青年・学生先頭に戦争阻止・安倍打倒を 「集団的自衛権」は戦争宣言だ 7・1閣議決定を弾劾する
青年・学生先頭に戦争阻止・安倍打倒を
「集団的自衛権」は戦争宣言だ
7・1閣議決定を弾劾する
7月1日、安倍政権は集団的自衛権行使を始めとする自衛隊の新たな武力行使=戦争発動を現憲法下で可能とする閣議決定を強行した。「国の存立を全うするための自衛の措置」と称して「地球の裏側」まで自衛隊を派兵し、現地の労働者人民と殺し合わせる。まさに憲法9条の解体であり、日本と世界の労働者人民に対する日帝・安倍の「宣戦布告」に他ならない。この戦後史を画する歴史的暴挙を絶対許さず、青年・学生を先頭に安倍打倒の決戦に立とう。
戦後史画す「9条解体」に怒りの階級的反撃を
7・1閣議決定は、日帝・安倍政権による憲法9条解体=戦争国家化宣言であり、戦後史を画する一大反革命である。大恐慌下での延命と生き残りをかけて、もはや「専守防衛」の建前すらかなぐり捨て、全世界に戦争宣言を発したのだ。かつてのナチス・ドイツによるベルサイユ体制打破=再軍備宣言(1935年)にも比すべき歴史的暴挙である。
同時にこれは、戦後革命期以来の日本階級闘争・労働運動の中で貫かれてきた「二度と戦争をさせない」という決意と闘いに対する階級戦争宣言である。逆に言えば、日帝・安倍は労働者階級の闘いと団結を解体できず、正面からの明文改憲もできないまま、一片の閣議決定で戦争へ突き進むことになった。「国鉄分割・民営化で国労をつぶし、総評をつぶして、お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と掲げた1980年代の中曽根政権以来の改憲攻撃は、国鉄闘争を先頭とする階級的労働運動の不屈の闘いによって根本的に破綻した。ここに日帝・安倍の歴史的破産が刻印されているのだ。
今や7・1閣議決定をもって情勢は一変した。東アジアの軍事的緊張が極度に高まる中、日本と世界の労働者人民が安倍の暴挙に猛然と抗議の声をあげている。共同通信の電話世論調査では、集団的自衛権容認反対が54・4%、「行使の範囲が広がる恐れがある」との懸念は73・9%に達した。安倍政権の事実上の広報紙、読売新聞の調査でさえ、集団的自衛権容認を51%が「評価しない」と回答し、内閣支持率は前回から一気に9㌽下落して48%(不支持率は9㌽上昇の40%)、初めて5割を切ったことで「政府・与党に衝撃」と報じられている。
何より、真っ先に戦争動員の対象とされる青年労働者と学生が、危機感と怒りをもって陸続と立ち上がっている。今こそ戦争阻止・安倍打倒の闘いを巻き起こす時だ!
「自衛の措置」を口実に武力行使=戦争を解禁
7・1閣議決定は、前文と4項目で構成されるが、その最大の核心は「3 憲法第9条の下で許容される自衛の措置」の部分である。
その内容は第一に、憲法9条を完全に骨抜きにし、自衛隊の海外派兵とあらゆる武力行使を「自衛の措置」と称して全面的に解禁するものである。そこには何の「歯止め」も「制限」もない。
そもそも、9条はその第1項で「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は......永久にこれを放棄する」とし、続く第2項で戦力不保持と交戦権否認を明記している。これはどう読んでも、武力行使が可能だと「解釈」する余地など一切ない絶対的規定であり、本来は個別的と集団的とを問わず一切の戦争と武力行使を放棄する以外にないものだ。これは帝国主義国の憲法としては本来あり得ない条項だが、日本とアジアで爆発した戦後革命の闘いは、米日帝をそこまで追いつめたのだ。これが日本の戦後史を規定した階級的原点である。
閣議決定はこれを覆すために、一方では「日本を取り巻く安全保障環境の変化」を挙げ、他方ではなんと憲法前文の「国民の平和的生存権」と第13条「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」を持ち出し、これらを保障するためには「必要最小限度の『武力の行使』は許容される」などと転倒した詭弁(きべん)を弄(ろう)しているのだ。
だが、こんなデタラメはとうてい通用しない。そもそも「国民の生命、自由、幸福」を何より残忍に踏みにじるのは戦争と戦争国家体制である。それは戦前の経験から明らかであり、それゆえこれらの憲法上の諸権利は9条と一体なのだ。
だが閣議決定は、こうしたデタラメな理屈を論拠に、「国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」などの3要件(別掲)を満たせば、集団的自衛権行使を始めあらゆる武力行使が憲法上可能だというのだ。
一読して明らかなように、こんな抽象的規定は時の政府によって無限に拡大解釈が可能である。「必要最小限」なる文言についても、自民党幹事長の石破茂が「起こる事例は千差万別。必要最小限は、これという物差しがあるわけではない」と自ら吐露しているのだ。
大資本の侵略と一体で派兵
第二に、「国の存立を全うするための武力行使」を公然と主張し、それと一体で海外における日帝の経済的権益の確保・拡大のための戦争を宣言した。
閣議決定では、「国の存立が脅かされる事態」とは日本が直接攻撃された場合だけを指すのではなく、「他国に対して発生する武力攻撃でも......わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る」とし、これに対処できなければ「国の存立」も「国民の生命、自由、幸福」も「根底から覆される」としている。石破はその具体例として、「中東から日本への原油の輸送」が妨害されるケースも「根底から覆される」事態に含むと明言した。こうした日帝の経済的権益の確保も、武力行使の対象としているのだ。
6月24日に閣議決定された「骨太の方針」は、「海外の資源権益確保」を掲げ、在留邦人・在外企業の安全保障などにも言及した。7・1閣議決定はこれと表裏一体である。日帝・新自由主義資本のあくどい搾取に対する現地の労働者人民のゼネスト、工場占拠、暴動などで資本の経済的権益が損なわれるような事態も含めて「国の存立を脅かす事態」とみなし、軍事力で対処する。そのために自衛隊を文字通り「地球の裏側まで」派兵する。それができなければ、大恐慌下の争闘戦を勝ち抜けないという激しい危機感を募らせているのだ。
かつて日帝は、「満蒙(まんもう)は日本の生命線」と主張して中国侵略戦争を強行した。ナチス・ドイツは「生存圏(=国家の生存のために必要な地域)の確保」と称して東欧諸国を侵略した。同様に今日、日帝・安倍は「国が滅亡してもいいのか」と恫喝し、新たな侵略戦争へ突き進もうとしているのだ。
第三に、自衛隊の他国軍への後方支援についても、従来の「非戦闘地域」というペテン的な限定さえ撤廃し、「現に戦闘を行っている現場」でなければ武器・弾薬の提供も可能とした。さらに「武器使用を伴う在外邦人の救出」など「警察的な活動」についても法整備を進めるとした。
第四に、閣議決定文の最後に「これらの活動を自衛隊が実施する」際には「内閣として決定を行う」とし、時の政権の判断によって文字通り無制限の戦争と侵略派兵が可能になるというのだ。
8・17集会に結集し国際連帯と階級的団結を!
7・1閣議決定は、これまで基本的には日米安保の枠内で自衛隊の海外派兵と戦争国家化を進めてきた日帝の基本路線からの大転換である。大恐慌下の帝国主義間・大国間争闘戦が軍事化・戦争化する情勢の中で、今や日帝は帝国主義としての延命と生き残りをかけ、対米対抗性をあらわにしながら、日帝独自の軍事力を海外展開し、新たな侵略戦争へ乗り出すことを宣言したのだ。
これは同時に、国内の軍需産業を育成し、武器の生産・輸出を成長戦略の要としていくことと表裏一体である。すでに防衛省幹部は「次のステップは防衛費の増大だ」と語っている(朝日新聞7・2付)。
こうした中で安倍は、夏の内閣改造で安保担当相を設置し、来春国会に関連法案を一括提出するとしている。だが、これらの攻撃は安倍の危機を一層深めるものだ。自衛隊内の不満や矛盾の爆発も不可避であり、退官が増加し、志願者が激減すれば、次は必ず徴兵制が問題になる。集団的自衛権は、青年をまるごと戦場に動員することに直結しているのだ。青年の危機感と怒りはこれからますます爆発する。
ここであらためて重要なことは、帝国主義の侵略戦争の階級的本質を徹底的に暴露することだ。「戦争は別の手段による政治の継続である。どんな戦争も、それを生んだ政治制度と不可分に結びついている。......(支配階級が)戦争前に長い間とってきたまさにその政治を、同じこの階級が、ただ行動形態を変えただけで、戦争中にもとり続けることは必然であり、不可避である」(レーニン「戦争と革命」1917年5月)
安倍がやろうとしている戦争は、1%にも満たない支配階級の利益と延命のために、99%の労働者階級人民の生活と命を奪い、あるいは福島の子どもや住民に放射能被曝を強制し、全社会を崩壊させてきた新自由主義の延長であり、そのきわみとしての戦争だ。「労働者を解雇することと、戦場に放り出すことは同じだ!」――解雇撤回を闘う青年労働者の言葉がそれを鋭く暴露している。
だからこそ、新自由主義と闘い勝利してきた国鉄闘争を基軸とする階級的労働運動と国際連帯の発展こそ、戦争を阻止し安倍を打倒する最大の力だ。8・17大集会は、この階級的団結のもとにすべての怒りを結集する場となる。青年を先頭に全国から8・17大集会に結集し、新たな闘いをともに開始しよう。
「戦争か革命か」をかけた2010年代中期階級決戦に勝ちぬき、プロレタリア世界革命の勝利へ進撃しよう!
〔水樹 豊〕
集団的自衛権の行使を容認する新たな3要件
憲法第9条の下において認められる「武力行使」については、
❶わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、
❷これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき
❸必要最小限度の実力を行使すること――という3要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力行使」に限られると解する。
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【要項】
戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!
8・17日比谷大集会
8月17日(日)正午〜(午前11時開場)
日比谷公会堂(東京・日比谷公園内)*参加費500円
記念講演
荻野富士夫さん(小樽商科大学教授)
「『蟹工船』から見えてくるもの」
韓国・民主労総ソウル地域本部
「韓日労働者の連帯で戦争を阻もう」(仮)
主催 安倍をともに倒そう!集会実行委員会