集団的自衛権絶対阻止へ
週刊『前進』06頁(2637号02面03)(2014/06/23)
集団的自衛権絶対阻止へ
日帝・安倍政権は「集団的自衛権」と称し、自衛隊の海外侵略派兵を全面解禁する決定的な攻撃を強めている。これは「解釈改憲」どころの話ではなく、憲法無視、憲法破棄のクーデターである。絶対に許すな。
現在、与党協議が進められているが、公明党は創価学会問題で自民党に恫喝され、閣議決定に加担する犯罪的役割を果たそうとしている。
自民党が持ち出している「集団的自衛権行使の3要件」は、なんの歯止めにもならない。それは「①わが国……または他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがあること、②これを排除し、国民の権利を守るために他に適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」というものである。こんなものは、どのようにも拡張解釈、拡大適用できる。だいたい「おそれがある」だけで武力行使できるというのである。
安倍政権の狙いは、自衛隊の海外派兵に一切の制約をつけず、日米安保の枠にも拘束されず、それをも超えて日帝の帝国主義的な利害のために、「地球の裏側」まで自衛隊を派兵できるようにすることである。
1960〜70年代のベトナム戦争も、01年の米英帝のアフガニスタン侵略戦争も、03年のイラク侵略戦争も、すべて「集団的自衛権」を掲げて行われた。ここに明白なように「集団的自衛権」とは、帝国主義による侵略戦争の別名なのである。
安倍は「国民の命と暮らしを守る。それができない憲法でいいのか」と絶叫している。まったくペテンだ。福島原発事故で多数の労働者人民の命を奪い、生活・生業を破壊し、家・田畑・山林・自然を奪ったのは誰か。原発を推進してきた日帝・自民党ではないか。その後の被災者、避難者への補償打ち切りや放射能汚染地への帰還強制などの棄民政策を見よ。
さらに安倍政権は日本経団連と一体となって、派遣法や労基法など労働法制の改悪を強行し、非正規職化を推し進め、賃下げ、首切り、過酷労働を強制し、労働者階級を虫けらのように扱っている。その安倍政権が「国民の生命と財産を守る」ことなど、逆立ちしてもありえない。
それどころか日帝は危機になればなるほど、資本家階級の利害をむき出しにして襲いかかり、労働者人民を「鉄砲の弾」として使い捨てる。それは、これまでの日帝の中国・アジア侵略戦争、太平洋戦争の歴史がはっきり示している。戦争は、反人民的な政治の継続であり、その延長なのである。
徴兵制、特攻隊、学徒出陣はけっして過去のことではない。安倍の靖国神社参拝が示すように、安倍は青年労働者と学生を戦争に動員することを狙っているのである。
では、どのように闘えば戦争と改憲を阻止できるか? 国鉄決戦を基軸に、階級的労働運動と国際連帯を強く大きく発展させることである。労働者が国際的に団結して自国政府打倒を闘うことこそ、戦争を阻止する最大の力である。
社民党や日本共産党など、資本主義の崩壊を恐れる体制内勢力には、帝国主義戦争を阻止する力はない。彼らはこの重大な改憲攻撃に、「安倍打倒」を掲げて闘うことすらできない。労働者階級の力を確信していないからだ。
安倍政権を支えている元凶は連合である。都知事選で自民党と一緒に舛添を支援し、中央メーデーで自民党・安倍を招待して、あいさつさせた。連合中央は資本家と一体となって原発再稼働や武器輸出と戦争の中に延命の道を求めている。その反労働者性を怒りをもって職場で暴き、彼らを打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう。杉並区議補選の勝利で、首都に階級的労働運動の強固な拠点をつくろう。