8・9長崎闘争アピール 福島の怒りと固く結び 戦争・再稼働の安倍倒せ 被爆69年全国から大結集しよう
週刊『前進』06頁(2641号05面01)(2014/07/21)
8・9長崎闘争アピール
福島の怒りと固く結び
戦争・再稼働の安倍倒せ
被爆69年全国から大結集しよう
(写真 昨年の8・9長崎闘争。安倍打倒を掲げ爆心地をデモ)
被爆69周年の8・9長崎闘争(要項4面)に向けたアピールが長崎現地から発せられました。安倍政権は7・1集団的自衛権閣議決定に続き、川内原発の再稼働に突進しようとしています。福島の怒りと結び、8・6広島―8・9長崎に総決起しよう。(編集局)
安倍7・1閣議決定は憲法破壊する戦争宣言
2014年7月1日は歴史的な日となりました。安倍政権は集団的自衛権行使を閣議決定し、内閣=行政府が公然と憲法破壊を宣言しました。ナチスの「授権法」が私たちの目の前で発動されているのです。これは日本と世界の労働者人民への宣戦布告です。憲法第9条は、第1項で「国権の発動たる戦争と武力の行使は、永久にこれを放棄する」、第2項で「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」と規定しています。どう解釈しても戦争や武力行使を容認することにはならない。
今回、安倍政権は、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し」た場合には日本の武力を行使する、戦争をする、憲法を停止すると宣言したのです。「この場合」は行政府の判断によって、いくらでも広げられます。
これまで日本政府は憲法違反、憲法無視ばかりやってきた。沖縄の基地監獄、国鉄分割・民営化、三里塚の農地取り上げ、原発推進、裁判員制度、新自由主義等々等々もう数え切れません。その上で今回、行政府の決定で憲法を破壊するという宣言をしたことは歴史的なことです。
再稼働阻止し全原発を廃炉にするまで闘おう
安倍政権が、ここまで焦り凶暴化して集団的自衛権行使に突っ走っているのは、過剰資本・過剰生産力の行き詰まりのもとで大恐慌が激化し、今や帝国主義間・大国間の争闘戦が軍事化・戦争化しているからです。日帝ブルジョアジーと安倍首相など1%の富裕層は、自己の延命のためには、貧困層を大量につくり出し全面戦争ができる国にするしかないと焦りに焦っているからです。8・9長崎闘争は、この安倍政権の改憲と戦争の政治と対決し、労働者人民の怒りで安倍政権を打倒する最先頭の闘いです。そして原発再稼働を阻止し、日本と世界の原発を全部廃炉にしていく闘いです。11年3・11をもって「核(原子力)の平和利用」「原発の安全神話」は崩壊しました。政府もマスコミも核兵器と原発を切り離そうとしていますが、核兵器廃絶と原発廃炉は一体の闘いになったのです。
すでに福島の子どもたちから「50人に甲状腺がん、39人にがんの疑い」が見つかっています(5月19日、福島県県民健康調査検討委員会発表)。ところが県立医大は「放射線の影響ではない」と強弁しています。福島第一原発は、今や高放射能の沼地です。福島は放射能との闘いのるつぼです。ナガサキとして、私たちもともに闘いたいと思います。
福島が何も解決しないまま、政府は鹿児島の川内原発を真っ先に再稼働しようとしています。鹿児島県知事は、住民の安全などそっちのけです。6月13日の記者会見で、自力では避難することが困難な要援護者の避難計画について「(原発から)10㌔までで十分だと思っている。(30㌔までは)作らない。それは非現実的だ」と言いました。5㌔圏内の要援護者は窓もない建物に閉じこめるそうです。住民の命を守れないなら、原発は動かさない、廃炉にするのが当たり前です。
内部被曝・被曝労働や核兵器と不可分の原発
3・11であらためて明白になったことは何か?❶原発は放射能の生産機械です。100万㌔ワットクラスの原発で1日に原爆3個分の放射能を作り出す。1年で1千発分以上です。膨大に作り出された放射能は何世代もの人類の健康をむしばみ、地球の生態系を破壊します。3・11をもって健康問題が階級闘争の基軸的テーマに浮かび上がりました。「生きぬく」ために、内部被曝との闘いは決定的になりました。それは新自由主義攻撃の中で労働者が「生きぬく」闘いと一体です。
❷原発は核兵器・核武装・戦争推進と一体です。中曽根政権を始め歴代自民党政権の原発推進の目的がここにあったこと、今もそうであることはもはや明確です。
❸被曝労働なんてあってはならないことです。ところが帝国主義が核兵器を開発し原発を動かす中で、労働者に強制されてきました。原発を廃炉にするためには、どのように労働者の安全と健康を守りぬいて作業を進めるのか。被曝を極力少なくする労働のあり方、労働者が被曝した場合の医療と生活をどうするか――帝国主義が生み出したこうした深刻なテーマと私たちは向き合い、階級闘争の中で解決していかなければなりません。
❹そして一番大切なことは、フクシマの人々が放射能に怒り必死に闘っている、この闘いと一体となることです。
ふくしま共同診療所は、内部被曝を否定する政府や御用医者と闘う拠点です。原発労働者、フクシマの住民・子どもの命と健康を守っていく大切な拠点です。その闘いの原則として「避難・保養・医療」という原則を打ち立てました。長崎では保養の闘いに挑戦しています。今年も多数の子どもを迎えます。
吉沢正己さんは、自身の被曝を覚悟で、牛の殺処分(政府・東電からすれば被曝をなかったことにしようという証拠隠滅)に対して、牛を生かすべく闘っています。重要なことは、被爆者と被曝者の分断、被曝者同士の分断をのりこえて、労働者階級の立場に立って団結して闘うことです。被曝量が多い少ないを問題とすることは、この分断に手を貸すことになります。政府・行政と東電は被曝者に対する「補償金」でフクシマの人びとを分断しようとしています。石原伸晃の「最後は金目でしょ」発言を弾劾し、被爆者・被曝者は団結して闘おう。
❺最後に労働者階級の国際連帯、原発輸出との闘いが全原発を廃炉にし、核兵器を廃絶していく道です。原発の輸出先とされているところで、原発建設反対の行動が大規模に行われています。国家は階級支配を貫くための道具です。国家の支配者たちに核兵器の廃絶を委ねることは幻想です。そこには核兵器の廃絶はありません。
希望は日本と全世界の労働者階級の団結だ!
希望は日本および世界の労働者の団結です。労働者階級は資本主義社会(とブルジョア独裁国家)を廃止しない限り解放されない存在です。賃労働と資本は非和解だし、労働者階級はブルジョア国家権力とも非和解です。労働者に国境はありません。労働者階級は普遍的存在(国際的存在)です。
労働者階級は人間の本質である労働の担い手です。共同労働こそが人間の本質です。その共同性が言葉を発展させ文字も作り出しました。しかし人間の歴史は、一部の人たちが生産手段を所有し生産物を支配し、生産する人を支配し、文字やイデオロギーを支配する歴史をたどりました。今必要なのは、労働と労働者の本当の共同性を取り戻すこと、それは労働者階級にしかできないことですし、やれることです。
資本家階級と国家権力、その手先に対する敵対心は階級意識の表れであり、絶対必要です。
最後に労働者の誇りです。労働者が社会を動かし社会に必要なものをつくり出している。労働者が団結すれば資本家なしで社会を動かしていける。労働者こそ社会の主人公です。
この労働者の団結、闘う労働組合の建設こそ希望です。それは国鉄分割・民営化、組合破壊攻撃と闘いぬいてきた動労千葉の闘いの中に脈々と生きています。動労千葉の外注化・非正規職化との闘い、反合・運転保安闘争は、労働者の「生きぬこう」「生きさせろ」の切実な要求と一体です。
政府・JR当局は楢葉町の竜田駅まで常磐線の運行を延ばしました。動労水戸は被曝労働強制への怒りを爆発させ3波にわたってストライキに決起しました。動労水戸の若き労働者は「復興と言うなら放射能がなくなることが最低条件です。乗務員が被曝するなら、乗客も被曝する。おかしいことはおかしいと声を上げよう」と呼びかけています。
動労水戸の辻川慎一副委員長は「安倍政権は集団的自衛権行使容認の閣議決定を国民の同意もなく進めている。JRとまったく一緒だ。ストライキで闘う。被曝労働、労働強化、外注化にも反対することでこの世の中は変えられる」と訴えています。ここに希望があります。
8・9長崎闘争は吉沢正己さん、長崎の被爆者城臺(じょうだい)美彌子さん、辻川慎一さん、そして安倍政権の改憲・戦争を暴き尽くす鈴木達夫さんが発言します。長崎の保養報告もあります、経験を共有しましょう。ナガサキに集まりましょう。
〔川端義行〕