5・31いわき集会国鉄労働者の発言 運行再開許すな

週刊『前進』06頁(2635号05面02)(2014/06/09)


5・31いわき集会国鉄労働者の発言
 運行再開許すな

(写真 動労千葉、動労水戸、動労西日本の青年組合員が壇上に並び決意を表明【5月31日 いわき】)

セウォル号と同じ安全無視 動労水戸 石井真一委員長

 当初、JR水戸支社は楢葉町長の帰町宣言があれば運転再開と言っていました。しかし、29日の楢葉町長の話は、帰町判断は来年の春に行うという発表でした。JRが言っていた運転再開の条件とは違います。にもかかわらずJR水戸支社長は、明日から広野から竜田までの運転を再開すると発表しました。絶対に許すことはできません。
 誰もいない楢葉町に向かって電車を走らせる。なぜこんなことをやるのか。安倍政権の意を受けたJRが、楢葉町に住民を帰還させるために行っていることだと思います。JRはきわめて政治的に立ち回っています。
 竜田までの運転は、いわき運輸区の人たちが担当します。JR水戸支社は安全対策を何もやっていない。線量計は持つけれど、何㍃シーベルト出たらこうするという対策は何もない。福島第一原発事故は何も収束していません。溶けた核燃料がどこにあるかも分からない。何が起こるかも分からない。乗客とどう避難するのかというマニュアルもないし訓練もしない。その中で運転が再開されようとしている。セウォル号と同じじゃないですか。
 動労水戸は5月10日、30〜31日と運転士全員がストライキに立ち上がっています。昨日も勝田運輸区前、水戸運輸区前、水戸支社前で抗議行動を行いました。多くの組合員が危険な目に遭うのが分かっているのに何もできない組合じゃなくて、動労水戸とともに闘おうと訴えました。
 福島の怒り、JR労働者の怒りを爆発させて、今日の集会とデモを成功させましょう。

会社の施策をつぶす勢いで 動労水戸 照沼靖功さん

 住民が帰ってないところに電車を動かす意味はまったくない。運転を再開する必要はまったくない。誰が乗るのか。人が帰れない、住めないところに鉄道を走らせるなんて意味がない。
 南三陸では、住んでる人たちがバスじゃなくて鉄道を通してほしいと言っているのに、バスで仮復旧している。絶対、鉄道を通す考えはないんですよ。その一方で、人が帰れないところに鉄道を通すっていうのは、本当にブラックすぎる。
 東労組も昨日まで団交をやっていて、「決裂した状態で終わった」って言っていました。明日からどう対応してくるのかは見ものです。
 私たち動労水戸は、絶対に福島の怒りとともに闘う。会社がやっている無駄だらけ、矛盾だらけのこの延伸を本当にぶっつぶす勢いで闘います。

国は国民の命など守らない 動労水戸 辻川慎一副委員長

 炎天下の中、遠くは沖縄、九州、中四国から来ていただき、本当にありがとうございます。
 常磐線の竜田延伸や楢葉町の帰町宣言が待ち望まれ、歓迎されているかのようにマスコミは報道しています。しかし、真実はまったく逆です。この集会に先立って竜田延伸反対のビラを仮設住宅にポスティングしてきました。「竜田延伸反対で国鉄の労働組合が闘っている。それだけで私たちはうれしい。さすが国鉄の労働組合だ。頑張って下さい」というのが大半の声なんです。
 安倍は「集団的自衛権を行使しなければ、憲法9条を変えなければ国民を守れない」と言っている。彼らが国民を守ったことがあるんですか? 原発を進めてこの悲惨をもたらしながら、全然責任をとらないで、国民を戦争に行かせる。ふざけるなってことです。
 この現実は今に始まったんじゃない。太平洋戦争では170万人の日本兵が死んでいる。そのうちの140万人が餓死なんですよ。日本の貧しい人たちを中国侵略に送り出して、戦争に負けた時、軍隊・政府の関係者が一番最初に逃げたんじゃありませんか? そして、食うや食わずで帰ってきた人たちが開墾した農地に空港を造るから出て行けというのが三里塚闘争の始まりです。
 仮設住宅の人たちは、戦後の厳しい時代を苦労しながら生き抜いてきた。その人たちの心の底に深くある火が大きく燃え上がる時、この世の中が全面的に変わる。みなさんの心の火をいわきの人たち、仮設住宅の人たちに燃え移らせましょう。そういう闘いを戦闘的に、明るく楽しくやりましょう。

歴史に新たなページ記した 動労千葉 田中康宏委員長

 昨日からのストライキに立ち上がった動労水戸の仲間たちに心から敬意を表します。この闘いは日本の労働運動の歴史に新しい1ページを記す闘いだと思います。福島の原発事故をなかったことにして福島を切り捨てる、これに対し職場からストライキで立ち上がったすばらしい闘いに拍手を送りたいと思います。
 この闘いは国鉄労働者としての誇りをかけた闘いです。安全綱領には「安全は輸送業務の最大の使命」と書いてあります。列車の運行、乗客の安全を守らないことを僕らは絶対できない。
 この闘いは福島の怒りと大きく結びついて必ずこの社会を揺り動かします。そして、闘う労働組合を僕らの手に取り戻す闘いです。この闘いを全力で推し進めれば、間違いなく動労水戸の大きな組織拡大が始まると確信します。なぜなら、この闘いには百パーセントの正義があるからです。
 動労千葉も5月2日のストライキで、国鉄分割・民営化とその後の外注化を粉砕し、新しい闘いに踏み出す決意を固めました。セウォル号で命を落とした300人の高校生、福島で命を落とした仲間、トルコの炭鉱事故で殺された300人の労働者を生き返らせなければならない。生き返らせるとは、僕らがこの社会のあり方を覆す力を持つということです。
 本当にこの時代に勝負をしよう。戦争をして生き残ろうとするこの国の政府に対し、団結した力をぶつけていく、その新しい出発点として6月8日の集会を開催します。

常識にとらわれない行動を 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 常磐線竜田延伸の話を聞いた時、やっぱりJRだ、分割・民営化で20万人の首を切り、非道卑劣なことをやってのけ、人の命をへとも思わない連中がやっていることだと思いました。
 私は、福島県に住んでいる者にとって重大な課題である竜田延伸に対して、国労は動労水戸とともに闘う必要があると国労内で議論してきました。仮設住宅の住民がどんな思いでいるのか、JRの保線の労働者、運転士はどういう思いなのか、必死で訴えました。みんなは「それはそのとおりだ」と言うんです。でも「組合が違う。国労としては出られない」となってしまう。この激動の世の中で、今までの常識どおりでいいのか。今までの常識をぶち破って動く時だと思います。
 原発推進政策を粉砕し、JR資本を打倒するため、動労水戸と連帯して頑張りぬきましょう。

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