全国学生の団結で安倍倒せ! 大恐慌―戦争・改憲と総対決し8・17集会―9月全学連大会へ 革共同中央学生組織委員会
週刊『前進』06頁(2642号05面01)(2014/07/28)
全国学生の団結で安倍倒せ!
大恐慌―戦争・改憲と総対決し8・17集会―9月全学連大会へ
革共同中央学生組織委員会
7月1日、安倍政権は集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行い、戦争国家への転換に踏み切った。この攻撃を規定するのは、全面的な階級戦争と侵略戦争に訴える以外に延命できない帝国主義の体制的危機だ。大恐慌と争闘戦の中で支配の崩壊におののく日帝・安倍政権を、労働者階級の怒りの決起で打倒し、プロレタリア革命の決定的突破口を切り開こう!
全世界的な争闘戦激化と階級支配の全面崩壊
新自由主義攻撃の歴史的大破産として爆発した今次世界大恐慌は、ますます深化・激化している。大恐慌の爆発に恐怖した帝国主義ブルジョアジーは、2008年9月のリーマン・ショック以来、天文学的な財政投入で大資本を救済し、「輪転機で札を刷ってばらまく」という超金融緩和政策にのめり込んだ。だが、どれほど資金が供給されようとも、大恐慌の根底に「過剰資本・過剰生産力」の矛盾がある限り、問題は何ら解決されない。むしろ、供給され続ける緩和マネーはさらなる過剰資本状態とバブルを拡大している。米経済はこの間、「失業率の回復」「雇用の拡大」で「好調」と言われ、株式市場のバブル的高騰(7月16日にダウ平均株価終値は1万7138㌦20㌣で史上最高値を更新)とあいまって「経済危機はのりこえられた」などという浅薄な宣伝が氾濫(はんらん)している。だが、それは何ら実体を持たない虚構だ。仮に「資本主義的な経済循環が回復した」というのなら金利は上がってもおかしくないが、今もって超低金利政策は据え置かれている。それは、現在の「好況」が超低金利と緩和マネー氾濫によるバブル的投機でしかないことの証明だ。
「雇用回復」と言われる現実は、実際には非正規職の増大にすぎない。米労働者全体の実質賃金は下がり続け、職場では正規と非正規の入れ替えが進んでいる。それは欧州や日本も同じだ。日本では「1・02倍に上昇した」と言われる求人倍率が、その実「正規職に限れば0・67倍」でしかなく、実際はとてつもない非正規職の増大であることが明らかとなった。大恐慌と超金融緩和で進行しているのは大失業(徹底的な非正規職の増大)という一大階級戦争だ。
これと一体で、国際市場の再分割戦が進んでいる。この間、帝国主義各国は緩和マネーを世界にばらまいて激烈な為替戦争を展開しつつ、新興国への資本投下を拡大し延命を策してきた。しかし、今や急速にバブル化した新興国経済は一転して成長率を鈍化させ、破綻に転じ始めた。ブラジルは、中央銀行が今年の経済成長見通しを年率0・97%と発表。緩和マネーが流れ込んだ10年の7・53%と比較すればその危機性は鮮明だ。インド、ロシア、中国などいずれの新興国も成長率は急速に落ち込んでいる。アルゼンチンでは米ファンドが国債の債務削減案に応じず、アルゼンチンを国家丸ごと破綻させ、それすらテコにした市場開放、民営化・非正規職化が狙われている。新興国バブルは、今や「その崩壊を前提にしての市場再分割戦」という破滅的形態へ転化している。
危機深め戦争に突き進む米帝
さらに米帝は、他帝国主義勢力圏への再分割戦にも全面的に突入している。6月には、米ゼネラル・エレクトリック社(GE)がフランスの重工業大手アルストムを買収した。アルストムは火力・原子力発電タービンや電力発送電、世界中の鉄道車両・システム供給を手がけるフランス有数の大資本だ。フランス政府は米GEによる買収が「雇用や原子力産業の独立性、エネルギーセキュリティなどの点で国益が損なわれかねない」と独・シーメンスおよび日本・三菱重工による買収へとかじを切ろうとしたが、GEは巨額の資金と経営上の譲歩を示して買収を実現した。欧州全域のエネルギー・鉄道インフラ事業に米帝は手をかけた。大恐慌の中で危機にあえぐ米帝こそ、最も激しく争闘戦へとのめり込んでいる。今、ウクライナやイラク、パレスチナで起きている軍事衝突と侵略戦争は、米帝の戦後世界支配の全面的崩壊を示している。だがそれは、「ロシアやイスラム主義者の台頭・挑戦」などでは断じてない。シリア・アサド政権へのけん制として米帝が武器供与したイスラム主義勢力=ISISが、米帝のかいらいであるイラク・マリキ政権を攻撃し、泥沼の戦争が拡大しているように、危機にのたうつ米帝こそが世界市場の再分割をかけて破滅的な新自由主義攻撃を満展開し、侵略戦争の火を放っているのだ。
7・1閣議決定の強行は日帝・安倍の危機の表れ
安倍政権の7・1閣議決定を規定しているのは、大恐慌とそのもとでの米帝の没落、そして帝国主義間・大国間争闘戦の軍事化・戦争化という現実だ。日帝はこの中で決定的敗勢に追い込まれ、帝国主義戦列から脱落しつつある。米GEによるアルストム買収は、欧州への再分割戦であると同時に、日帝をたたき落とすものだ。日帝はこの間、GEに対抗するべく三菱重工と日立製作所の連合体を形成し、エネルギーインフラ事業の国際競争に乗り出してきた。だが今回の買収劇の結果、日帝はインフラパッケージ輸出の目玉であるエネルギー・鉄道という戦略産業で大敗北を喫した。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉でも、「日本抜きで合意を」という声が噴出し、安倍政権は追い込まれている。
何より決定的なことは軍事問題だ。激化する争闘戦での日帝敗勢の根本には、敗戦帝国主義としての軍事的制約が厳然とある。基軸国米帝の世界支配と日米安保体制のもとでのみ帝国主義体制を維持しえた日帝は、米帝の没落と争闘戦の激化の中でその脆弱(ぜいじゃく)性を決定的にさらけ出している。7・1閣議決定は、この戦後的制約を対米対抗も辞さず日帝の存亡をかけて突破するという「宣戦布告」だ。
安倍政権は7・1閣議決定と一体で武器輸出を全面解禁した。三菱重工はパトリオット2ミサイルの部品を米帝に供与すると発表した。しかも国家安全保障会議(日本版NSC)は、それが「米からイスラエルに供与される可能性」すら否定しなかった。現在、パレスチナで軍事侵攻を行い、不正義きわまる人民大虐殺に手を染めてきたイスラエルに武器を供給することで、中東での石油権益を確保しようとしているのだ。さらにオーストラリアとの軍事協定策動、辺野古の新基地建設着工などが発動されている。7・1閣議決定は「机上の解釈変更」ではない。日帝の利害と延命のために労働者を殺し合わせる戦争へ、安倍政権は実際に突入している。
この改憲・戦争攻撃は「新成長戦略」「骨太方針」(6月24日閣議決定)と完全に一体だ。それは防衛産業が成長戦略に位置付けられているというだけではない。何より、労働時間の概念そのものを破壊する労働規制撤廃へと踏み切り、階級闘争を全面的に圧殺しようとしていることが最大の核心だ。さらに、7月6日付の産経新聞や琉球新報では、「防衛省の軍事研究協力を東京大学が拒否した」「防衛省は引き続き協力を促す構え」と報じられた。7・1閣議決定は労働組合・学生自治会を破壊し、反戦闘争や大学自治を残さず解体し、軍需産業の拡大と戦争動員へと社会構造をまるごと組み替える反動攻勢の引き金だ。そこにあるのは徹頭徹尾、帝国主義・新自由主義ブルジョアジーの階級利害のみだ。「1%」のために「99%」を殺し合わせる安倍政権を絶対に許してはならない!
労働組合と学生自治会の建設で怒りの反撃へ
全世界で「大失業と戦争」への怒りから、革命への進撃が力強く開始されている。この情勢をけん引しているのは、新自由主義と闘い団結を守り抜いてきた階級的労働運動潮流だ。その最大の軸心は、動労千葉・動労水戸を先頭とする国鉄闘争であり、全世界の非正規職撤廃闘争の最先頭に立ち、鉄道民営化絶対反対の歴史的大ストライキを闘う韓国・民主労総との国際連帯だ。階級的労働運動潮流は、国鉄分割・民営化の国家的不当労働行為を満天下に暴き、外注化・非正規職化に絶対反対で闘い抜く中で青年労働者の結集をかちとり、労働運動全体の大再編をたぐり寄せている。階級的労働運動を軸とした2010年代中期階級決戦への突入は、東京都知事選・泉佐野市議選・杉並区議補選という革命的選挙闘争の歴史的地平を切り開き、全人民的怒りを結集する拠点を無数にうち立てている。とりわけ6・29杉並区議補選は、7・1閣議決定直前情勢で、それを問題にすらしない自公や既成党派のすべてに対して、超低投票率という形で事実上の「不信任」がたたきつけられる中で、北島邦彦候補が断固として「安倍たおそう!」と訴えて4332票を獲得し、怒りの結集軸として鮮烈に登場した。続く6月30日、7月1日には青年・学生を先頭に数万人が決起し、「安倍たおせ!」の声で首相官邸前を埋め尽くした。
安倍政権は、滋賀県知事選の敗北と福島・沖縄県知事選や統一地方選でのさらなる怒りの爆発に戦々恐々としている。安倍がいくら反動的に突出しても、それが物事を決めるのではない。一切は階級闘争の激突戦場で決せられる。
改憲・戦争攻撃をプロレタリア革命へと転化する核心的課題は、闘う労働組合・学生自治会の建設だ。安倍政権は今ここで階級的労働運動派をつぶさなければ、逆に革命をたたきつけられるという恐怖におののいている。階級的労働運動、学生運動の先頭で闘う青年・学生への相次ぐ弾圧や密集せる反動こそ、その証左だ。だがそれは、ついに解き放たれた労働者人民の怒りが、体制内的制動をうち破って階級的労働運動と結びつく決定的チャンスである。
7・1反革命への怒りを、闘う労働組合と学生自治会のもとへ全面的に結集し、今夏今秋の安倍政権打倒の大決戦を闘い抜こう! 全国学生は「改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!8・17大集会」に総決起し、9月全学連大会の大成功をかちとろう!