「女性活躍推進法」粉砕を 女性の戦争動員を許さない
週刊『前進』06頁(2655号02面03)(2014/11/03)
「女性活躍推進法」粉砕を
女性の戦争動員を許さない
第2次安倍改造内閣は今臨時国会で「女性が輝く社会の実現」の看板として抜擢(ばってき)した5人の女性閣僚のうち2人(小渕優子経産相、松島みどり法務相)が辞任に追い込まれ、その矛盾と危機をあらわにした。いよいよ安倍政権を打倒する時だ!
そもそも安倍が今臨時国会の目玉と叫ぶ「女性活躍推進法案」(女性が活躍できる社会環境の整備の総合的かつ集中的な推進に関する法律案)こそ、最末期の帝国主義の悲鳴にほかならない。「生きさせろ!」の怒りを爆発させる女性たちを抑え込み、団結を破壊して、逆にとことん安価な労働力として労働市場に駆り出し、徹底的に搾取すると同時に、サービスの購入者・消費者に仕立て、資本をもうけさせて資本主義の延命を図る。これが安倍の「成長戦略」の柱の一つなのだ。
法案は「我が国の経済社会の持続的発展を図るためには……女性がその有する能力を最大限発揮できるようにすること……女性が活躍できる社会環境の整備について、その基本となる事項を定める」とし、その「環境整備」として第2条で「子ども子育て支援法の基本理念に配慮する」、第7条で「所定労働時間を短縮し、または柔軟に変更することができる制度の導入。在宅で勤務できる制度の導入その他の就業形態の多様化」をいう。
これは子ども子育て支援新制度と一体で保育所の民営化・営利化・労組破壊を促進し、また労働者派遣法改悪とともに8時間労働制解体・残業代ゼロ化など、ますます非正規職化・解雇自由化を激化させる。同時に妊娠・出産・介護の問題をも個人の責任にし、金もうけのえじきにし、労働者・労働者家族に多くの苦しみを押しつける。
ある女性労働者の1日はこうだ。早朝5時から午後2時までテーマパークの厨房で、午後4時から6時まで保育所で、その次は午後7時から12時まで「ザ・めしや」で働く。そうしないと生活できない。セクハラ・マタハラ・パワハラ……。最低限の労働基準法さえ守られていない。今も母子家族の自死、女性労働者への賃金差別・昇進差別が眼前で次々と報じられている。何が「女性が輝く」か! 粉砕・打倒あるのみだ。
問題は、厚労省労働法制審議会などで「労働者代表」が法案作成に参加していることだ。「選挙目当てでなくしっかり責任を果たせ」と安倍に最大のエールを送る田中優子・法政大学総長や、「法案そのものは前向きにとらえている」とする日本労働弁護団の幹部は言わずもがな、非正規の女性労働者の代表のように自らを押し出してきた鴨桃代が法案推進の旗を振っている。国鉄闘争における4・9反革命(政治和解)派の連中こそが、民営化・非正規職化・労組破壊の先兵になって法案を推進している。しかし今や4・9反革命を粉砕した国鉄闘争の新たな発展によって一切の幻想は吹き飛んでいる。3・11以降、「国はウソをつく」ことを労働者階級人民は事実をもってつかんでいる。
集団的自衛権行使を閣議決定し、原発再稼働を推進する安倍は、「女性が輝く」「活躍推進」などと言って女性を生活苦から戦争政策の協力者に仕立て上げようとする。ふざけるな! 安倍が女性を非正規・低賃金労働者として引き出せば引き出すほど「安倍打倒!」の声は高まり、新自由主義の「墓掘り人」を大量に生み出す。安倍を倒してこそ女性は「輝く」! 圧倒的な数の女性たちが党派選択をして革共同との結合を望んで立ち上がっている。全地区党はちゅうちょなく断固、女性労働者を始めとして階級・階層を超えて女性を組織しよう!
安倍を打倒し2010年代中期階級決戦の勝利に向かい進撃しよう。