労働組合の力で戦争止めよう 教育労働者こそ時代の先頭に 革共同教育労働者委員会

週刊『前進』06頁(2652号03面02)(2014/10/13)


労働組合の力で戦争止めよう
 教育労働者こそ時代の先頭に
 革共同教育労働者委員会


 いよいよ教育労働者が時代の前面に立つ時が来た。大恐慌の深まりの中で、全世界で戦争情勢が激化している。〈戦争か革命か〉の大激動の時代の到来だ。日帝・安倍政権の集団的自衛権行使の7・1閣議決定は「戦争をする国」への歴史的大転換の攻撃である。それは戦争と民営化・非正規職化、そして原発再稼働への労働者階級の積もりに積もった怒りが一気に爆発する過程への突入だ。今こそ教育労働者が、「戦争教育」と職場から対決し、「戦争絶対反対! 安倍打倒!」の闘いに労働者階級の先頭で立ち上がろう。11・2全国労働者集会に、職場の仲間と団結して総決起しよう!

戦争絶対反対日比谷野音に総結集しよう

 安倍政権が集団的自衛権行使の閣議決定を強行した日、首相官邸前には万余の反対の声が渦巻き、多くの青年労働者が「閣議決定反対! 安倍政権打倒!」を声の限りに叫んだ。翌日、教室で「先生、おれたち戦争に行くのかな⁉」と生徒が聞いてきた。子どもたちも戦争を自分の問題としてとらえているのだ。
 7月、第158回中央委員会で日教組・加藤良輔委員長は何と言ったのか。「安倍政権は確信犯なのですから、彼らに対する抗議行動だけでは事態は動きません。抗議行動を通して私たちが訴えねばならないのは市民です」と。
 ふざけるな! 安倍の戦争攻撃は、何よりも現場の教育労働者に襲いかかっている。7・1直後の7月15日、参議院予算委員会で下村博文文科相は、集団的自衛権に関して「不適切」授業があった場合は、文科省として教育委員会を通じ指導する、との異例の見解を表明した。
 教育労働者の一人ひとりに、職場で、教室で「戦争に対する態度」が鋭く問われている。その時に、日教組指導部は口先では「反対」と言いながら、職場の怒りと闘いの一切を圧殺する。安倍の手先となって、教え子を再び戦場に送る道に突き進もうとしているのだ。
 これが連合・日教組指導部の「文科省とのパートナーシップ」路線の行き着いた先だ。95年に「5項目の職場闘争の方針を放棄」(「日の丸・君が代」反対闘争と学習指導要領反対闘争の放棄、職員会議の諮問機関化、官製研修と主任制の容認)を労働組合として打ち出し、それが7・1情勢下で産業報国会への道を歩み始めたということだ。
 教育労働者は戦争絶対反対だ。だから帝国主義労働運動=日教組指導部は打倒以外にない。11・2労働者集会は、この日教組指導部をぶっとばし、7・1閣議決定に対し労働組合の本気の力で戦争を止めるための大集会だ。
 今や「安倍打倒!」は労働者階級のスローガンだ。7・1閣議決定は、「3・11」を契機に噴出した労働者階級の怒りの火に油を注ぎ、根底的で大衆的な規模での総反乱情勢を生み出している。
 8・9長崎平和祈念式典での元日教組組合員・城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんの「憲法を踏みにじる暴挙です」と安倍を弾劾した渾身の決起を先頭に、国鉄戦線では9・11JR郡山総合車両センター包囲闘争が、国鉄闘争の新たな歴史を切り開いている。教労戦線では、神奈川県の三浦半島地区教組定期大会で体制内執行部と正面激突が開始された。
 大衆的規模での分岐と大流動、党派選択がすべての労組と職場・分会で起き始めている。

闘う組合求め国鉄解雇撤回署名に大反響

 解雇撤回・JR復帰を求める最高裁10万筆署名運動の拡大と、この間の各地区国鉄集会の前進がそのことを明確に示している。
 全国の高教組分会と県教組分会から、実に数多くの署名が寄せられている。動労千葉が絶対反対のストライキで闘っていることへの圧倒的支持・共感と同時に、7・1情勢に対する教育現場の怒りと危機感がビンビンと伝わってくる。
 ある高校の分会長は「本部に頼ってもだめだ。もう自分たちで判断するしかない」と闘いを組織しない体制内執行部を弾劾し、10万筆署名を「自分の職場の団結を強化するために取り組んだ」ことを教えてくれた。また「動労千葉、頑張ってますね。安倍は打倒しなきゃだめですよ」と署名に応じてくれた分会もある。
 別の地区では、分会として11・2集会参加を表明する分会も現れている。三浦半島地区教組では、分会から「労働組合が解雇撤回を闘うのは当たり前」という声とともに、1千筆を超える圧倒的な署名を集約している。誰もが原則的に闘う組合を求め決起しているのだ!
 11・2労働者集会に向かって国鉄10万筆署名で現場の怒りを集めよう。そして安倍や国家権力と一体化する帝国主義労働運動=連合・日教組指導部を職場の団結で打倒し、職場支配権と労働組合を今すぐ労働者の手に奪い返していこう。

職場の団結で戦争・民営化の安倍倒そう

 安倍は9月29日に開会した臨時国会の所信表明演説で、「公立学校の運営を民間に開放し、グローバル人材の育成や、個性に応じた教育など、多様(たよう)な価値に対応した公教育を可能に」し、「あらゆる岩盤規制を打ち抜いていく」と述べ、「国家戦略特区」における公教育・公立学校の民間開放=公設民営学校の推進を宣言した。これは、教育と学校を金もうけの手段にする新自由主義政策そのものだ。
 すでに文科省は、「中高一貫校」の公設民営学校を認める方向で検討を始めており、「教員の身分は公務員ではなく民間で」という方針で、今臨時国会での関連法改悪案の提出を目指している。
 重大なことは、これを「成長戦略実行の突破口」と位置づけ、全社会を民営化にたたきこもうとしていることだ。安倍は、「人口急減・市町村消滅」の危機をあおり、「地方創生」を掲げて、全国自治体の解体と自治体業務の丸ごと民営化、小中一貫校設置による学校統廃合=学校の民営化を一気に進めようとしている。それは、公務員労働者の「全員解雇・非公務員化・総非正規職化」と日教組・自治労の解体を狙うものだ。
 同時に安倍「教育再生」とも一体となった「戦争する国」への転換をかけた戦争動員攻撃だ。教育労働者の団結を解体することなしに戦争はできないからだ。
 安倍は、教育労働者の現場の怒りと団結した闘いを最も恐れている。だが7・1閣議決定は、「教え子を再び戦場に送るな」を原点に戦争絶対反対で闘ってきた現場の教育労働者の誇りを呼び起こした。
 教育労働者の怒りは、すでに臨界点(りんかいてん)に達している。日々の「多忙化」・労働強化を無視して、新たな施策(しさく)が次から次へと押しつけられている。子どもと向き合う時間すらなく、人事評価で監視され、団結は破壊され、パワハラで心を病み、学校を去る仲間、その間に着々と進められる非正規職化の現実――。こんな現実は変えなければならないと誰もが思っている。労働組合がこの怒りに火をつけ闘うならば、一気にこんな現実を変えることができるのだ。この職場の団結が、戦争を止める力だ。
 動労千葉の田中委員長は、「団結は敵の攻撃によって日々破壊されるが、労働組合の闘いで日々団結をつくり直せば勝てる」と語った。
 現場労働者はひとたび闘いに立ち上がれば、労働者の団結した力に目覚め、資本・当局と非和解で闘い抜く。そして組合と団結こそが何よりも大切だと瞬時(しゅんじ)に確信する。それが労働組合に命を吹き込み、社会を変える原動力となる。戦争と革命の時代とはこうした労働者階級の決起が嵐のように巻き起こる時代だ。
 いよいよ戦争と民営化・非正規職化=新自由主義と対決する階級的労働運動の復権をかちとる大決戦に入った。
 動労千葉や動労水戸とともにストライキで闘う日教組を登場させるならば、学校も含めた地域切り捨てへの怒り、戦争への怒りを大結集させ、安倍を打倒することができる。その壮大な闘いの出発点が11・2労働者集会だ。全国の教育労働者は職場丸ごと結集しよう!

日米労働者の国際連帯闘争を実現しよう

 アメリカの労働運動も大流動過程に入った。ロサンゼルス統一教組(UTLA/全員加盟制・組合員3万1千人)では、1万数千人解雇の大反動を打ち破り、闘う執行部が確立した。UTLA前委員長は典型的な「ビジネス・ユニオニズム(代行主義)」で、組合員自身の決起を抑圧してきた。この体制内指導部を14年役員選挙で打倒し、動労千葉派と連帯するユニオンパワー派の候補者全員が圧勝した。
 11・2集会には、UTLAを代表しセシリー・マイアトクルス首席副委員長が参加する。UTLAの仲間とともに闘う労働組合を全世界につくり出し、世界戦争を労働者の国際連帯で止めよう!
 革共同教育労働者委員会と地区党の団結と飛躍をかけて、青年を先頭に11・2労働者集会に大結集し、その力で拠点建設・労組権力奪取への道を切り開こう。

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▼産業報国会 1937年の中国侵略戦争への全面突入を契機に、労働組合運動を壊滅(かいめつ)して「全産業一体」で国のために尽くすことを目的に、内務省が上から組織した労資一体の官製組織。1940年、「大日本産業報国会」が結成され、労働者を戦争動員した。

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