大阪市職役選の総括 民営化反対に千人超える決起 市職を二分する堂々たる勝利 労組つくり替える挑戦が始まる

週刊『前進』06頁(2644号02面04)(2014/08/18)


大阪市職役選の総括
 民営化反対に千人超える決起
 市職を二分する堂々たる勝利
 労組つくり替える挑戦が始まる

一切は労組の団結巡る攻防

 7月25日に投票が行われた大阪市職役員選挙に、「橋下市長による大阪市丸ごと民営化絶対反対」を掲げる階級的労働運動派が執行委員長と執行委員に立候補し、それぞれ1051票、2006票を獲得する決定的勝利をかちとった。本部派の対立候補はほぼ6千票であり、1万人の大阪市職を二分する堂々とした勝利である。
 「大阪市丸ごと民営化」攻撃との攻防は保育所や下水道などを最先端として激しく闘われている。その攻防の核心は労働組合をめぐる攻防であり、職場支配権をめぐる攻防だ。しかし民営化攻撃は現場労働者の怒りと闘いの前に次々と破産している。水道やゴミ収集、地下鉄などの民営化攻撃は行き詰まり、何の見通しも立っていない。
 こうした労働者階級の闘いの前進が橋下徹市長を追い詰め、「労使関係アンケート」を始めあらゆる労働組合つぶしの攻撃に対して次々と「不当労働行為」認定をかちとっている。「国鉄分割・民営化による解雇は不当労働行為であった」ことを認めさせた動労千葉鉄建公団訴訟の9・25東京高裁判決情勢が、すべての職場攻防の土台にあるということだ。
 橋下の登場以来、一切を労働組合をめぐる攻防、団結権をめぐる攻防として闘い抜いてきた。そうした橋下打倒の闘いの勝利的地平を踏まえ、路線的に発展させて最後的決着をつけるものとして闘い抜かれたのが今回の市職役選決戦だった。

評価制度反対の闘いを軸に

 いかなる民営化攻撃も、体制内労働組合幹部の積極的な推進・協力と現場労働者への団結破壊を抜きにはあり得ない。それを市職役選ははっきりと突き出した。
 役選に立候補した民生支部の労働者は次のように述べている。「大阪では民営化によって子どもの命がどうなってもいいのでしょうか。子どもに携わっている保育労働者が声を上げていかなければ、だれが声を上げるのでしょう? 私たちが声を上げなければ全然わかってもらえません。私のまわりは『まさかあなたが立候補するなんて!』と言っていましたが、それは本人も思っていたので無理ないです。それほど組合がひどい状態だから私を決意させたのです」
 この労働者の危機感と体制内組合執行部への怒りは、民営化攻撃に対する怒りであり、社会に渦巻く根底的な怒りである。この「ひとりの」労働者の決起が4ケタの労働者の怒りの決起を組織したのである。
 今回の選挙は、民営化攻撃との具体的攻防点となっている「評価制度絶対反対」の闘いを軸に、「いかなる処分も許さない」「任用替え絶対反対」「非正規職撤廃」を「共同綱領」として闘われた。労働組合として当たり前のスローガンだが、敵の攻撃の激しさの前に絶望しか見ない体制内労組幹部には絶対に掲げることができない。だから階級的労働運動派が労働組合の方針として断固掲げ、現場労働者の根底的怒りと結びついた時、それは革命のスローガンとなる。
 評価制度によって職場は一変している。残業の強制、時間外朝礼の強制などが労働者性を奪い、競争にたたき込み、現場の団結を破壊している。あらゆることを口実にした処分攻撃と「指導研修」攻撃によって、自主退職に追い込まれたり、病気休職に追い込まれたりする労働者が後を絶たない。しかし体制内労組執行部は「よりよい民営化」「よりよい評価制度」「必要な処分もある」などとしてこうした攻撃の前に屈服し、現場労働者の怒りを圧殺しているのである。
 こうした労働組合をめぐる激甚な党派闘争に完全に勝ち抜いたのが今回の役選である。労働者階級には、もはや体制内労働運動へのいかなる幻想もない。この時代に、「労働組合の無限の可能性」を唯一呼号し、労働者の未来と展望を組織することができるのは階級的労働運動だけだ。まさに新自由主義攻撃と真っ向激突している国鉄闘争全国運動の豊かな発展と完全に一体の闘いとして今回の役選決戦があったということだ。

「革命の道へ」の決起始まる

 橋下の登場以来、市労連幹部は橋下への「直角おじぎ」で労働者に屈従を強いてきた。だが、現場からは「入れ墨調査拒否」を口実とした処分や「君が代不起立」処分との闘い、評価制度への反撃や「指導研修」攻撃との闘いなど、次々と反撃をたたきつけてきた。こうした中で生まれた団結が起点となって、ついに1千人、2千人という労働者が労働組合をつくりかえる闘いに決起する地平を切り開いた。まさに路線的な一致と闘いによって、巨万の階級と結びつくことができることが実証された!
 7・1情勢下、〝戦争か革命か〟という歴史選択がすべての労働者階級に問われている中で、組合権力攻防=プロレタリア独裁権力をめぐる攻防で4ケタの労働者が「革命の道をとる!」という決起を開始した。国鉄決戦を一切の軸に11月労働者集会の1万人結集へ、2014年後半決戦に打って出よう!
(革共同大阪市委員会)
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