紹介 序局第7号 巨大な歴史の分岐点 7・1閣議決定情勢への闘う回答さし示す企画
週刊『前進』06頁(2653号02面04)(2014/10/20)
紹介
序局第7号 巨大な歴史の分岐点
7・1閣議決定情勢への闘う回答さし示す企画
最新の第7号は、7・1閣議決定情勢に対する回答となるように編集しました。戦争に向かうのか、それとも戦争を必然とする体制を打ち倒すのか、の分岐点ととらえました。7・1が生み出した情勢は「暗黒」ではなく、労働者階級が新たな革命的な情勢を切り開く文字通りの「序局」と言えるのではないか。総タイトルは「巨大な歴史の分岐点」です。巻頭無署名論文は、戦争に対する階級的立場を鮮明に示し、展望を明らかにしようとするものです。
7・1の歴史的暴挙に対する人民の側の決定的な回答が、8・17の「戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!大集会」です。国境を超えた労働者の団結で戦争を阻もうと訴えた「日比谷宣言」を始め、集会の諸発言は、安倍の戦争宣言に対する戦闘的怒りと同時に、深い確信と明るさにあふれています。歴史的な「許すな改憲!大運動」結成の訴えに、本誌もともに連なっていく決意を込めて、同集会発言を全面採録しました。
動労水戸の石井真一委員長は、被曝労働を拒否し検修外注化阻止を闘う現場の息吹を生き生きと語っています。40人ほどの小規模な組合ながら、階級的労働運動を原則的に貫いて職場の信頼をかちとり、青年を獲得し、地域の労働者・住民とつながっていることがよく分かります。
東京西部ユニオンの北島邦彦副委員長と吉本伸幸委員長の対談は、「杉並を職場と考えよう」という新しい選挙闘争のスタイルを確立した6月の杉並区議補選闘争の躍動的な力を鮮やかに示しています。
原発事故の被曝との闘いのテーマで3本の企画が並んでいます。困難をのりこえて福島の地に根づいて診療と仮設住宅回りを進めるふくしま共同診療所の布施幸彦医師の話は、被曝と闘う人びとにとっての頼もしい「拠り所」となっていることを実感させられます。『美味しんぼ』問題の「登場人物」でもある松井英介医師は、事件に表れた支配階級の安全キャンペーンの意味を明らかにしています。〈避難・保養・医療〉交流会の論議は、今後の闘いにとって教訓的です。
「労働裁判の最前線から」では、「国労組合員資格確認訴訟」のレポートが、9・3不当判決の前の最終弁論を扱っています。国労組合員資格を奪うことがどれほど理不尽か、労働組合はどうあるべきかを論じて読み応えがあります。
連載「経済先読み」は帝国主義国間の争闘戦が軍事化する要因を明快に解き明かしています。「白井佳夫の現代映画論講座」は「情緒的で日本的なイヤなファシズム」を撃ち続けています。
巻末の三里塚論文は、長年現地の農民とともに闘ってきた筆者ならではの、万感のこもった労作です。市東孝雄さんの農地を守る闘いが、半世紀近く国策と真っ向から対決してきた三里塚闘争の重みのかかった決戦であることを縦横に説き明かしています。
年3回刊になって2号め、手ごろな厚さで、かつ読み応えある中身になっていると確信します。ぜひご購読ください。
(破防法研究会『序局』編集委員会)