11・2労働者集会へ大結集運動を 第1回実行委開く 戦争と民営化うち破ろう 田中康宏・動労千葉委員長の基調提起

週刊『前進』08頁(2646号02面01)(2014/09/01)


11・2労働者集会へ大結集運動を
 第1回実行委開く
 戦争と民営化うち破ろう
 田中康宏・動労千葉委員長の基調提起

(写真 職場・地域で「一皮むける」闘いを決意し、団結ガンバローを行う実行委参加者【8月24日】)


 8月24日、11・2全国労働者総決起集会に向けた第1回実行委員会が都内で開催された。会場が満杯となる約100人の労組代表、活動家が結集し、秋の闘いへ戦闘的熱気がみなぎった。冒頭、呼びかけ労組を代表して全国金属機械労組港合同の中村吉政委員長、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の花輪不二男さんがあいさつした。続いて動労千葉の田中康宏委員長が基調を提起した。田中委員長は、今年の11月集会が集団的自衛権の7・1閣議決定や国鉄決戦情勢、大恐慌と戦争情勢の煮詰まりなど歴史の転換点の重大な集会であることを訴え、「世界の労働者と団結し、戦争と民営化に反対する大集会を」「今こそ闘う労働組合を全国の職場に」「一皮むける闘いを」と呼びかけた。これを受け、職場・地域でどう闘うかをめぐり活発な討論を行った。決戦の火ぶたは切られた。あと2カ月間、全力で闘おう。主な発言と集会呼びかけ文を紹介します。(編集局)

田中康宏・動労千葉委員長の基調提起

11月集会の四つの課題

 今年の11月集会は「一皮むけよう」、これを全員が決意することが一切じゃないかと思います。
 アメリカのロサンゼルス統一教員組合で僕らと一緒に闘ってきた方々が3年がかりで執行部の権力を取りました。11月集会には胸を張って代表を送りますと言っています。韓国の鉄道労組もさらにストに立ち上がり、解雇者が200人に増えました。しかし、揺らぐことなく民営化に対する反対の世論をもっと大きくしています。世界の労働者と団結し、戦争と民営化に反対する大集会にしたいと思います。
 今年の11月集会の課題は、一つは「歴史の転換点における11月集会」だということです。集団的自衛権行使の閣議決定、憲法を打ち砕く暴挙、それに対して多くの人たちが危機感を持ち、怒り、どうしたらいいのかと思っている。すべてが揺れ動いている中での11月集会です。
 二つめは、「国鉄闘争の正念場における11月集会」だということです。日本の労働者の権利喪失の原点になった国鉄分割・民営化攻撃に決着をつけることができるかどうかという状況です。最高裁がどれほど反動であろうと、〝絶対に勝ってやる!〟という決意を共通の決意としたい。これから始まることは、国鉄分割・民営化を数百倍するような民営化で社会をめちゃめちゃにする攻撃です。ここでへこたれないぞという集会としてうち抜き、勝ち抜き、継続する。
 三つめは、「初心にたち返ろう」ということです。16年前になんで11月集会を始めたのか。労働組合の惨たんたる現状が悔しくてしょうがなかった。それが一人ひとりの労働者にひどい現実をもたらしている、こんなことを許していいはずがなかったから、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりたいという一心で始めたんです。この初心、原点にたち返ろう。
 四つめは、11月集会の基本的な性格は、戦争と民営化に反対し、全国の職場に闘う労働組合をつくるということです。

職場で戦争反対を闘う

 戦後69年の中で最大の歴史の分岐点に立っています。あんなやり方で憲法を踏みにじる暴挙が強行された。クーデターに等しいことです。腹の底から怒ることです。怒りの深さが団結をつくります。
 これまで戦争を阻んできたのはやはり労働者が闘ってきたからです。日教組が掲げた「教え子を再び戦場に送るな」というスローガンは戦争が終わって惨たんたる現実の中で、その5年後にまた朝鮮戦争という中で掲げられたわけです。戦後すぐに大争議を始めた読売新聞の労働者は、報道の戦争責任を徹底的に追及したのです。日本の労働運動は「戦争させない」が原点だった。
 なんでそれが国鉄分割・民営化で崩されたのか。それまでに骨が抜かれていたんです。なんでそうなったのか。職場で力を奪われたからです。職場で力を失うことをとおして労働組合の戦争反対も口先だけのものになっていった。
 だけど日本の労働者はそんなにヤワじゃないと思うんです。中曽根首相は「国鉄分割・民営化で総評・社会党をつぶして立派な憲法を安置する」と言ったけれども、それから30年間かかっている。1047名の解雇撤回闘争があり、そのもとに多くの労働者が結集し、労働運動の堡塁(ほうるい)を守ってきた。
 敵の側は、ついに憲法を打ち砕くという最後の手段に訴えてきた。これから本当の勝負が始まります。戦争に反対することと、職場で拠点をつくること。この二つはどっちかが欠けたら両方欠けるんです。
 「戦争する国に変える」という問題は、各職場ごとに考えてほしい。とくに教育です。学校のあり方、教育の中身が抜本的に変わらざるをえない。奨学金の取り立てを徹底的に厳しくして、貧困で返せない人は軍隊に行かざるを得ない。そういう議論が政府内で始まっています。各職場で具体的に戦争に反対し、声を上げていく。これが集団的自衛権問題から始まっている課題です。
 安倍政権の成長戦略、丸ごと民営化、国家戦略特区、総非正規職化、解雇自由化、労働時間規制撤廃などは、日本の労働者の権利を打ち砕く最後の扉を開けます。それで資本家どもが生き延びようという大陰謀です。
 日本創成会議という民間会議が出した提言で、896の自治体が2040年までに破産・消滅すると言っています。丸ごと民営化しろとあおりたてているんです。全部が破綻する。だから戦争です。これがアベノミクスの本質です。こういう問題に対して今、立ち上がることができたら、限界に達した社会のあり方が崩れ落ち、労働者の闘いで社会を変えられます。大阪市の橋下市長に対する闘いは、そのことを示しています。

国鉄巡る重大決戦情勢

 国鉄分割・民営化の破綻、崩壊を象徴的に示しているのが、JR北海道とJR貨物の現実です。北海道の幹部は全部、東日本が送り込みました。だけど何の手も打っていない。手の打ちようがないんです。ローカル線の全面的な切り捨てが始まります。貨物は労働者の賃金を下げることでしか経営が維持できない。
 深刻な問題は、今後5~6年でJR社員の3分の1が退職するという問題です。これは業務を全部崩壊させる。民営化の破綻がもうそれしかない形ですべて外注化し、安全が崩壊していく。しかも鉄道の海外輸出のためにさらに外注化、分社化を進め、安全をどこまでも崩壊させる。
 この現実を前に、JR連合もJR総連も国労も震え上がってグラグラになっている。国労大会では書記長が、全国組織である国労を各会社ごとにバラバラにする提案を大会の日に突然出した。2日目の朝、委員長・書記長とか財政部長が辞任しちゃった。それで、任期途中で役員選挙をやって最後の総括答弁で「国労の名称変更も含めて、組織を全国に割る諮問委員会を設置します」と答弁したら、さらに紛糾した。結局、その答弁は撤回したまま終わった。組織の体をなしていない。JR総連もJR連合も全部、大会が大紛糾して終わっている。
 動労千葉はこの現実に真正面から立ち向かってやるぞ、と職場討議を始めています。この何年間かでJR東日本だけでも数万人が退職する。再雇用先などあるのか。40年間働いた人間がぼろ雑巾みたいに使い捨てられる。使い捨てた後、職場は当局の好きなようにできる。絶対にこんなことを許さない、ストライキでも何でも構えてこれを組織拡大の最大の闘争としようということです。
 外注化は社会の支配構造です。これを実践的に粉砕する道はないか、とこの2年間ぐらい悪戦苦闘してきて、下請けの仲間が2人加入した。これを絶対に押し広げて、民営化とその後の外注化を粉砕するまで闘ってやると決意しています。
 労働者を底辺に突き落とす非正規化攻撃が目に見えて進んでいます。すべての職場でこれへの怒りを闘いにし、11月集会に集めよう。
 動労水戸の仲間たちは福島見殺し政策に対して職場からストライキで立ち上がるという誰もやったことのない闘争に繰り返し立ち上がっています。国労郡山工場支部の仲間たちは、外注化絶対反対だと全国に呼びかけ、9月11日に集会を構えています。火花は必ず燃え広がることを確信して進みたいと思います。
 全国の仲間たちも各地に11月集会実行委をつくって組織してほしいし、新しい仲間を集めてほしい。最高裁署名は10万筆達成が見えてきています。全力で取り組んでいただきたいと思います。何よりも多くの若者に集まってもらいたい。戦争に反対し、正義感に燃えて立ち上がるのは、まず青年・学生じゃないですか。青年実行委員会のようなものもつくって運動してほしいと思います。日比谷野音1万人の大結集をめざし、2カ月間を全力で闘いましょう。

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