三里塚一斉行動
　〝第３滑走路許さぬ〟
　反対同盟へ広がる共感

　８月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、第16回目の成田空港周辺地域での一斉行動を行った。
　午前９時に天神峰の市東孝雄さん宅の離れに集合。この日配る「反対同盟ニュース」第11号には北原鉱治事務局長と市東さんの「農地死守・第３滑走路阻止」の熱烈な訴えが載っている。さらに地域住民の騒音問題や安倍政権の原発推進政策に対する批判の声、反対同盟と県内の農民との交流・勉強会の記事など盛りだくさんの内容だ。萩原富夫さんと市東さんが、住民との対話を重視して一日奮闘することを訴え、それぞれが担当地域へ向かった。
　北原事務局長は第３滑走路「予定地」の川上、新田、東峰などの地区を精力的に回り、各所でスポット演説を行った（写真上）。三里塚の不屈の闘争史を説き起こし、住民無視の第３滑走路計画を「48年前と同じ暴挙を許さない」と断罪し、決起を呼びかけた。
　婦人行動隊の宮本麻子さんは、川上地区の農家を一軒ずつ訪ねて同盟ニュースを配布した（写真下）。「第３滑走路反対を掲げ、７月13日にこの地域をデモ行進で通りました」と語りかけると、ほとんどの人が笑顔で「見ていたよ」「ずいぶん集まったね」「にぎやかだったね」と応じた。北原さんの写真が表紙に載るニュースを手渡すと「北原さんはさっき来られて、そこの畑のど真ん中でマイクで熱心に訴えていたよ」とうれしい反応が返ってきた。
　台風通過の影響で時おり激しく降る雨に悩まされながらもそれぞれが回った地域で、騒音拡大への怒り、市東さん農地裁判闘争への共感、農家としての将来への思いなど多くの対話が交された。古くから反対同盟を知る人びとは、90歳を超えてなお闘いの先頭に立つ北原さん、父・東市さんから農家を継いで有機農業を守る孝雄さんにエールを送った。
　夕方に再び市東さん宅離れに集合し、一日の活動を集約した。反対同盟への理解と支持が一層広がり深まったことを実感した。市東さんは「空港によって成田・芝山の住民の生活は全然よくなっていない。第３滑走路問題が出てきて、多くの住民が危機感を覚えている。一斉行動の大きな意義を確認してこれからも地道にやっていこう」と訴えた。
　最後に伊藤信晴さんが、東京高裁第19民事部での市東さん農地裁判控訴審で、貝阿彌誠裁判長から小林昭彦裁判長に交代したことを報告した。小林裁判長は仙台地方裁判所所長からの異動で、検事出向３回・計13年という経歴が目立つ。伊藤さんは「気を緩めることなく次回10月８日の農地裁判控訴審弁論に臨み、早期結審策動を粉砕し、続く10・12三里塚全国総決起集会に全力で結集しよう」と訴え、この日の闘いを締めくくった。

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三里塚裁判傍聴を！
◎天神峰やぐら裁判
　９月２日（火）午前10時30分
　千葉地裁
　（傍聴券抽選のため１時間前に集合）