉄労働運動のヘゲモニーを握らなければ、革共同も国鉄労働運動もつぶされてしまう。JR総連やJR連合はもとより、国労も帝国主義労働運動に転落した。革共同と動労総連合の前進に国鉄労働運動の成否がかかっている。革共同が『前進』を通して登場しなければ、国鉄労働運動はJR資本のもとに完全に組み敷かれてしまい、革共同も粉砕されてしまう。断崖絶壁(だんがいぜっぺき)に立たされていると同時に決定的なチャンスを迎えている。その臨場感を持ち、駆り立てられるように国鉄労働者を獲得する闘いに入ろう。思い切って国鉄決戦にシフトしよう。
 動労総連合を全国につくることは心からの欲求になっている。動労総連合をつくることは、国鉄労働運動と労働運動全体のヘゲモニーを取り、責任を取ること、革共同の拠点をつくることである。動労千葉、動労水戸、郡工支部がそうであるように、革共同の拠点をつくることが動労総連合の全国的組織化、国鉄決戦勝利、プロレタリア革命勝利の最短コースである。

大恐慌と争闘戦の軍事化は戦争と革命をもたらす

 大恐慌は大失業と革命をもたらす。大恐慌は争闘戦の軍事化、戦争をもたらす。新自由主義は労働者階級の生存権を奪い、中産階級を含めすべてをプロレタリア化、非正規職化する。
 米帝―有志連合がイラク・シリア空爆を開始した。日帝が「人道支援」と称して参戦を表明した。これに対して全世界で労働者人民の新たな反戦決起が始まっている。
 新自由主義に対する怒りと7・1閣議決定に対する怒りが重なり、労働者階級全体が動き出している。第2次安倍改造内閣の極右反動性と脆弱(ぜいじゃく)性、金権腐敗が露呈している。
 その上で鉄道輸出をめぐって独、仏、カナダ、中国2社、そして日本各社の国際争闘戦が激しく展開されている。
 11・2労働者集会はことの始まりだ。国鉄決戦を基軸に国鉄・反原発決戦を闘い、改憲・戦争を阻止しよう。機関紙活動を軸に党と労働組合の拠点を建設しよう。来年の通常国会=安保国会を待たず、今年12月中に安倍を打倒しよう。

第4期機関紙活動の現状と当面する課題について

 機関紙活動の第4期(14年4月〜9月)に実現した地平は非常に大きい。部数がプラスに転じた。職場の全労働者を機関紙拡大の対象にした。いわきの仮設住宅で『前進』号外を配った。郡山工場で『前進』国鉄決戦特集を配った。自治労別府大会を始め産別大会や反原発集会でも国鉄解雇撤回署名を集め、『前進』を販売した。
 この半年、1年、各組織の機関紙担当者に労働者同志が就き、各地方で定期的に機関紙担当者会議を開いた。配布活動を最も重視して月曜・火曜までに読者に渡るように改善し、読者の状況を掌握し、完読運動を推進し、投稿を組織した。節目節目に宣伝紙を大々的に活用し、号外を発行して、機関紙活用の「内なる壁」を打ち破ってきた。
 機関紙担当者が地区活動全体を把握する中で、機関紙財政と機関紙拡大闘争の責任を取るようになってきた。機関紙担当者が地区の機関紙活動の推進軸となり、地区党指導部になって闘ってきた。こうした組織で増部した。党の内的強化が機関紙拡大の力を生み出している。先進的組織に学び、この活動をもっともっと強めていくことが必要である。

労働者階級の新聞へ改革を

 しかし、それにとどまるわけにはいかない。『前進』の改革を全面的・徹底的に推進すること、労働者階級の新聞へと変革することが時代の要請である。今の『前進』は「闘う労働者階級の新聞」、わかりやすく言えば活動家の新聞である。「闘う労働者階級の新聞」ではなく、「労働者階級の新聞」に変革する。読者の立場から紙面を変革していく。
 『前進』をわかりやすくするということは、内容を「薄める」ということではない。用語解説を毎号豊かに展開する。単純な解説ではなく、この解説を読めば、初めて『前進』読む人でも革共同の綱領や路線、時代認識がつかめるものを毎号つくる。路線的に深化させ、よりよいものにしていく。全党の力で労働者階級の新聞とするために必死の努力をしよう。
 新しく読者を拡大しても、「いやあ、難しいなあ」と言ってやめてしまうことがないようにする。すなわち階級的労働運動派の新聞としてつくるということだ。国鉄決戦を基軸に解雇撤回・全原発廃炉を闘う新聞にする。国鉄決戦についても原発問題についても鮮明な方針が出るようにする。労働運動の指針を求める膨大な層に応えていく。反原発闘争でもブルジョアマスコミの宣伝にどう反撃していくか、答えを与えていく。福島と鹿児島(川内)が今重要になっているが、北海道や北陸など全国で運動を展開する。階級的労働運動派の新聞として毎号、時代を斬(き)る論説を載せ、鮮明な闘いの指針を出していきたい。
 それから、新自由主義と闘う機関紙にする。希望を組織する。革命論を論じる。中間層が没落し、すべてがプロレタリア化、非正規職化している。他方、高齢者の怒りが噴き出している。新自由主義攻撃に対して「絶対に負けないで生きてみせる」「はいつくばってでも生きてやる」「こんな社会を変えてやる」というような、闘いに駆り立てる新聞でなければいけない。
 さらに、国際連帯闘争を実践するための機関紙にしていく。全世界で労働者階級が決起し、労働組合の闘いが爆発している。これらをただちに分析し報道する。ウクライナ、イラク・シリア、東アジア情勢をどう見るのか、真実を暴露していく。『前進』は全面的政治暴露、大衆的宣伝・扇動の手段であり、集団的組織者である。
 11・2労働者集会の報道号からリニューアルしたい。誰もが「変わった」と感じる『前進』をつくる。

党の大変革かけ本格的な拡大闘争にうって出よう

 そういう中で今度は党の変革を進めなくてはならない。
 党と労働組合の一体的建設に挑戦しているという自覚が重要だ。党と労働組合の一体的建設は、スターリン主義をのりこえ、既成の労働運動をのりこえることでもある。それは労働者階級の自己解放の闘いである。したがってものすごく大変である。しかし、ここで突破することが本当の力になる。革共同はそこに挑戦している。

完読は自らを解放する闘い

 『前進』を完読することは自己解放的な闘いだ。「読まないと寝られない」というふうになるかどうかである。時間があったら読むというのとは違う。自己解放的な完読運動を実践すれば、『前進』での討論がもっと充実していく。
 職場での『前進』配布は団結の拡大だ。『前進』を隠しておいて「もう少し、まだまだ」とか、「彼はまだこういうことが弱いから、不十分だから」とか、理由をつくって『前進』を見せないのではどうしようもない。『前進』を見せて、読んでもらって、それで討論し、一致をかちとっていこう。
 例えば自治労決戦において、保育や給食の民営化問題などを具体的に職場で暴露できるように熟達していかなければならない。党と労働組合の一体的な建設のために、この領域への踏み込みに挑戦していく。

労働者細胞の建設で勝負を

 革共同は労働者細胞建設で勝負する。細胞は生命活動でもあり、自己増殖し、細胞分裂していく。現状にとどまっていてはいけない。
 機関紙拡大闘争は階級的団結を拡大することだ。全労働者を獲得する闘いだ。フラクションづくりを含めて職場で『前進』の配布数、読者数を増やすことは大きな意味を持っている。拡大闘争は細胞建設の基礎、党活動の基本である。職場の全員に公然と渡すくらいの機関紙活動への転換が必要だ。

拠点労組軸にソビエト形成

 地区党の闘いとして戦闘的な地域運動(ソビエト)を形成していこう。「階級的な地域運動」とは言わない。「戦闘的な地域運動」と言う。地区党の中心に拠点職場が座れば、そこにいろいろな人が集まってきてよい。
 われわれは地区党建設で勝負する。地区党とは階級的団結の最高形態だ。機関紙拡大闘争を地区党の団結で前進させよう。地区党が労働組合拠点建設に成功すれば、その労組を軸に戦闘的な地域運動を展開することができる。
 選挙闘争では100万人規模の労働者が対象になる。100万人の労働者を機関紙で組織する。東京都知事選や杉並区議選の経験がある。街頭を徹底的に対象として把握する。

機関紙拡大における意識性

 そういう中で求められるのは機関紙拡大闘争の意識性である。〈7・1〉で完全に時代が変わった。全部変わった。革命とは何か。普通の労働者がやる闘いだ。特別な選ばれた人がやる闘いではない。
 同時代を生き抜いてきた労働者全体、クラス全体を『前進』拡大の対象にする。その世代全体を獲得していくような根本的な転換が求められている。「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」。これを実践する。
 支持者や協力者というあり方を大切にする。みな獲得の対象だ。「あいつはデモに来たことがない」「集会に来たことがないので日和見主義だ」と言って切ってしまわない。革命運動にはあらゆる協力の形態がある。
 『前進』が拡大基調になった中で、少なからずある減部は、読者を大切にしないから生じたことだ。減部を読者との日常的な結びつきが弱くなったことの結果ととらえ返す必要がある。機関紙の改革とわれわれの意識の変革が求められている。

機関紙担当者は党の指導部

 革共同は中央指導部、地区党、中央労働者組織委員会、産別委員会を一生懸命つくっている。
 また、機関紙担当者をつくり、党を背負って立つ人間を生み出そうとしている。機関紙担当者づくりは、党が自分の左腕、右腕をつくる闘いである。
 党の集団的指導部、中央指導部、あるいは階級の指導部をつくらなければ、革命勝利に行き着かない。最後は指導部の数が決する。一人の決断が世の中全体を変えることがある。機関紙担当者は、そのような意識性をもって闘うことが求められている。
 機関紙の改革と本格的拡大で党の大変革をかちとり、機関紙を軸に100万の労働者階級と結びつき、2010年代中期階級決戦、プロレタリア革命に勝利しよう。
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