命かけて戦争・改憲を阻む労働者民衆の大行動始まる 8・17日比谷集会での発言(1) 団結すれば勝てる
命かけて戦争・改憲を阻む労働者民衆の大行動始まる
8・17日比谷集会での発言(1)
団結すれば勝てる
「改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう! 8・17大集会」は熱気と高揚感にあふれ、新たな闘いへの出発点を築いた。集会での主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)
代表呼びかけ人
安倍戦争政府を打ち倒す時 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉さん
今年7月1日。安倍内閣の戦争宣言の日。対してきょう、8月17日。国民の戦争阻止宣言であります。この国と世界の労働者民衆が安倍戦争政府を打ち倒す、そのことを決意する日です。
8月9日、長崎で安倍首相は集団的自衛権に納得していないと声をかけた被爆者を「見解の相違です」という言葉で突き放した。祈念式典で被爆者代表・城臺美彌子(じょうだいみやこ)さんの追及に、ごまかしの言葉を使う余裕を失った安倍首相が本心を暴露した。
彼にとって被爆者は心をつなぐ相手ではない。関係の断絶、拒絶を公言する相手だ。垣根の向こうにいる連中。彼にとっては、原発の被曝者もまったく同じ関係にあります。安倍戦争政府の本質を示すこの言葉に、徹底的にこだわろう。
8月15日、全国戦没者追悼式の式辞の中で安倍首相は、加害の責任を語らなかった。不戦を誓わなかった。7・1後の事実として極めて重要です。彼にとっては「祖国を思い、家族を案じつつ戦場に倒れられた御霊(みたま)」も、「パプアニューギニアのジャングルで命を落とされ、海原に散った12万を超える方々」も、本心を言えば垣根の向こうの連中だ。あいすまないと思う気持ちがあるのなら、長崎であのような言葉を被爆者に投げかけることはできなかったはずだ。そもそも7・1の閣議決定ができなかったはずなんだ。
腹の底から怒りをたたきつけよう。みんなで手をつないで、きょうを決起する日にしよう。
福島の子どもの健康を守る ふくしま共同診療所医師 杉井吉彦さん
福島では何が行われているのか。言われていることは一つです。「安全であり、健康であり、何もない。汚染はされていない。除染は効いている」。すべてうそです。
避難者は現在も公式統計で県外4万5千人、県内8万人。そのうち県内の仮設住宅に2万6千人。福島地域の「関連死」は直接死を超えて1735人に達しています。「関連死」とはなんですか。虐殺なんです。
ふくしま共同診療所は数千万円に及ぶカンパで開設し、1年半が経ちました。大勢の方がお子さんの甲状腺を心配し、駆けつけています。私たちは共同の闘いとして医療を続けています。
100人近い方が甲状腺がんになり、半分くらいの方がすでに手術を受けています。福島医大の鈴木眞一教授が「大部分がリンパ節に転移している」などと言っている。極めて憂慮すべき事態と言わざるを得ません。
長期にわたる内部被曝がある以上、強靭(きょうじん)な、長期にわたり、健康を守るということを全国民の力でやらなければならない。診療所に対する支援を本当に呼びかけたいと思います。
新自由主義による社会保障の切り捨てや医療崩壊を、みんなの力ではね返していく。それとともに福島にこだわり、子どもたちの健康を守り抜く。そのことをやりぬいてこそ県民全体の健康を守り得ると思います。
「怒り福島」が社会を変える 3・11反原発福島行動実行委員会 椎名千恵子さん
『美味しんぼ』の鼻血問題の後、安倍政権は修学旅行先のモデルコースとして福島を全国の学校に提案しました。子どもを駆り出す復興キャンペーンの数々も下ることがありません。
すでに、見えない、音のない、熱くない、戦火に身を置いています。もう放射能という名の戦争にさらされているのが福島の状況です。この上にまた戦争ですか? 許すわけにはいきません。原発の底に隠し持ってきた核を使用し、戦争を始めて地球の生態系、命をことごとく破壊しようとする安倍政権を、打倒しないわけにはいきません。
「怒り 福島」を押し上げます。社会を変える、国のあり方を根底からひっくり返す、その主体として福島が登場することを宣言します。
3・11以降続く分断、圧殺、心身の痛み、不安、そこからの必然として怒りが階級意識にまで高まり、歴史をつくりかえたいと覚悟が決まりました。今、郡山の国鉄労働者たちの間に起きている状況そのものです。9月11日に郡山で行われる国労郡工支部の外注化阻止決戦に向かう運動がリアルに表現しています。ここに日本の労働運動の革命的な流動情勢が生まれようとしています。
本気で闘う労働者たちには、本気で怒っている住民たちが結集します。
情勢は私たちについて来ています。小なりといえども全体を変える。その実感が湧いてきているではありませんか。ともに頑張りましょう。
労働組合団結しゼネストを 東京西部ユニオン委員長 吉本伸幸さん
今日は一点だけ、みなさんと確認したいと思います。「戦争か革命か」、これに歴史的決着をつけるのが本日です。
みなさん。おれは確かに品位のない言動であったり、多少暴言を吐いたりしますけど、見ての通りごく普通の労働者です。しかしこんな普通の労働者でも、職場で仲間と闘って、労働組合をつくる。闘えば勝てます!
われわれ労働組合が、すべての労働組合が大同団結して、ストライキ、ゼネラルストライキをやって安倍を打倒するんです。これが社会を変える力です。
ここにいる老若男女も、職場から立ち上がって、この社会をひっくり返していこうではありませんか。ともに闘いましょう。
戦争絶対反対の決意新たに とめよう戦争への道! 百万人署名運動事務局長 西川重則さん
戦後69年の今年7月1日火曜日、安倍内閣は憲法違反の集団的自衛権の行使容認を閣議決定いたしました。許すことはできません。
この事実は、日本国憲法第99条「憲法を尊重し擁護する義務」というすべての公務員の憲法尊重擁護の義務違反、すなわち安倍首相はじめ現内閣がその資格を自ら放棄したことを意味しており、私たち主権者・有権者による内閣退陣の要求は、当然のことであります。
地方自治体の公務員も集団的自衛権を容認するのは憲法違反となることを認め、首相の退陣を要求することは、これまた当然である。公務員の責任を強調したいと思います。
戦争に道を開く集団的自衛権の行使を許さない闘いを、「とめよう戦争への道」の名にふさわしい百万人署名運動として、私たちもみなさんとともなる闘いを展開し、日本の今後の課題を真剣に考えましょう。
韓国の方々をはじめ外国の方々との連帯、広島・長崎の方々、沖縄・福島のみなさんとともに力を合わせて闘うべき課題が山積していることを申し上げ、改憲阻止・戦争絶対反対の不戦の決意を新たにこの場において表明し、訴えを終わります。
「日比谷宣言」提起
改憲・戦争許さぬ大行動を 弁護士 鈴木達夫さん
集団的自衛権を容認した閣議決定を即時撤回させる、そして安倍をともに打倒する。その宣言を、ここ日比谷から全世界に発したい。今年の夏、広島・長崎の被爆者の胸に深く刻まれた、二度と戦争を起こさないという魂の叫びを引き継ぐ宣言でもあります。
7月1日の閣議決定はなんだったのか。今の憲法を制定する時、1946年、日本とアジアの人民が日本の支配階級とGHQに強制した憲法第9条を、真っ向から踏みにじったものです。「戦争放棄の国」から「戦争をする国」への大転換。文字通り、戦後史の歴史的転換点だと考えます。
日本の経済、社会が行き詰まり、1%の支配階級が生き延びるために戦争に訴える以外になくなっている。これに対してはよりましな道とか、中間的な道などありません。対案があるとすれば彼らをぶっ倒すことです。この社会を根本的につくり変えることです。
「他国のための戦争」ではない、と私は考えます。7・1閣議決定の後、安倍首相は国会の閉会中審議で何を言っていましたか。「ホルムズ海峡封鎖になったら、自衛隊を武力行使目的で送る」と言っているわけです。つまり戦争です。「最小限度の戦争」なんてあるんですか。「密接な関係にある国」とはアメリカに限りません。日本政府がそう認定すればいい。であれば、それをも「自衛の措置」として戦争をやる。鍵は「わが国の存立」「自衛の措置」、この二つです。
あたかも、人びとの命と生活が国家を守ることと一体であるかのような欺瞞(ぎまん)は許されません。1%の資本家たちが自分たちの利益、生き残りのためにやるのが戦争です。「国家の存立」「自衛」というインチキに、絶対にひっかかってはならない。
この戦争を阻止する道を二つ、ともに考えたい。ひとつは国際的団結です。特に日本と中国の歴史を考えてみれば絶対にこれは敵対してはならない。安倍がやっていることは、戦争に向かう政治をことさらにつくっているんです。
各国の人民が、自国政府の戦争をやめさせる、やめないのなら倒してしまう。これが、どの国の労働者も闘える、そして戦争をこの世からなくす唯一の有効な道だと思います。
もうひとつが労働者の闘い、それを軸とした人民の団結です。労働運動こそ戦争・改憲を阻止する鍵だということを、中曽根の「国鉄分割・民営化で労働運動をつぶし、立派な憲法を床の間に安置する」という言葉が示しています。戦後ずっと改憲が果たせなかったのは労働運動があるからだと彼は総括し、労働運動をつぶそうとした。しかし、今もって改憲はできていないじゃないですか。その中心に動労千葉、動労水戸の闘いがあります。
1945年8・15から69年にあたり、ここに「日比谷宣言」を発し、その実践と発展のために「改憲・戦争・原発・貧困許さない大行動」(略称「許すな改憲!大行動」)を立ち上げます。
国際連帯と労働者人民の団結の力で戦争の危機の時代をのりこえ、人類の新たな歴史を開こうではありませんか。
特別発言
被爆者たちの声が後押し NAZENナガサキ 城臺美彌子さん
去年、1年間で亡くなった被爆者は、3355名でした。生き残っている私の親友なども非常に苦しんでおります。「もういつ死んでも、と大学病院で言われたよ」という電話が前日にかかってきました。平和祈念式典での私のあの発言は、そういう被爆者たちの声が後押ししてくれたんだと思っています。
各党首たちの顔を見ているうちに、私には被爆者たちの声、顔が浮かんできました。たった少数の党首たちのおかげで今まで守ってきた平和がなくされてたまるものかという思いでした。
政府が今、国民のためにしなければならないのは、突然の危機が来るかもしれないから集団的自衛権が急ぎ必要だ、ではなく、危機が来ないようにすることです。近隣他国の脅威をあおりたてるのではなく、偏狭なナショナリズムにとどまることなく、より安心、安全な暮らしを国民に保障することです。原発輸出、武器輸出には、返す言葉もありません。無人飛行機、無人潜水艦、かつてはなかった新兵器で威嚇し、攻撃して、国民を守りますというのであれば、お断りします。憲法の平和理念は永久に尊重されるべきで、何人(なにびと)といえども踏みつけてはなりません。
一人ひとりは微力ですが、無力ではありません。頑張りましょう。