杉並区議補選 〝安倍を倒すのは今だ〟 北島演説の迫力が情勢変えた

週刊『前進』06頁(2638号02面01)(2014/06/30)


杉並区議補選
 〝安倍を倒すのは今だ〟
 北島演説の迫力が情勢変えた

(写真 「集団的自衛権容認の閣議決定は絶対に認められない」「安倍政権を倒そう」と訴え、区民と交流しながら荻窪駅南口商店街を練り歩いた【6月25日】)

(写真 阿佐ケ谷駅南口の街宣で、児童館全廃反対を訴え握手【6月25日】)

(写真 北島候補の訴えを聞き、青年と選挙スタッフがあちこちで討論【6月24日 高円寺駅前】)


 杉並区議補選における街頭での闘いは、安倍―田中区政に総屈服の他候補を圧倒し、安倍打倒情勢を決定的に引き寄せた。北島演説の迫力と学生・青年労働者を中心とする街宣隊の生きさせろの訴えが求心力を生み、道行く人びとの足を止めた。区民の怒りと結びつき、情勢を一変させた。応援演説に前都知事候補の鈴木達夫弁護士、高山俊吉弁護士、動労水戸の石井真一委員長、星野暁子さん、辻川あつ子さんや多くの闘う労働者が駆けつけた。労働相談ののぼりは東京西部ユニオンの存在感を放ち、『前進』もあちこちで広げられた。「労働運動の闘士、北島邦彦とともに安倍政権を倒しましょう」。宣伝カーからの訴えは区民を激励した。選挙戦、激動の1週間――。北島候補の演説と街頭の反応を紹介します。(編集局)

労働運動を闘う北島候補

●労働者の国際連帯で戦争は止められる
 集団的自衛権の行使とは本気で戦争をすることだ。たかだか数人の自民党幹部と公明党幹部で日本が戦争することが決められる。こんな政治のあり方間違っている。共産党は「海外で戦争する国になるのは反対だ」というが、戦争絶対反対の立場ではない。ペテンだ。
 安倍政権はうそばかりだ。軍隊が国民の命を守ったことがあるか。沖縄戦、ヒロシマ、ナガサキを見てほしい。天皇制国家、財閥の利益を守るために殺してきたではないか。「中国の脅威」というが、日本の労働者と中国の労働者が同じ労働者として団結することだ。国際連帯こそが戦争を阻止する。安倍を倒すのは今だ! 一つのデモ、ストライキが全国に飛び火する情勢だ。
●都議会、女性差別ヤジは安倍政治の本性だ
 都議会でのヤジは女性差別に終わらない許し難い発言だ。あの議員をなぜ議場から引きずり出さないのか。だから議会が腐るんだ。
 再発防止決議で終わらせようとしているが、こんなものでは終わらない。あれこそ安倍・自民党政治の本性だ。安倍の「女性の活躍の促進」など真っ赤なうそだ! 女性労働者を低賃金で不安定な雇用でしぼりとることしか考えていない。子どもと向き合う時間さえないほど長時間労働させる。女性を使い捨て、最後は戦争に向けて子どもを産む道具としてしか見ていない。今こそ女性労働者は団結しよう。あんなヤジは全労働者の団結した行動でぶっとばそう。
●民営化絶対反対! 児童館全廃を許さない
 田中区政が進めてきた民営化・外注化はとうとう児童館全廃まで来た。児童館は放課後、職員や地域の人たちがともに子どもたちの成長を見守ってきた地域の拠点だ。廃止は地域社会を破壊する。全廃は全職員500人の労働者の首切り攻撃だ。児童館の労働者は誇りをもって働いてきた。職場を守ると団結を固めて怒りの声を上げれば、地域の反対の声をひとつに集めることができる。
●高齢者を殺すな!
 医療介護の総合推進法が成立した。保険料をとっておきながら介護保険から要支援1、2を外し、財源の裏付けもなく自治体に丸投げする。杉並区で介護認定を受けている人2万8千人中30%が要支援1、2。30%から介護を奪う。どこが消費税の財源を福祉にだ。国家的詐欺だ。民営化推進の田中区政は高齢者を資本の食い物にする。現場の矛盾を一番知っている医療・介護の労働者こそ団結して高齢者殺しの政治を打ち破ろう。
●闘う労働組合を!
 残業代ゼロ、年収1千万以上の4%を対象というが、こんなものを1ミリでも許したら全労働者に拡大する。労働者派遣法はできた時に26業種限定と言っていた。今は全面自由だ。過労死するまで働かされる。1%の大企業の利益のために、99%の労働者の命も未来も奪う安倍政治に我慢する必要はない。
 1日8時間労働は、200年に及ぶ世界中の労働者が血と汗をもって闘いとってきた。これをあの軽薄な安倍首相の一言で奪われてなるものか。私たち日本の労働者は真正面から闘う時が来た。
 連合、全労連といった労働組合はだらしがない。だからみんな労働組合に入りたくなくなる。労働組合は企業や行政と絶対非和解で闘うんだ。
 闘う労働組合がつくられれば、その周りに生きるための団結ができる。それは安倍政権を倒す一点の火花となる。

街頭演説に熱烈な支持が

 「安倍、石原は大嫌いだ」「石原は杉並の恥」「安倍は絶対に倒さなければならない」「反原発活動をやってきたが、ここは本物。つながりたい」「戦争絶対反対!」
 安倍が集団的自衛権行使容認の閣議決定を狙う中、街頭では北島候補の登場に衝撃が走った。安倍への怒りが解き放たれ戦争絶対反対、生きさせろの決起が始まった。
 自営業の支持者の区民は「労働者が生きていけなければ商店も生きていけない。国会に議席をもっている全政党が区議補選に候補を出している。北島トップ当選で安倍を倒そう」とマイクを握り、非正規職の青年労働者は「非正規でどうやって結婚して子どもを産むことができるのか。未来を奪うな」と腐った都議会を弾劾した。
 とりわけ若い女性労働者が真剣に聴き入る姿が目立った。「全政党に裏切られてきた。北島候補ののぼり旗を見てこれだと思った」「友だちを過労死で失った。北島さんを応援します」と涙ながらに街宣隊に話かける。「えっ児童館が廃止⁉」。子どもをもつ女性労働者も足を止めた。
 高齢者も生きられないと北島候補に次々声を寄せる。国鉄10万筆署名を集めると、たちまちその場で労働相談が始まる。「組合に入っても何もやってくれないから辞めた」と青年労働者は既成労組に絶望していることがわかる。闘う労働組合が求められているのだ。
 安倍の戦争と民営化攻撃で労働者民衆が殺されている。だが北島候補以外の全勢力が屈服しているから、彼らの街宣には人が立ち止まらない。「共産党は口先だけ」「『赤旗』読んでいたが『前進』を読んでみる」「今回は北島さんに投票する」と共産党支持から北島支持へどんどんひっくり返った。
 区議補選でつくりだされた生きるための団結、闘う労組建設を発展させ、安倍を倒そう!

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