国鉄集会成功させ11月へ JR外注化攻撃絶対反対に立つ 9・11郡山 動労総連合の青年が先頭で合流
国鉄集会成功させ11月へ
JR外注化攻撃絶対反対に立つ
9・11郡山 動労総連合の青年が先頭で合流
9月11日、「10・1郡山総合車両センターの外注化阻止」を掲げ、郡山工場を包囲一周する650人の戦闘的デモが闘いぬかれた。日本労働運動は深部から転換し始め、11・2労働者集会に向けての大きな突破口が開かれた。郡山総合車両センターの業務の根幹部分を10月1日に外注化するというJR東日本の攻撃に対し、国労郡山工場支部は9・11闘争を決定した。しかし、国労本部は支部に圧力をかけ、その闘いを中止させた。同支部の橋本光一さんはこの反動を受けて立ち、全力で立ち向かって9・11への結集を全国の労働者に呼びかけた。その渾身(こんしん)の決起に応え、全国から650人が郡山に集まって、外注化攻撃に対する根底的な反撃をたたきつけた。(集会の主な発言は2、3面に掲載)
国鉄労働者を先頭に地元福島はもとより全国から闘いに駆けつけた650人の団結と物質力は、JR東日本を震撼(しんかん)させ、闘争に敵対する国労本部に痛打を与えた。同時にそれは、郡山工場で働くすべての労働者の心を揺さぶり、外注化阻止へ闘う意欲をわき立たせた。
動労水戸は当日、19人がストライキを貫徹し、組合の総力を挙げて闘いに結集した。労働組合の枠を越え、外注化阻止へともに闘うその決起は、労働者の階級性を貫くものだ。
午後1時、本町緑地公園でデモ出発前の集会が開始された。主催者としてあいさつした橋本光一さんは、「JR会社はこの集会・デモに対応不能に陥り、完全にびびっている。これだけで勝利だ。今日は10・1外注化をぶっ飛ばす行動を」と意気高く訴えた。
ふくしま合同労組の市川潤子委員長、福島労組交流センターの渡辺馨代表が、この日に至る福島の仲間たちの闘いを報告し、橋本さんと一心同体となって外注化を絶対阻止する決意を述べた。
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、「解雇から27年、この闘いを待っていた。JR体制を打倒することと国労本部を打倒することは一体だ」と述べた上で、小玉さんら和解を拒否して闘う闘争団員から組合員資格を奪った国労本部を激しく弾劾。「動労千葉、動労水戸、動労総連合のように闘うのが労働組合だ。全国に動労総連合をつくろう」と呼びかけた。
動労水戸の辻川慎一副委員長は、動労水戸がストライキでここに結集していると報告した。そして、「動労水戸がストライキでここに来たのは、郡山工場の労働者に私たちの火をのり移らせるためだ。われわれは労働者階級だ。国労本部の腐った反動によって支部の決定ではなくなったが、それは国労本部の終わりを示しても、郡山工場の青年を始めとする労働者たちの終わりではない。これがスタートだ。11・2労働者集会に向け、動労総連合を全国につくる」と熱い決意をほとばしらせた。
ふくしま合同労組の藤井千賀子書記長の行動提起を受け、集会後、参加者は直ちに郡山工場包囲のデモに出た。
デモの先頭には、橋本さんとともに動労総連合の青年組合員が立ち、代わる代わるにデモコールの音頭をとった。広大な郡山総合車両センターを取り巻いて進むデモ隊の「外注化阻止」のシュプレヒコールは、工場の隅々に響き渡り、下請けも含めて六百数十人の労働者の心に届いた。
外注化対象の職場に近づくと、橋本さんがマイクを握り「外注化を絶対に止めよう」と心の底から訴えかけた。
「郡工の団結を守りぬく」
デモ終了後、郡山市民文化センターで開かれた集会は、熱気と高揚感に包まれた。
動労千葉弁護団の森川文人弁護士が「外注化の狙いは団結破壊。敵が一番嫌がる団結の拡大で反撃を」と喝破した。
地元の福島から、ふくしま共同診療所の布施幸彦医師、全国農民会議共同代表の鈴木光一郎さん、3・11反原発福島行動実行委の椎名千恵子さんが今後の闘いへの決意を述べた。
橋本さんの基調報告は圧巻だった。
「9・11集会をめぐり、郡工の仲間といろんな議論をしてきました。毎日、胸が締め付けられるような思いで、お互いに議論をしてきました。郡工支部の40人は、激しい議論をし、でも最後は同じ方向を向いて歩いてきた40人です。今日の集会は支部主催でなくて本当に残念ですが、この集会をめぐって国労組合員は本当に揺れ動いています。国労以外の労働者は、外注化自体は絶対に反対ですから、この集会を支持してくれています。そして何よりもJR会社がびびっています。その意味では、今日は集会・デモを始める前からすでに勝利しています」
「この闘いは郡工だけの闘いではとまらない。敵は安倍・葛西、国家との闘いだ。動労千葉や動労水戸のように闘おう。それが勝利の道です」
「郡工は、私たち現場労働者がつくってきたものです。勝手に外注化させることは許せません。私たちは御用組合ではありません。解雇と外注化と戦争に反対します。さらに階級分岐を促進し、大きく、強くなって絶対反対で郡工の団結を守りぬきます」
万感の思いを込めた橋本さんの発言に、惜しみない拍手が送られた。
国労新宿駅分会、動労水戸、動労西日本、埼玉労組交流センター、高陽第一診療所労組などから激布が贈呈された。
動労総連合の青年組合員が壇上に並んだ。動労水戸の羽部圭介さんと照沼靖功さん、動労千葉の北嶋琢磨青年部長と木科雄作さん、動労西日本の山田和広書記長が、それぞれ簡潔かつ決然と外注化阻止の決意を語った。この日の闘いを橋本さんとともに牽引(けんいん)した動労総連合の青年組合員の姿は、階級的労働運動の新たなリーダーの登場を鮮烈に印象付けた。
国労新潟県支部の星野文男さんが、支部闘争委員会決定でこの闘いに参加していると報告し、9・11闘争の圧殺者となった国労本部を打ち倒すと決意を語った。
動労千葉の田中康宏委員長は、「今日、この場に来ていない国労郡山工場支部の仲間たちは引き裂かれる思いでいると思う。国労本部は闘いの中止を命じたが、10月1日の外注化強行、来週にも強制出向の命令が出るという現実は何も変わっていない。外注化反対闘争をつぶしてくるのは、資本の手先になった労働組合の幹部たちだ。だから労働組合が変わればすべては変わる。現場から闘う労働組合をつくり直す一歩が今日、始まった。すべての職場で声を上げ、怒りをすべて11・2労働者集会に結集させよう」と力説した。
動労水戸の石井真一委員長は、「郡工が呼びかければこれだけの人が集まる。しかし、国労本部に負けたら団結はつぶされる。動労総連合のように絶対反対で闘おう。全国に動労総連合をつくろう。動労総連合の青年が今日、郡山工場の門前に立った。青年はやる気になっている。これが一番の勝利だ」と核心点を突き出した。
全金本山労組の長谷武志副委員長、合同・一般労組全国協議会を代表して東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、八尾北医療センター労組の灰垣美佐子書記長がともに闘いぬく決意を表明した。
集会後、郡山駅前までのデモが打ちぬかれた。沿道の関心は高く、デモ隊に手を振って応える人びとが続出した。郡山駅前での解散集会で、橋本さんは「外注化を強行すればこうなるとJRに見せつけることができた。今日は大成功だ」とこの日の闘いを総括した。
国鉄闘争は新たな段階へ
動労総連合の青年組合員たちは、この日の昼休みの時間帯に郡山工場門前で宣伝行動を貫徹し、闘いへの結集を労働者に呼びかけた。こうした動労総連合の青年たちの闘いこそ、階級的労働運動派が主流派に躍り出る展望を示している。
国労本部は、郡山工場支部と動労千葉・動労水戸の合流を恐れて支部主催中止の大反動に踏み込んだ。だが、その思惑は完全に裏目に出た。組合の枠を越えてこの日の闘いを成功に導いた動労総連合の青年組合員の闘いは、東労組傘下の青年労働者や下請けの労働者を巻き込んだ郡山工場全体の決起への起爆剤となることは間違いない。
国鉄決戦は新たな段階に突入した。この勝利をばねに、各地区国鉄集会を成功させて11・2労働者集会1万人大結集の実現へ!