紹介 『現代革命への挑戦』下巻 労働者階級の闘い主語に語る戦後革命―革共同50年
週刊『前進』06頁(2650号06面04)(2014/09/29)
紹介 『現代革命への挑戦』下巻
労働者階級の闘い主語に語る戦後革命―革共同50年
いま日本労働者階級の闘い甦る
『現代革命への挑戦―革命的共産主義運動の50年』(下巻)がついに完成した。表紙は深みのある赤紫色。それ自身、読む者を引き込む力をもっている。上巻(青色)と一緒に並べて見るとぴったりとマッチする。冒頭を飾るのは8㌻のグラビアだが、これがまた強いインパクトをもっている。戦後革命の写真から始まっているのだ。続いて、60年安保闘争や67年10・8羽田から始まる激動の7カ月、71年11月の沖縄返還協定批准阻止ゼネスト・那覇暴動闘争から動労千葉の数々の歴史的闘い。384㌻のぶ厚い本だが、発刊直後から「時間を忘れて吸いつけられるように最後まで読み通した」「何度もあふれる涙を抑えることができなかった」の声が方々から届いた。あらためて「革命的共産主義運動の50年」を本当の意味で描き切ったすばらしい本がここに完成したと確信した。
革共同(革命的共産主義者同盟全国委員会)は、今から55年前の1959年8月に結成された。しかし下巻は、革共同の50年史を狭い意味での革共同の歴史にしてしまうことなく、戦後革命とその後の闘いの中から生まれ、生まれてからはその日本階級闘争の先頭で闘った革命党の歴史として総括している。ここに決定的意義がある。まさに、表紙の帯にあるように「いま甦(よみがえ)る日本労働者階級の闘い」だ。
動労千葉ストの歴史的な勝利性
下巻の最大の特徴は、労働者階級とその闘いを主語として、この立場を首尾一貫して貫き通していることだ。その結果として日本労働者階級の数々の闘い――巨大な闘いを切り開いたものの、最後はしばしば敗北させられていった――が、けっして無駄な闘いではなかったものとして甦って来る。それらの闘いが、階級の闘いとして今につながり、息を吹き返して来る。
具体的な例を示そう。
「第11章 国鉄分割・民営化阻止の大決戦」での動労千葉のストライキだ。ここでは、動労千葉が第1波スト(85年11月)の後になぜ第2波(86年2月)のストを設定したかについて次のように述べられている。 「なぜ第2波ストが必要なのか。それは、国鉄新潟闘争や、電産・鉄鋼・造船・自動車、そして三井三池の闘いなど、あらゆる歴史的な闘争が、必ず闘争のあとの大反動に押しつぶされてきた歴史の総括に立っていたからだ。動労千葉の中野委員長は、この労働運動の負の歴史をのりこえる意識性をもって、第1波ストライキの歴史的勝利を保障するために、必ず襲いかかってくる反動を闘いによってうち破るために、第2波のストライキが必要であるとあらかじめ考えていたのである」(278㌻)
日本労働者階級の最先端に立った動労千葉は、まさにこの2波のストライキを戦略的に配置し決然と打ち抜いたことによって、満身創痍(そうい)となりながらも、それまでの日本労働運動の限界を圧倒的にのりこえたのである。これこそ「戦後労働運動史におけるひとつの『パリ・コミューン』の戦取」(上巻序章 26㌻)なのだ。
21世紀革命勝利への教訓の宝庫
『現代革命への挑戦』、とくに下巻は〈革命に向けてのくめども尽きせぬ宝庫〉だ。そこから私たちは、決定的な歴史的局面で意識的に激動期をたぐり寄せた革共同の主体的決断の数々を学び、将来への教訓とすることができる。7・1情勢下、「自分を総括し、根底から打ち立つ」(本紙2647号・中央労働者組織委員会論文)ことがきわめて重要だ。『現代革命への挑戦』上下巻こそ、そのための決定的糧だ。とりわけ21世紀革命の担い手である青年・学生に徹底的に活用してほしい。
(革共同50年史刊行委員会・柴山隆雄)