11・2大結集が原発なくす道 闘う労働組合つくり上げ戦争・原発の安倍倒そう
週刊『前進』08頁(2651号06面01)(2014/10/06)
11・2大結集が原発なくす道
闘う労働組合つくり上げ戦争・原発の安倍倒そう
皆さん! 川内(せんだい)原発再稼働のための原子力規制委員会の「審査書正式決定」に対し、東京・亀戸公園1万6千人(9月23日)、鹿児島市天文館公園7500人(28日)の大集会が開催されました。川内原発再稼働絶対反対、全原発廃炉へ、7・1情勢とも相まった巨大な闘いの開始です。11月2日に日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者集会は、闘う労働組合が呼びかける安倍打倒集会です。大結集で原発再稼働と被ばく強制の安倍政権をぶっとばそう。
不可能な「避難計画」で再稼働策す暴挙許すな
3・11を経験した福島から、川内原発でのヨウ素剤配布や「避難計画」のアリバイを見抜き怒りの声が上がっています。「(原子力規制委)委員長は『安全を担保したものではない』とし、住民の避難計画は『規制の範囲外』とした。地元の首長や自治体は、判断を受けてヨウ素剤を住民に配布するなど『原発再稼働ありき』の構えだ」「(避難計画について)東京電力福島第一原発事故の際、逃げまどい見知らぬ土地で果てた人、絶望して自殺した人。混乱や恐怖を思い出すべきだ」(「福島民報」投稿欄)
渋滞も想定せずに作られた、被ばく必至の「避難計画」は介護施設や病院の患者を「屋内退避」として避難すらさせない。これのどこが「避難計画」なのか。そして「避難計画」に動員される労働者の被ばくの問題です。自衛隊、自治体労働者、医療・介護労働者、そして交通・運輸関係の労働者の動員が組み込まれ、放射能の中で働くことになる。「安全性を保証できなければ運転手を出すわけにはいかない」(私鉄鹿児島交通労働組合委員長。朝日新聞8・31付)との声も上がっています。労働組合の原則的な拒否を背景に、避難計画はバス400台が足りない状態です。原発事故の「避難計画」など作ることは不可能であり、こんな計画は破綻しています。
「地殻変動を観測していれば巨大噴火する数年前に前兆がわかる」という規制委の見解も御嶽山噴火で砕け散った。それだけじゃない。噴火による死者も新自由主義に殺されたことが明らかになってきた。名古屋大学にあった御嶽山の火山噴火研究は、国の予算が切り捨てられ観測を縮小していた。「広い御嶽山のどこで噴火したかも指摘できない。噴火地点がどこかもわからずに噴火対策が進むわけがない」(東濃地震科学研究所・木股文昭氏。河北新報9・29付)
原発でボロもうけしてきた連中は、噴火予知すら切り捨てた。新自由主義は「フクシマ」を日々繰り返しています。絶対に許せない。
18歳以下を対象とした福島県民健康調査が一巡し、小児甲状腺がんは104人を数えます(確定57人、「疑い」46人、1人は甲状腺全摘手術後良性と判明)。しかも手術を受けた子どものうち8割以上は腫瘍(しゅよう)の大きさが10㍉超かリンパ節などへの転移が明らかになりました。「甲状腺がんは予後が良い」(福島県立医大・鈴木眞一教授)などまったくのウソだった。
検討委員会はこれだけの子どもたちを前にしても「原発事故の影響とは考えにくい」と責任逃れを続けています。浜通りと、比較的被ばくが少ないとされる会津地方の「地域差がない」などと「根拠」を挙げ、原発事故が原因ではないとしている。100万人に1人と言われる甲状腺がんは、福島では今やその350倍以上です。絶対に責任逃れを許してはいけない。親にとって、友だちにとって、子どもたち一人ひとりがかけがえのない子、仲間であり、「発症率○○%」などと数値化の対象にすること自体、絶対に許せない。
安倍首相は「健康問題は未来永劫(えいごう)ない」(オリンピック招致演説)などと言い、原発輸出のための外遊に明け暮れている。こんな政権は今すぐ倒そう。ふくしま共同診療所の「避難・保養・医療」の闘いとつながり、「命より金もうけ」の社会は絶対に変えよう!
日帝の生き残りをかけ原発輸出狙う安倍政権
原発の再稼働計画や、7・1「集団的自衛権」閣議決定、こんなものは安倍政権を倒して撤回させなければなりません。それは絶対に可能です。集団的自衛権の閣議決定は4万人の怒号に包まれた。「7・1」は「3・11」に匹敵する規模で、私たち労働者・民衆の目を覚まさせました。被ばくの上に子どもたちを戦場に連れていくのか! 非正規に突き落とされ、未来を奪われた若者に兵士になれというのか! 今までの悔しさ、怒りが一気に解放され始めました。「7・1」は暗黒の時代の開始ではありません。私たちがこの手でこの社会を変え、新しい社会を作っていく、革命の扉が開いた日となったのです。
8月9日に行われた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典では、被爆者代表の城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんが安倍首相への怒りをたたきつけました。怒りを持って立ちあがれば、多くの人の心を動かせる時代が今です。
「金目」発言の石原伸晃・元環境大臣や佐藤雄平福島県知事は中間貯蔵施設の問題をめぐる福島県民の怒りでぶっ飛ばされました。自民党も本当にぐらぐらで、彼らの凶暴さは、けっして強さではありません。
世界大恐慌は日々激化し、世界中の資本家連中は、「需給ギャップ110兆円」の過剰資本を背負い、投資した金を回収するためにお互いを蹴落とし合い、つぶし合う事態となっています。生産する力が余り、「命より金」の資本主義社会が完全に行き詰まっている。100兆円市場の原発輸出、それがダメなら武器輸出。こんなやつらにこれ以上、社会を任せておくことはできません。
アベノミクスは明日崩壊してもおかしくない状態にあります。安倍政権の最後の頼みの綱が鉄道、原発、水道、武器の輸出産業です。特に原発はパッケージ輸出という形で、原発の建設のみならず、管理・運営、ウラン原料ルートや使用済み燃料の再処理、「賠償スキーム」(反対運動の分断のやり方)、そして多重下請け構造と被ばく労働の強制のやり方、輸出先の労働法制の改悪、日本の「時給300円」での被ばく労働の「研修」までをパッケージにして輸出し、他国の企業を出し抜こうという商売です。そのためには福島の声や原発労働者の怒りを抑え、日本国内の原発と核燃サイクルを稼働することが前提です。私たちの闘いで、こんな計画は破綻させられる。安倍政権をひっくり返そう!
川内原発再稼働に絶対反対の声を上げよう!
今こそ川内原発再稼働に絶対反対の声を上げよう。噴火や「避難計画」の問題など、川内原発の再稼働策動は矛盾だらけ、安倍政権も綱渡りの状態です。再稼働を止めることは可能です。そして安倍政権下での再稼働第一号が破綻すれば全原発の廃炉へ巨大な前進となります。同時に、すべての反原発活動家は、労働組合運動に関わろう。自分の職場から乱を起こそう。特に国鉄を軸とした4大産別の労働組合を闘う労働組合に作り替える闘いに踏みだそう。今求められているのは労働者のゼネストであり革命です。金もうけのために資本家連中がまわす職場や社会を、団結した労働者の手に取り戻そう。
動労千葉や動労水戸の闘いを見てください。闘う労働組合の中に生まれる団結は、金と競争で社会を作ろうとする資本家と真逆の共同性に基づいた社会です。労働者こそが新しい社会を作ることができる。川内原発再稼働をめぐって再び始まった反原発のうねりは、日本共産党など旧態依然とした政治指導部の「原発をなくすのは政治家であり、労働者・民衆は一票でしかない」というあり方を吹き飛ばしつつあります。原発をなくすのは労働者・民衆だという反原発運動の階級的発展を切り開こう。動労千葉や動労水戸とともに闘うことこそが、原発や戦争をなくし、新しい社会を作っていく歴史選択です。
9月11日、福島県郡山市にあるJR職場の外注化反対集会に650人が参加し、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の仲間もともに闘いました。労働運動の復活の息吹です。外注化は非正規職化として貧困の原因となり、被ばく労働の多重下請け構造にもつながる労働者の怒りの的です。ここから今大きなうねりが生まれています。どの職場でも闘いは起こせる。あなたの職場に闘う労働組合を作ろう。ゼネストに向かって、職場にあふれる怒りを解き放とう。
一人ひとりが今、歴史を動かす城臺さんであり橋本光一さん(国労郡山工場支部書記長)です。原発を止め、戦争を止め、社会を変えるために、今、声を上げよう。11・2労働者集会に全国から集まろう!
(NAZEN事務局長・ 織田陽介)