転籍前提の出向強いる分社化に主流派への飛躍かけ対決しぬく 新津車両製作所外注化反対決戦の総括

週刊『前進』06頁(2641号03面02)(2014/07/21)


転籍前提の出向強いる分社化に主流派への飛躍かけ対決しぬく
 新津車両製作所外注化反対決戦の総括


 集団的自衛権行使容認の7・1閣議決定に対する根底的な反撃は、労働組合の拠点を建設することで切り開かれる。2010年代中期階級決戦の基軸に位置する国鉄決戦は、いよいよ重大な局面に入った。動労千葉の外注化粉砕の闘いは、外注先の非正規労働者を組織して新たな飛躍を実現しつつある。これと並び、郡山総合車両センターでの10・1外注化を阻止する闘いが決戦に競りあがった。階級的労働運動派が国労の権力党派に躍り出ることも、待ったなしの課題だ。この決戦に勝利するため、JR新津車両製作所の外注化=分社化反対闘争の総括と教訓を明らかにする。

JR体制打倒の主体として青年が立った

 革共同は昨年秋以来、JR新津車両製作所の外注化=分社化・子会社化に絶対反対し、決戦を構えて闘ってきた。4月1日、JR東日本は子会社であるJ―TREC(総合車両製作所)への業務の外注化を強行し、同じく子会社のE―TEC(東日本トランスポーテック)と合わせ計320人の社員に転籍前提の出向を強制した。
 外注化の矛盾は噴出し、ますますJR資本と現場労働者の非和解的対立は深まっている。
 分社化・子会社化に対し国労新潟地本・新潟県支部が呼びかけて開催された3・10新津車両製作所外注化反対デモには、JRの青年労働者が労働組合を越えて決起し、製作所内からも歓声と拍手がわき起こった。JR北海道の現実や京浜東北線・川崎駅事故に示された安全の崩壊が進む中で、ついにJR体制・JR労資結託体制を打倒する主体としてJR青年労働者が登場したのだ。
 この闘いの総括の第一は、外注化絶対反対で闘うことを党と労働組合の路線として確立し、動労千葉の闘いの勝利性を継続的な宣伝扇動で訴えぬいたことである。「時代認識と路線」で勝負したことが吸引力を持った。
 大恐慌と3・11情勢の中で脱落の危機にあえぐ日本帝国主義・安倍政権は、「成長戦略」の柱に外注化・総非正規職化と鉄道・原発・水道のパッケージ輸出を据えた。安倍の盟友・葛西敬之(JR東海名誉会長)を先頭に、JR資本は破産しつつあるとはいえ鉄道のパッケージ輸出に全力を挙げている。JR東日本も「車両製造事業の拡大」を「経営の第4の柱」と位置づけた。そのためには低価格競争で鉄道をめぐる国際争闘戦に殴り込みをかけなければならない。だからJRは、新津車両製作所を職場丸ごと外注化し、大量の労働者を〈出向扌転籍扌非正規職化〉に追いやろうとしてきたのだ。
 昨年からJ―TRECは「工数低減」「コストダウン」と生産性向上を叫び、4月1日から「工程よりも安全」という標語に替えて「できない理由よりもやる方法」という標語を新津事業所内に掲げた。下請け・非正規を含めて青年労働者に労働強化と労災多発が襲いかかった。
 この現実の中で、東労組幹部は「『経営の第4の柱』を担うために労働条件・労働環境を求めていこう」と唱えている。JR東日本がカクマルとの結託体制の清算に走る中で、東労組は資本の攻撃の先兵となることに延命の道を求めたのだ。
 鉄道のパッケージ輸出とは、車両やメンテナンスの輸出にとどまらず、戦前の満鉄(南満州鉄道)のように「植民地経営」にのりだすことを意味する。安倍の集団的自衛権行使容認の閣議決定は、「植民地経営」のための侵略戦争に踏み出すという宣言だ。
 こうした敵の狙いを、革共同と国労共闘は門前ビラや労働組合の議論の中で暴露し、動労千葉のように外注化絶対反対で闘うことを訴えた。それがJR資本や東労組のペテンを暴き、青年労働者、国労現場活動家をとらえていった。
 第二に、国鉄労働運動の主流派・権力党派に躍り出るために、現場の怒りと結びつき、労働組合の方針を提起し、労働組合としての闘いを組織したことである。

「左翼反対派」から権力党派に転じる挑戦

 国労本部や東日本エリア本部は、新津車両製作所の外注化が明らかになった昨年夏から、他労組がやっている本社団交すら放棄した。2010年4・9政治和解で〝資本とは闘いません〟と誓った社民党や日本共産党には、党派としての方針もなく、現場の国労組合員は怒りをもちながらも団結は破壊され、分会活動も危機に瀕(ひん)していた。
 こうした現実にあきらめてしまうのか否かが問われた。革共同は党内での熱い討論を通してあらためて国労を据え直し、具体的方針として3・10デモを実現することを決断した。そして、国労の現場活動家・組合員の外注化やJR貨物超低賃金への怒り、国労の現状への危機感と結びついて3・10デモを実現した。
 3・10デモでの国労組合員の生きいきとした姿は、青年労働者とJRの下請け企業の労働者に展望を与え、JR・下請け・非正規の分断をのりこえて団結する可能性をつくり出した。これを基礎に新たな挑戦が始まっている。また、安倍政権が人事評価で地方公務員を「解雇自由」にし、民営化・外注化・非正規職化の攻撃を強める中で、自治労や教組の決起も引き出した。
 それは、党が必死で現場をとらえて絶対反対の路線を形成し、それを労働組合の方針に高めていった過程であり、組合内「左翼反対派」から労働組合をよみがえらせる主流派・権力党派に飛躍する過程だった。こうした飛躍こそ、国鉄決戦を軸とする4大産別決戦において、拠点を建設する要をなしている。

路線的一致と地区党の団結が勝利開いた

 第三に、「時代認識と路線」で一致した地区党の団結がこの地平を切り開いた。昨年秋以来の地区党を挙げた製作所門前ビラの上に、1月以降、国労共闘が国労内で3・10デモ実現に向けて激しい党派闘争を展開した。これと一体となり、地区党全体が外注化の狙いを暴くパンフレットと『前進』を右手に、10万筆署名を左手に職場や地域に徹底的に分け入った。
 この地区党の団結は、国労だけでなく自治労や教組を揺るがした。地区党の団結こそ、決起を開始したJR青年労働者を獲得することができる力だ。また、労働組合の主流派・権力党派への挑戦は、国鉄委員会や東北地方委員会の同志たちとの熱い討論を通して形成された。「党の革命」によって培われた革共同の団結の力だ。
 新津車両製作所外注化との闘いは、革共同と動労千葉がつくり出した「時代認識と路線」が通用することを鮮明にした。JR体制を打倒しプロレタリア革命を切り開くことはできるのだ。
 今こそ動労総連合を全国につくり出そう。それは国労共闘が拠点職場をつくり、国労の組合権力に挑戦する闘いと一体だ。7・31〜8・1の国労全国大会を巡る決戦に立とう。10・1郡山総合車両センター外注化阻止へ総決起し、JR体制打倒の青年労働者の決起をつくり出そう。
 革共同新潟県委員会はその先頭に立つ。決起を開始した青年労働者とともに外注化絶対反対を貫き、転籍を許さず、労働強化と労災多発に対して動労千葉の反合理化・運転保安闘争に学びそれを実践して闘う。JR、下請け、非正規の労働者がともに団結する闘う労働組合をつくり出す。今こそ、われとわが手で階級的労働運動の新時代を切り開こう。
(革共同新潟県委員会)
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