動労総連合 出向訴訟 〝委託契約書開示せよ〟 JR追い詰め重大局面に

週刊『前進』08頁(2639号02面03)(2014/07/07)


動労総連合 出向訴訟
 〝委託契約書開示せよ〟
 JR追い詰め重大局面に

(写真 強制出向に出された当該組合員と支援の仲間が東京地裁に向けシュプレヒコール【7月2日】)

 動労総連合強制出向無効確認訴訟の第7回口頭弁論が7月2日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で開かれた。原告側はJRをさらに追い詰め、裁判は一層重大な局面に入った。
 法廷で原告代理人は、この裁判での被告・JR東日本の不当な言い分に徹底的に反論した。JRは外注化の目的を「エルダー社員(JRを定年退職後、再雇用された社員)の雇用の場の確保」「エルダー社員の持つ技術を後進に継承するため」などとしている。しかし、雇用確保が目的ならJRの業務を外注化する必要はない。それどころか外注化は、高齢になった本線運転士が構内運転に転じる道を奪ってしまった。原告代理人はこうした事実を指摘して、「会社の主張は外注化の真の目的を押し隠すもの」と語気を強めた。
 JRは、原告側の「外注化は偽装請負」という主張に対し、「偽装請負は労働者派遣法違反の問題に過ぎない」と違法を自認しつつ居直っている。さらにJRは、「外注先の作業責任者は作業者と同程度の知識・経験を持たなくてもいい」とまで言い放った。原告代理人は「被告は安全な作業ができないことを認めて開き直っている。現場で起きているのはまさに安全の崩壊だ」とJRを激しく弾劾した。
 原告側はCTS(千葉鉄道サービス)がやってもいない清掃をやったことにしている不正問題も、この裁判で追及してきた。それについてJRは認否もしていない。原告代理人は「不正を認めるのか認めないのか、明らかにせよ」と迫った。
 JRはCTSで動労千葉がストに立つと、その対象業務はその日はCTSに発注しなかったとして、JR側で業務を行いスト破りをしている。その不当性を突く原告の主張に、JRは「代替手段を講じるのは被告の営業の自由」と開き直った。原告代理人は「憲法は労働基本権を無条件に認めている。営業の自由がそれに優先するはずがない」と真っ向から反論をたたきつけた。
 原告側の主張に反論しようとするJR代理人の機先を制する形で、裁判長が「(JRとCTSなどの委託先が交わした)委託契約書を任意に提出するつもりはないのか」と質問した。契約書の開示はこの裁判の重大な争点になっている問題だ。JR代理人は「今の時点では考えていない」と返答したが、重ねて提出を求める裁判長にJR側は「検討する」と答えざるを得なくなった。
 現場での偽装請負と安全破壊の実態を徹底的に突きつけた原告の闘いがJRを追い詰めたのだ。
 裁判に先立ち動労総連合は東京地裁に外注化粉砕のシュプレヒコールをたたきつけた。裁判後の総括集会で各原告は「仕事とともに必ずJRに戻る」と決意を述べた。
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