誘導路裁判 騒音被害の現状暴く10・8―12へ大結集を訴え

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週刊『前進』06頁(2649号06面03)(2014/09/22)


誘導路裁判
 騒音被害の現状暴く10・8―12へ大結集を訴え


 9月16日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で第3誘導路裁判の弁論が開かれた。
 第3誘導路は、天神峰の市東孝雄さんを追い出すだけの目的で200億円の巨費を投じて造られた。市東さんの家と農地は四方を空港施設に囲まれ、日々航空機の走行と離着陸の巨大な騒音を浴びている。この第3誘導路の違法性を暴き、国とNAAに供用差し止めを求めるのがこの裁判だ。
 反対同盟顧問弁護団は今回、「準備書面13」を提出した。その中で、6月に提出した松井利仁教授(北海道大学大学院)による「航空機騒音による健康調査意見書」における騒音被害調査結果をもとに、「空港周辺の多くの住民の生命と健康を保護するために直ちに夜間運航を止めるべき」との主張を展開した。騒音測定は昨年11月に天神峰、東峰、取香の3地点で行われたが、いずれもWHO(世界保健機関)の健康影響ガイドライン値を大幅に超えていた。夜間・早朝の騒音は深刻な睡眠妨害となり、昼間の騒音も高度の不快感を催させるレベルだ。
 今後も、第4次厚木基地爆音訴訟一審判決(今年5月、自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じる)で採用された違法性基準に基づき、主張を補充することを明らかにした。
 さらに弁護団は「再求釈明書」を提出し、暫定滑走路(B')について、ICAO(国際民間航空機関)によって定められた進入表面(航空機が安全に離着陸を行うために設置される勾配を有した表面)の規制をまったく無視して、運航を続けていることを追及した。滑走路の南側、北側ともに屋敷林などの樹木が進入表面を突き破りそびえている。明白な国際条約違反、航空法違反だ。NAAは「パイロットには注意を与えているから問題ない」と、東峰地区の頭上40㍍の離着陸を日々強行している。こんな居直りを許さない!
 次回期日を12月1日として閉廷したあと、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士が国とNAAを追い詰めた手応えを語り、各弁護士が法廷の解説と裁判勝利の決意を表した。
 質疑応答の後、動労千葉の滝口誠さんが10・8―12闘争へ労農連帯で闘う決意を述べ、関西実行委の発言に続き、伊藤信晴さんが3万人署名達成へのさらなる奮闘を促して締めくくった。
 反対同盟と支援連はこの日も、残暑の午後の強い日差しと照り返しを受けながら千葉市繁華街での情宣活動に立ち、3万人署名を全力で集めた。
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