安倍の戦争・改憲と闘う砦=三里塚闘争の新たな前進を
安倍の戦争・改憲と闘う砦=三里塚闘争の新たな前進を
1966年の佐藤内閣(当時)の閣議決定から48年経ってなお国策空港の完成を阻み続ける三里塚闘争は、今や「戦争か革命か」をかけた階級決戦の決定的な焦点となり、日帝をぎりぎりと締め上げている。目前にせまった10・8農地裁判控訴審闘争―10・12三里塚全国集会は、「全国に動労総連合を」の闘いと結合して安倍を打倒する闘いである。全国から大結集しよう。
48年不屈に闘う三里塚は安倍打倒へ攻め上る
9・11郡山車両センター包囲闘争は、7・1閣議決定をもって「戦争をする国」への全面転換をはかろうと狙う日帝・安倍への大反撃をたたきつけた。これを突破口に、全国各地区での国鉄集会から11月労働者集会1万人結集に向かって進撃が始まっている。
大恐慌と新自由主義の破綻の中で、日帝・安倍は原発再稼働、辺野古新基地建設強行、労働規制撤廃など、ブルジョアジーの延命をかけた階級戦争をしかけている。この「戦争か革命か」の時代に、階級的労働運動と一体となって日帝の戦争政策を打ち砕く反戦闘争の拠点、砦(とりで)として三里塚闘争がある。
1980年代、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根政権が、改憲・戦争への突破口と位置づけたのが国鉄分割・民営化攻撃であり、三里塚2期着工攻撃であった。動労千葉と反対同盟は「車の両輪」として団結して闘い、これを打ち砕き、日帝の軍事大国化・改憲への突進を根底のところで粉砕してきた。
そして今日の7・1情勢下で、多くの潮流が雪崩をうって日帝・安倍の先兵へと転げ落ちる中で、階級的労働運動と三里塚闘争がもっとも核心的なところで安倍の戦争政治の前に立ちはだかっているのだ。
そうした激突点であるからこそ、敵の反動が押し寄せる。天神峰・市東孝雄さんの不当逮捕と団結街道封鎖(2010年)、東京高裁での反対同盟・支援者50人逮捕と現闘本部の建物破壊・撤去(11年)、第3誘導路供用による市東さん宅包囲と人権破壊(13年)―これらの攻撃を労農連帯を軸とする労働者・学生・人民の闘いではね返してきた。故・萩原進事務局次長の遺訓である「霞が関に攻めのぼる」を実践し、福島・沖縄とともに国策と闘いぬいてきた。そして今、空港拡張攻撃を全人民の怒りに転化して、新たな北総決起・労農連帯を生み出す闘いが始まっている。
第3滑走路を断じて許すな
新たな攻防点となった第3滑走路=首都圏空港機能強化は、安倍政権の成長戦略の重要な柱だ。それゆえに敵もその姿をむき出しにしている。
9月18日、「第3滑走路実現する会」と成田商工会議所は、首都圏空港機能強化に向けた講演会を開催した。ここに講師としてやってきたのが、元NAA社長の黒野匡彦だ。黒野は現在、「運輸政策研究機構」なるシンクタンクの会長にすわり、運輸省にさきがけて第3滑走路の議論をリードしてきた。「二度と強制的手段は取らない」と社長として責任ある談話を発表していながら、48年前と同じ住民無視の空港建設に手を染め、「もっと推進の声をあげろ」とハッパをかけているのだ。断じて許すことはできない。だがこれこそ、追いつめられた敵の焦りにほかならない。
また、7・1情勢下で国策軍事企業・三菱重工業が頭をもたげてきた。その子会社・三菱航空機の国産ジェット機のMRJの就航を、日帝は「日の丸プロジェクト」として推し進め、航空宇宙産業の復権をかけている。
敗戦後、日帝は7年間、一切の航空機製造を禁じられ、世界の航空宇宙産業から取り残された。国産ジェット機、国産軍用機は、敗戦帝国主義日帝の悲願であった。航空宇宙・軍事産業の独自の確立は、日帝にとって「戦争をする国」への転換の決定的な柱をなしているのだ。
敗戦に輪をかけて致命的だったのが成田空港建設の失敗である。航空宇宙産業の発展にとって基盤となるべき空港建設が数十年も遅れを強制されたのだ。
今こそ三里塚闘争の勝利をもって、破綻に瀕(ひん)した日帝の航空宇宙・軍事産業にトドメをさそう。
市東さんの必勝の決意に応え10・8控訴審闘争へ
安倍は「戦争をする国」への転換をかけて、市東さんの農地強奪に全体重をかけてきている。
農地裁判控訴審は、小林昭彦裁判長に交代し、新たな攻防が始まった。小林裁判長は裁判員制度をはじめとする司法制度改悪の中軸を担った人物だ。この交代人事には紛れもなく、三里塚闘争破壊、農地強奪にかける日帝・安倍政権の意志が働いている。
裁判の核心は、国家権力・NAAによる農地の強制収用を許すのか否かにあることをあらためて確認したい。そもそも空港公団(NAAの前身)は1988年に市東さんの農地の強制収用をねらっていたのだ。人民の怒りの前に収用委員会が解体され、土地収用法による強制収用は破綻した。それでもなお農地を奪おうと農地法をねじ曲げ、NAAは地主を僭称(せんしょう)して裁判を起こし、裁判所のお墨付きを得ようとしている。「裁判所は強制収用の執行機関になるのか!」という怒りを小林裁判長にたたきつけよう。
耕作権裁判の文書提出命令問題で、NAAは最後まで農地買収経過書類の提出を拒み、重要証拠偽造の犯罪行為は決定的となった。明け渡しを求める農地特定の前提が崩れた以上、NAAは裁判を取り下げるしかないではないか。
10・8裁判は、追いつめられ巻き返しをねらう安倍政権・NAAとの激突の場である。裁判の更新手続きとして、今回も市東さんが意見陳述に立つ。「『負ける』という言葉は使いたくない。『負けられない闘い』ではなく『必ず勝つ!』、これが今の私の気持ちだ」という市東さんの闘魂を我がものとし、市東さんの決起に応えて東京高裁に駆けつけよう。
労農同盟の発展と革命への農民決起つくろう
反対同盟は昨年5月以来、欠かすことなく毎月一斉行動を続け、17回を数えた。第3滑走路問題や夜間飛行の延長などで周辺住民の怒りは急速に高まっている。毎月の行動の中で、騒音や農業つぶし、農地強奪への怒りを共有し、新たな合流が生まれている。
アベノミクス第2ラウンドの柱という 「地方創生」とは、地方切り捨て、農村破壊にほかならない。安倍新農政と対決する最前線として、北総の決起が生み出されようとしている。
今年の米価は1俵1万円を割り込もうとしている。非正規にたたき込まれた労働者同様、農民にも生きていけない現実が強制されている。TPP(環太平洋経済連携協定)の推進や農協・農業委員会解体など、これまでの農業のあり方を破壊し、農業を金もうけの手段へと変質させる安倍に対し、農民の怒りは地に満ちている。労農同盟の発展と革命に向けた農民の決起は、三里塚闘争の勝利と全国農民会議の発展にかかっている。
そして、空港労働者の怒りの決起もまた不可避である。空港機能強化の方針とはうらはらに、現実には羽田との競争に負けて、成田は没落の一途をたどっている。存続の望みを託すLCC(格安航空会社)は、トラブルが絶えることなく破綻している。安全崩壊は必至だ。軍事空港の本質を持ち、CTS(千葉鉄道サービス)の労働者を死に至らしめてもなお強労働を強いる空港のあり方と、労働者の利益は相いれない。まさに今、空港労働者の組織化にチャレンジする時だ。
労農連帯の思想をさらにとぎすまし、戦争と原発再稼働の安倍打倒、2010年代中期階級決戦の勝利に向けて、三里塚闘争の新たな前進を切り開こう。10・8―10・12闘争に結集しよう。
〔白川賢治〕