10・13いわき 50人集い診療所報告会 避難者、原発労働者ら参加
週刊『前進』06頁(2654号04面03)(2014/10/27)
10・13いわき 50人集い診療所報告会
避難者、原発労働者ら参加
(写真 講演・報告と質疑応答が熱心に行われた【10月13日 いわき市】)
10月13日午後1時から福島県いわき市で、動労水戸、いわき合同ユニオン、NAZENいわきの呼びかけで、ふくしま共同診療所報告会が開催された。台風が近づくあいにくの天気にもかかわらず、仮設住宅の避難者、原発労働者など50人の労働者市民が参加した。
初めに、院長の松江寛人さんが「甲状腺エコー検査から見えてきたもの」と題して講演。開院から2年近くになる診療所での診察と、福島県が8月24日に発表した県民健康調査をふまえ、今、福島で起きている深刻な放射線被害について詳しく説明した。すでに、疑いも含めて104人の子どもたちが甲状腺がんを発症していることにあらためて驚きが広がった。
続いて、深谷邦男医師が「福島のいま・被曝、健康破壊、新たな安全神話宣伝」をテーマに話した。「手術は過剰診療」として健康調査を続けることに反対する暴論が噴出してきたこと、8月17日の新聞各紙に掲載された「放射線についての正しい知識を」という政府公報を皮切りに新たな安全神話が流されていることを暴いた。
また深谷さんは除染土などの放射能に汚染された廃棄物の中間貯蔵施設を新たな汚染源と断じ、住民説明会で怒りが爆発していることを紹介した。さらに、福島第一原発が「放射能の沼」状態になっており、毎日、6千人を超える労働者が劣悪な労働環境下で大量被曝しながら働いていること、その中で労災死が続出していることを明らかにした。
動労水戸の辻川さんが決意語る
2人の講演と質疑を受けて、辻川慎一動労水戸副委員長が発言に立ち、3・11原発事故以来、職場から被曝労働と闘い、とりわけ常磐線の竜田延伸に対してストライキで決起し、労働組合として原発労働者、楢葉(ならは)町からの避難者の怒りをわがものとして闘ってきたことを万感の思いを込めて語った。そして「どんなことがあっても、安倍が2020年オリンピックにむけて原発事故をなきものにしていく攻撃を許さない。私は決意を新たにしました。皆さん、11月労働者集会に参加し、世界の人びととともに戦争、原発、非正規労働に怒りの声を上げましょう」と熱烈に呼びかけた。続いて、福島診療所建設委員会の女性が「甲状腺がんが疑いを含め100人を超えたことも県民にはよく知らされていない。知らせるためにニュースレターを作っている。今、やれることをやろう。福島の子を犠牲にして復興などはありえない。立ち向かっていこう」と切々と訴えた。
参加者からは、「甲状腺がんを摘出するとどうなるのか。県からの説明はない。多くの人が心配している」「これほどの事故を起こしながら、政治家が傍観者とは、どういうことなんでしょう。こんな国はありません。知事選の投票なんか行きたくありません」「仮設住宅で、なんで自殺しなければならないのか。安倍総理大臣に怒りを感じる。責任をとってほしい」「JRの職場では健康診断に血液検査を取り入れさせた。ある職場で3人が白血球が少ないと診断されたが、どういうことか知りたい」「中間貯蔵施設反対を言ってくれるのはここだけ。ありがたい」と、次々と質問、意見が述べられた。
(茨城・T)