JRで労災事故が続発 安全破壊の外注化を許すな

週刊『前進』06頁(2645号04面02)(2014/08/25)


JRで労災事故が続発
 安全破壊の外注化を許すな

労働者殺すJR

 6月14日のJR東日本の京浜東北線・神田駅付近での電力作業中の墜落死亡事故に続き、JRでの労災死亡・重傷事故が続発している。7月2日にはJR東海・名古屋車両区構内で死亡事故が、7月14日にはJR東日本の武蔵野線・北朝霞駅―西浦和駅間で保線作業中の労働者が貨物列車に触車し重傷を負う事故が起き、7月18日には大月市で保線作業後の交通事故で1人が死亡、1人が重傷を負った。
 名古屋車両区で死亡したのは51歳の下請け社員だ。掘削土砂をジャバラ管を通して下ろし、ベルトコンベアーで移動する作業中に、土砂が詰まっていたジャバラ管の上部が外れ落ちて、ベルトコンベアーとの間に頭部がはさまれ死亡した。ジャバラ管の安全確認はなされていなかった。
 武蔵野線での事故では、JRのパートナー会社であるユニオン建設にエルダー社員制度で出向中の65歳のJR東日本の労働者が重傷を負った。マルチプルタイタンパー(MTT)という大型保守用車を使った夜間作業中に、車両から降りて線路の確認作業をしていたところ、並走する線路を通過した貨物列車に触車したものだ。列車に対する見張り員は配置されていなかった。貨物列車が深夜に走行する日の夜間作業は禁止されていたが、今年度から禁止措置が解除された。そして、人手不足で急きょ作業にかり出された労働者が、事故に遭ったのだ。
 大月市での交通事故では、56歳の下請け労働者が死亡し、36歳の下請け労働者が全身打撲の重傷を負った。中央線・上野原駅構内での夜間の保線作業を終えて事務所へ帰る途中の午前5時20分ころに交通事故は起きた。

外注化が元凶だ

 いずれの事故も犠牲者は下請け・孫請けの労働者だ。外注化による事故であることは明白だ。
 JR東日本は08年9月、労災死亡事故などの続発にあわて、「非常事態宣言」を出して役員を形だけ「処分」した。現在は、その時以上の事故激発状態になっている。にもかかわらずJRは、MTT作業の一時中断以外には何の対策もとらず、責任逃れに走っている。JRは下請けの労働者は死んでもいいと言うのか。すべての外注化を直ちにやめろ!
 JRの工務職場にはまともな情報も下ろさず、ただ「注意せよ」と指示するだけだ。それどころか、保線や電力などの職種でも仕事量を増やして、作業を強引に押しつけている。現場からは「もう限界、やってられない」という怒りの声が噴出している。事故の原因は、外注化による保安費削減、要員削減、劣悪な労働条件から来る安全破壊だ。
 東労組はもとより、国労本部も会社の手先となり、現場の声を圧殺している。先の国労全国大会での高野―菊池体制の登場は、「グループ経営構想Ⅴ」で画次元的な外注化を強行するためにJR資本が強引に介入した結果だ。だが、会社の言いなりになる高野によって、現場の国労組合員の口封じができると思ったら大間違いだ。
 その証拠が国労郡山工場支部の外注化阻止の決起だ。「JRの安全破壊を許すな。外注化阻止」のスローガンは郡山工場支部の組合員の血叫びであり、JRに働くすべての労働者に共通する怒りの声だ。事故は「明日はわが身」であり、「闘いなくして安全なし」は世界中の労働者の共通のスローガンだ。
 9月11日、郡山に駆けつけて外注化を絶対に阻止しよう。
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