判決弾劾・JAL解雇撤回へ 「不当労働行為反対」が核心 外注化・非正規職化と闘おう
判決弾劾・JAL解雇撤回へ
「不当労働行為反対」が核心
外注化・非正規職化と闘おう
6月3日と5日、東京高裁は、JAL(日本航空)不当解雇撤回を求める客室乗務員(キャビンアテンダント)71人、運航乗務員(パイロット)70人をそれぞれ原告団とする訴訟の控訴審で、東京地裁判決を維持し控訴を棄却する不当判決を下した。「破綻した会社の存続には人員削減が必要だった」(客室乗務員訴訟・東京高裁大竹たかし裁判長)というのだ。会社の存続のためなら労働者の首切りも労組破壊も自由とする全労働者への攻撃だ。怒りは燃え上がり、JAL闘争は最高裁段階へ、日帝・安倍―最高裁・寺田長官体制との激突に入った。
労組破壊許さず正面から激突を
国鉄最高裁決戦と結合して外注化阻止・非正規職撤廃の職場闘争を進め、解雇撤回をともにかちとろう。
2010年1月、国とJAL資本は、「会社更生手続き」に入ったことをもって約1万6千人の削減を強行し、12月末には「自主退職」の脅しに屈せず闘う165人の首を切った。ほとんどが闘う労組組合員・活動家であり、組合つぶし・団結破壊のために大量解雇を強行したのだ。明々白々たる不当労働行為だ。
11年8月3日、東京都労働委員会は、スト権を確立して闘おうとした労働組合に対して「争議権を立てたら再建資金3500億円の出資はしない」と脅した管財人の不当労働行為に対する救済命令を発した。にもかかわらず東京地裁は12年3月29、30日、整理解雇4要件も踏みにじり「解雇有効」とする不当判決を下し、さらに今回の高裁判決に至った。これ自体が司法権力を含む国家的不当労働行為であり新自由主義攻撃そのものだ。
倒産攻撃は、資本による究極の合理化と団結破壊の攻撃である。労働者の団結権は力でもぎ取り国や資本に強制するものだ。「経営分析」の土俵に乗ってはならない。不当労働行為を許さず、団結の強化・拡大を総括軸に職場闘争を進め、絶対反対で闘いぬくことが勝利の道だ。
反合・運転保安闘争を職場から
6月5日の不当判決直後の報告集会で発言に立った山口宏弥パイロット原告団長は、「ものを言う労働者の解雇は安全運航に直結する重大な問題だ。職場が心配だ」と訴えた。新自由主義攻撃の核心は、外注化・非正規職化と労組破壊であり、不可避に安全崩壊をもたらす。乗客・乗員の生死のかかった問題であり、新自由主義の最大の破綻点だ。反合・運転保安闘争の路線で資本の合理化・安全破壊と激突し、労働者の誇りと団結、職場支配権を取り戻そう。
1995年、日経連プロジェクト報告が終身雇用・年功賃金制の廃止と9割の非正規・有期雇用化を打ち出すのと同時に、JALやANA(全日空)は1年雇用を導入し、今や客室乗務員の約半数が契約社員とされている。時給制でJALでは訓練期間中は933円、1年目で1133円とされ、乗務手当が700円程度出されるが地上勤務時はなし。年収は200万円台〜300万円。正社員賃金も3〜4割削減し、年収は450万円前後に落とされた。
整備・地上業務の労働者はより過酷な合理化・人員削減と首切り、外注化・非正規職化攻撃を受け続けている。LCC(格安航空会社)との競合、価格競争の中で安全は無視され、重大事故寸前の航空事故が多発している。合理化と外注化がもたらした85年8月の日航ジャンボ機墜落事故(犠牲者520人)、JR西の尼崎事故、JR北海道やJR東での重大事故の続発、韓国セウォル号事故を繰り返してはならない。解雇撤回と一体で、職場生産点から総反撃しよう。
国鉄と一体で今こそ解雇撤回へ
外注化・非正規職化、労組破壊に絶対反対する闘いが新自由主義を根底から揺るがしている。
動労千葉は12年6・29東京地裁判決、13年9・25東京高裁判決で国鉄解雇が不当労働行為であったことを認めさせ、解雇撤回10万筆署名と外注化阻止のストライキを力に、最高裁決戦に攻め上っている。国鉄闘争を柱に、階級的労働運動の躍進が始まった。
労働組合に団結し職場を軸に闘いぬけば、不当労働行為を粉砕し解雇撤回をかちとれる! 国鉄闘争と一体となった東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の解雇撤回闘争は、今年4・16東京地裁で画期的な勝利判決をかちとった。郵政八王子西局や沖縄・IJBS労組の青年労働者が解雇撤回に立ち上がりそれに続く闘いが全国で巻き起こっている。橋下徹大阪市長による労働組合アンケート調査攻撃に対して、中央労働委員会は不当労働行為の認定を行った。処分を振りかざした団結破壊を許さず、民営化に絶対反対で闘いぬいて橋下を追いつめ、団結が拡大している。
国鉄最高裁決戦と一体でJAL不当解雇撤回・原職復帰をかちとろう。戦争と改憲、解雇自由に突き進む安倍を倒そう。