闘いは進む 青年の職場から 民間動労水戸が声上げられない状況変える関東 井上尚之
週刊『前進』06頁(2635号03面05)(2014/06/09)
闘いは進む 青年の職場から
民間動労水戸が声上げられない状況変える関東 井上尚之
5・31竜田延伸阻止集会に職場の仲間や地域の労働組合員、障害者とともに参加しました。動労水戸のストといわき集会は労働者の根底にある怒りを解き放ち、被災地の怒りが形ある行動になりました。
その日の午前、楢葉町を見に行ったらすでに楢葉中学の改築工事がされており、放射線量は毎時0・3㍃シーベルト。こんなところに中学生を戻すことは許せません。
5月23日には茨城労組交流センターの青年2人で、いわき市内の仮設住宅(楢葉町と広野町からの避難者)に5・31集会のビラ入れを行い、仮設の表にいた住民の方と話ができました。
「住民説明会で、ある人が反対しているのをテレビで見た。もっとガンガン言ってほしかった。国の圧力で町長も仕方なく帰町宣言するんだ」 「広野は避難指示解除されてすぐの今年4月に仮設が廃止されると言われた。みんなで抗議して1年延ばした。でも来年3月で廃止にされる」「親戚が『広野に戻ったら人が誰もいなかった』と言っていた。そんな所に帰りたくない」「仮設は4畳半。狭いので自宅から何も持ってこられない。もらったせともので生活している。鍋でゆでてそのまま食器にして食べている。避難して3年たち、こちらでかかりつけ医もできて、送り迎えもしてくれる。楢葉から通うと1時間以上かかる」「帰ってもスーパーも病院もない。タケノコやワラビ、ゼンマイ採りもできない。一時帰宅して採れたミカンとユズを持ち帰った。町では食べられると言われたけど、仮設の測定所で測ったら、数値が高くて食べられないと言われた。ユズ風呂はどうかと聞いたら、それはもっと危ないと言われ、全部捨てた」
以上が聞いた内容です。
子どもと若者はまったく見かけず、空き家も多くありました。仮設は4畳半一間のプレハブ。道はアスファルトか砂利で固められ、周辺は工業団地です。多くの家の前にプランターで花が丁寧に植えられているのが印象的でした。無機質な生活の中、命を感じようとしているようです。
仮設で話した方たちは「帰りたくない。国のやり方はおかしい。でも声は上げられない」と言います。「あなたたちには話せるけど、自分が反対でも隣の人はそうじゃないかもしれないから」。みんな、国や東電が何をやっているのか、竜田延伸のことにも詳しく、冷静に考え、かつ深い怒りをもっていました。直接声を聞き、現地の状況を理解し、動労水戸の闘いの意義を広く伝えるために重要な行動でした。
私の職場も同じように声を上げられない状況があり、長時間勤務に支配されています。そんな中、同僚の理解も得て有休をとり、ビラまきに行くことができました。行動して初めて被災者の思いとふれあうことができました。動労水戸の闘いが被災地で支持され期待されているように、私たちの行動が職場を変える力となります。