集団的自衛権「閣議決定」への怒りすべて束ね安倍を倒そう 8・17日比谷公会堂に総結集を

週刊『前進』10頁(2643号04面01)(2014/08/04)


集団的自衛権「閣議決定」への怒りすべて束ね安倍を倒そう
 8・17日比谷公会堂に総結集を

(写真 7・1閣議決定への巨万の怒りが首相官邸前に押し寄せた)

 7・1閣議決定をもって、日帝・安倍は後戻りのできない「戦争か革命か」の時代に踏み込んだ。日比谷公会堂で開かれる「改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!8・17大集会」は、この情勢と真正面から対決し、安倍政権打倒をかちとり、労働者階級の未来を指し示す歴史的集会である。あらゆる人びとの大結集を心から訴えたい。

自衛戦争擁護する日共の敵対許すな

 日帝・安倍政権による7・1閣議決定は、「自衛の措置」の名のもとにあらゆる戦争を行うことを全世界に宣言したものである。
 7・1閣議決定の正式名称は「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」という。その核心は「国の存立を全うする」ことにある。この「国」とは、資本家階級が支配する国家体制のことである。「存立を全う」とは、資本家階級による労働者支配=新自由主義を維持することであり、日帝・資本家階級の権益を擁護することにほかならない。したがって「国民を守る」とは、労働者人民をだまし、閣議決定の階級的性格をごまかすためのペテンでしかない。
 7・1閣議決定の正式名称を言い換えるならば、「日帝・資本家階級の権益と労働者支配を維持するために、あらゆる戦争ができるようにするための法整備について」というべきである。「1%」の支配階級の利益と延命のために「99%」の労働者人民の生活と命を犠牲にして戦争をするということだ。このことを徹底的にはっきりさせなければならない。
 すでに日本経団連は、2005年に出した「わが国の基本問題を考える」という提言書で、「何時発生するか知れない予測不能な多様な事態への対処を憲法改正にゆだねてはならない」「グローバルな活動を進めるわが国企業にとって、これらの脅威は自らに対する直接の脅威である」と言い、「集団的自衛権に関しては、わが国の国益や国際平和の安定のために行使できる旨を憲法上明らかにすべき」と要求していた。安倍が集団的自衛権の行使をもってやろうとしている戦争とは、今日の大恐慌下で日帝資本の死活的な海外権益を確保・拡大するための戦争なのである。
 ところが、この日帝の新たな侵略戦争の宣言に対し、日本共産党は「海外で戦争をする国にさせない」などというスローガンを対置し、あるいは日弁連本部は「集団的自衛権は、外国のために戦争をすること」(日弁連発行のリーフレット)などと説明する。前者の場合は、いうまでもなく、「海外で」という言葉を加えることによって「アメリカの戦争に巻き込まれるのは反対だが、自衛のための武力行使には賛成」という意味を持たせている。
 しかし、こうした主張は戦争の階級的本質を隠ぺいし、労働者階級の階級意識を曇らせ、結局は「国の存立のための戦争は必要」という国家主義・排外主義に引きずり込むものでしかない。実際に安倍がやろうとしているのは「外国のための戦争」などではなく、大恐慌下での日帝・資本家階級の延命をかけた侵略戦争なのだ。
 かつて日共は、憲法制定議会(1946年6月)において、憲法9条1項には賛成したが、自衛のための武力は保持するべきだと主張し9条2項に反対した(野坂参三)。帝国主義戦争への屈服と加担をくり返した日共スターリン主義の歴史的裏切りを今こそ暴き、徹底的に粉砕しなければならない。
 さらに日共スターリン主義の犯罪性は、自国帝国主義の打倒をけっして言わないことにある。安倍打倒のゼネストに向かって労働者の団結を組織しようとは絶対にしない。だが、今や安倍打倒、日帝打倒がテーマになっているのだ。
 日共スターリン主義の敵対を打ち破り、今こそ日帝・安倍打倒に向けて階級的労働運動の拡大と労働者国際連帯の強力な発展をかちとろう。

安倍は墓穴掘った 絶対に打倒できる

 なぜ安倍は今、戦争に突き進もうとしているのか。一つは、今日の世界大恐慌のもとで帝国主義間・大国間争闘戦が軍事化・戦争化する中で、軍事力を行使できない帝国主義は争闘戦からの脱落を余儀なくされ、帝国主義として延命することができないからである。
 二つには、プロレタリア革命の現実性が支配階級に刻々と迫っているからだ。新自由主義の世界的な展開のもとで大量の労働者階級が登場し、低賃金や首切り、貧困化に怒る労働者の反乱が全世界で巻き起こっている。帝国主義戦争は、競争国を没落させ、他国の富を強奪するだけでなく、「国内の政治危機から勤労大衆の注意をそらせ、労働者を分裂させ、彼らを民族主義で欺き、プロレタリアートの革命運動を弱めるために労働者の前衛を皆殺しにする」(レーニン「戦争と社会民主党」)。
 日帝支配階級は国鉄決戦を先頭とする4大産別決戦の前進、非正規労働者の反乱、さらに首相官邸前での青年労働者・学生の大量決起を見て、日本でも早晩、階級支配を転覆する革命的決起が爆発することを予感した。こうした階級的な闘いを、安倍は戦争によって押しつぶそうとしているのである。
 しかし、そのことによって、安倍は墓穴を掘ってしまった。労働者階級人民の根底的決起によって日帝・新自由主義が打倒される道を開いてしまった。現憲法下での集団的自衛権の行使を閣議決定で強行するなどというデタラメなやり方は、二度と戦争の歴史をくり返さないと決意する労働者人民の逆鱗(げきりん)に触れ、その階級的魂を呼び覚ましてしまった。今や小・中・高校生の世代まで戦争動員=徴兵制への危機感をもって声を上げ始めている。
 安倍は打倒できる。戦争法制は阻止できる。すでに彼らは動揺し、右往左往している。支配階級内部の亀裂が拡大することも不可避だ。闘いはこれからだ。安倍へのあらゆる怒りを集め、束ねていこう。その起点が8・17大集会だ。

国鉄軸に労働者の決起が勝利を開く

 安倍を倒して戦争への道を阻むことと、資本の支配を終わらせて「命よりカネ」の社会を変えることは、今や完全に一つの闘いである。そのためには、膨大な労働者の主体的な決起と団結が中心テーマにならなければならない。つまり、日帝・支配階級の打倒に向かって、階級的労働運動の前進をテコにして、全人民が闘いの主導権を握っていくという闘い方である。
 その最も決定的な推進力こそ、国鉄決戦である。かつて新自由主義・改憲攻撃の最先頭に立った中曽根は、国鉄分割・民営化をもって国鉄の労働組合と階級的労働運動を解体し、改憲を成し遂げようとしたが、貫徹できなかった。今や動労千葉、動労水戸を中心にした動労総連合の闘いが1047名解雇撤回の決定的展望を切り開いている。そして新自由主義攻撃そのものである民営化・外注化・非正規職化の攻撃を職場の団結で打ち破っている。
 さらに3・11情勢のもとで、動労水戸の被曝労働拒否の闘い、国労郡山工場支部の闘いへと発展している。国鉄決戦の勝利を切り開くことを軸に、全産別で階級的労働運動の発展をかちとり、あらゆる職場に闘う労働組合の拠点を建設しよう。
 改憲を公然と容認する連合指導部などの体制内勢力が労働組合を支配したままでは、階級的労働運動として発展しないどころか、労働者を戦争に動員する機関になりはてる。労働組合権力をめぐる攻防が労働者人民の未来を左右する。そうした意味で8・17大集会は、国鉄決戦を前進させ、階級的労働運動を発展させる闘いでもある。
 8・17大集会はまた、「福島の怒りと団結して全原発を廃炉に」というスローガンを掲げている。福島の子どもたちの甲状腺がんが拡大する中、安倍政権はついに原発再稼働にも踏み出した。川内原発から5㌔圏内の住民に対して7月27日、ヨウ素剤の事前配布が全国で初めて行われた。ふるさとを奪われ、分断され、切り捨てられようとしている福島の人びとの怒りと団結して、また辺野古新基地建設に対する沖縄の怒りと団結して、安倍打倒の階級決戦を爆発させていこう。
 8・17大集会はさらに、「国境を越えた団結で戦争を阻止する」のスローガンを掲げている。来日する韓国・民主労総ソウル地域本部は、新自由主義と対決し、パククネ政権の打倒に向かってゼネストをもって総決起している。戦争と労働者への攻撃は世界共通であり、国境を越えた団結こそが戦争を阻む。7・1閣議決定は国際連帯を新たな次元に押し上げた。ドイツ、アメリカ、ブラジルなどこの間広がった労働者の国際連帯を、8・17大集会を新たな出発点にして、一層拡大しよう。
 青年労働者・学生を先頭に全国の職場・キャンパスから8・17大集会に結集し、「戦争か革命か」をかけた2010年代中期階級決戦の勝利の突破口を切り開こう!
〔鳴海直也〕
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