資本に見放され屈服を深める JR総連に言及もできぬ危機 国鉄決戦でカクマル打倒しよう
週刊『前進』06頁(2648号02面01)(2014/09/15)
資本に見放され屈服を深める
JR総連に言及もできぬ危機
国鉄決戦でカクマル打倒しよう
2014年前半の階級的労働運動の前進は、2010年代中期階級決戦勝利―プロレタリア世界革命への展望を大きく切り開いた。7・1閣議決定は、新自由主義の絶望的危機の進行、大恐慌の深化に追いつめられた日帝・安倍政権の断末魔の姿をあらわにした。この日帝・安倍の反動的策動と一体で、国鉄決戦と階級的労働運動の前進に驚愕(きょうがく)し、危機感と憎悪を募らせているのが反革命カクマルだ。
階級的労働運動の前進に痛撃されるカクマル
カクマルは機関紙『解放』第2330号、第2331号に連続して、ファシスト的侮蔑的言辞(スパイ集団=中野一派、ハミダシ、動労千葉=駄馬労、ダバなど)をちりばめ、ただただ革共同を悪罵(あくば)する反革命論文を掲載した。第2330号掲載の「閣議決定阻止闘争の破壊に駆りだされた走狗=中核派」なる論文は、7・1閣議決定当日、首相官邸前の最前列を動労千葉の旗を中心にわが隊列が圧倒的に占めていたことに対するカクマルの敗北感を吐露したものだ。カクマルにとって最前列での「記念撮影」が「闘争」のすべてだったということだ。
また、そこで展開するカクマルの「集団的自衛権行使」合憲化論なるものは、「日米同盟を対中(対露)攻守同盟へと飛躍的に強化するものだ」というように、日本共産党スターリン主義以下の対米従属論、自衛戦争擁護論でしかない。カクマルの「反ファシズム統一戦線」論が日共スターリン主義への秋波になっているのは必然だ。
JR体制崩壊の危機で合理化の率先推進誓う
第2331号掲載の「『合同労組運動』の名によるハミダシ労働運動の反階級性」なる論文は、階級的労働運動の前進が激甚な打撃をカクマルに与えていることを証明するものだ。合同労組運動、非正規労働者の根底的決起への反革命的憎悪を書き並べているが、それは国鉄闘争の戦略的前進に打ちのめされたカクマルの悲鳴でしかない。これは、かつてカクマルが誇った動労、現在のJR総連にまったく言及も賛美もできないことと裏腹の関係にある。そしてこのことにカクマルの最大の弱点と危機、反革命性が示されている。
動労千葉労働運動の前進の対極で、JR総連カクマルの組織的危機とJR体制そのものの崩壊の現実が進行している。
JR東日本は東労組カクマルとの結託体制の破棄を宣告してきた。下十条運転区廃止攻撃に示されるように、労務政策を資本の専一的支配に全面的に転換する方針を鮮明にさせた。人事異動などについて、裏取引でカクマル分子を優遇してきたあり方は、もはや清算するとしてきたのだ。
これに対して東労組は「ストライキ権の行使」などの空叫びを上げていた。だが、結局は「会社の発展を基礎とし、『労使共同宣言』を遵守(じゅんしゅ)する」という「確認メモ」の締結で全面屈服を表明した。
そもそもカクマルは、基地統廃合などの合理化・外注化施策を率先推進する立場をとっていた。「ストライキ権の行使」の空叫びも、基地統廃合に反対するためではなく、カクマルの特権維持が目的だった。それすら資本に拒否され、東労組カクマルはこれまで以上に外注化・合理化攻撃の先兵になることを資本に誓う以外になくなった。それは鉄道の安全をさらに破壊し、労働者の命を資本に差し出すものになる。
東労組カクマルは、JR東日本の「グループ経営構想Ⅴ」が打ち出したJR大再編(=労組解体)攻撃に屈服を表明することで延命しようとあがいている。これは国労大会で示された国労本部の屈服・自滅状況の進行と同様の事態だ。
日貨労カクマルもまた底なしの裏切りに走っている。日貨労第30回定期大会で相沢武志委員長は「労使が互いに汗を流し、時には血を流し協力し合って」と言い、JR貨物が進める合理化・人件費削減攻撃を全面的に容認する方針を決定した。経営破綻したJR貨物に対し、「血を流し協力」しろと組合員に強制しているのだ。
これと一体で、JR北海道に象徴される安全崩壊がJR全体を覆いつくしている。JR東日本では2月の京浜東北線川崎駅脱線事故以降も事故の連鎖は断ち切れず、6、7、8月と連続で労災死亡事故が発生し、4人の下請け労働者の命が奪われた。またJRでは、今後数年のうちに3分の1の労働者が退職するという重大問題が発生する。技術の継承性や安全問題など、どれをとっても解決不能だ。これが今日の基地統廃合や外注化・合理化・非正規職化攻撃の背景にある。
このJR体制崩壊という事態に対し、現場では労働者の怒りが渦巻いている。JR総連カクマルの総屈服を打ち破る青年労働者の絶対反対の闘いが全国で巻き起ころうとしている。JR総連は求心力を衰滅させ、組合員の離反は押しとどめられない。動労千葉・動労水戸、そして国労郡工支部の闘いが、こうした事態をJR総連カクマルに日々強制しているのだ。
動労千葉派・階級的労働運動派がJR労働者、4大産別を始め全産別の労働者を糾合し、産別も組合も超えた団結をつくり出して前進している。反合理化・運転保安闘争路線を軸とした国鉄闘争の前進に勝利の道と展望がある。
JR総連=カクマルは決定的に追い詰められている。資本への屈服を深めることで延命を画策するJR総連、そのJR総連にすり寄ることで延命を願望するカクマル。国鉄闘争の壮大な前進がカクマルに無残な姿を強制しているのだ。
新自由主義とは何かも全く理解できぬ低水準
第2331号の論文でカクマルは、「新自由主義的諸攻撃」なる概念をペテン的に持ち出しているが、新自由主義攻撃をなんら科学的・本質的に規定できていない。新自由主義反革命として馬脚を現している。具体的には、「新自由主義的諸攻撃とは直接には政府の経済的諸施策にかかわるのであって、……金融の自由化、公共部門・公共企業体の分割=民営化、社会保障制度の改悪、労働分野の規制緩和・撤廃などの諸施策を採用したことを指す」のだという。このようにカクマルは、「新自由主義攻撃」を政府による「経済的諸施策」に限定する。「公共部門・公共企業体の分割=民営化」に言及しても、その核心が労働者の団結破壊・労組解体にあることを否定する。分割・民営化を推進したカクマル自身が団結破壊の先兵だからだ。
カクマルはまた、独占ブルジョアジーや中小企業経営者がとる「経営諸施策」を「新自由主義的諸攻撃」から除外する。さらに労働者にかけられる派遣、解雇、賃下げ、合理化・外注化、非正規職化、安全破壊などの諸攻撃も、「分割=民営化や労働市場の規制緩和、独占ブルジョアジーによる大リストラと労務管理強化・労働組合破壊などがもたらす結果現象」だとし、新自由主義攻撃から完全に切り離す。
カクマルは、新自由主義が最末期帝国主義の絶望的延命形態であるとする革共同の時代認識に敵対すると同時に、新自由主義攻撃自体を全否定しているのだ。そして、「(解雇、賃下げ、非正規職化などの)結果現象を『資本の論理』の貫徹として解釈しあげつらうのは、まさしくサンジカリズム」などと、合同労組運動や非正規職労働者の闘いに反革命的憎悪をあらわにする。
では、非正規職労働者の自己解放的根底的決起を「サンジカリズム」だと罵倒(ばとう)するその対極にあるカクマル労働運動とはいかなるものか。カクマルが「既成労働運動をその内側から戦闘的=左翼的にのりこえ闘いを創造していく」と主張するように、それは体制内労働運動の存在を絶対的土台とするものだ。体制内労働運動なしにカクマル労働運動は成立しないし、その枠内で「左翼的」に存在しようとする。だから、体制内労働運動を根底から打ち破り、資本攻勢に対して絶対反対で闘う勢力を「ハミダシ」と罵倒し、圧殺の対象とするのだ。
現在カクマルは、体制内労働運動の内部にあって「非正規労働者の抜本的待遇改善要求」を組織方針として掲げている。民営化・外注化、解雇・合理化・人員削減、非正規職化に全面的に賛成した上で、非正規労働者の「待遇改善」を求めているだけだ。「抜本的」を付けて「左」を装うが、非正規職撤廃の闘いに敵対し、体制内労組の補完物として反革命的延命を図っているだけなのだ。カクマルは外注化絶対反対・出向絶対反対で闘う動労千葉労働運動とは正反対、対極にある。
9・11郡山闘争への総決起を跳躍台に、JR体制打倒の中期階級決戦に断固として踏み出そう。階級的労働運動の烈火の中で新自由主義反革命カクマルを打倒しよう。JR総連カクマル解体の総決起を青年労働者を先頭に全JR職場からつくり出そう。
〔矢剣 智〕