証拠隠滅を許さない 星野ビデオ国賠が結審
週刊『前進』08頁(2634号08面02)(2014/06/02)
証拠隠滅を許さない
星野ビデオ国賠が結審
5月27日、東京地裁民事45部(山田明裁判長)で、星野文昭同志のビデオ国賠第17回裁判が開かれた。11年4月に提訴して以来3年余、被告・国(裁判所)と東京都(警視庁公安部)を徹底的に追い詰め、弾劾し抜いた裁判は結審し、判決日が9月9日に決まった。
裁判開始前、東京地裁前で、ビデオテープ「紛失」を弾劾し、全証拠開示を訴える街宣を行った。星野暁子さん、全国再審連絡会議共同代表の戸村裕実さん、取り戻す会・東京北部、東京なんぶ・救う会などが結集した。
途中から、石川一雄さんご夫妻の街宣隊と一緒になり、マイクを交代しながら、怒りに燃えてともに再審開始を訴えた。
この国賠は、星野同志の一審裁判の途中で、裁判所が庁内保管しなければならない証拠物であるビデオテープを、警視庁公安部に「保管委託」し、警視庁公安部が「紛失」したことを弾劾する裁判である。ビデオテープは1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を闘う星野同志のデモ隊を撮影したテレビニュースを録画したものだ。
星野同志は、闘争で死亡した機動隊員を「殴打した」など「実行犯」として無期懲役刑を科され、獄中39年を強いられている。だが、星野同志は無実である。証拠とされたものはデモに参加した学生6人のデッチあげられた供述調書のみ。物的証拠は一切ない。
闘争現場の客観的事実を撮影した映像には、デッチあげられた供述調書と矛盾する事実が必ず映っている。このビデオテープは星野同志無実の証拠である。
刑事訴訟法では、証拠物は大きすぎる物、危険物など例外を除いて裁判所庁内に保管することを規定している。ビデオテープはこの例外規定に当たらない。裁判所の警視庁公安部への「保管委託」は違法である。
また、証拠品を保管する場合には「帳簿」を作成することになっているにもかかわらず、警視庁公安部は、このビデオテープに関しては「帳簿が存在しない」と言うのだ。これが裁判所と警視庁公安部の結託した「証拠隠滅」でなくて何か。
この弾劾に対して国も都も、「ビデオテープは原告(星野同志)の所有物ではない。『紛失』したからと言って、原告には国家賠償を請求する権利はない」と居直り、論点をずらそうとしてきた。このような居直りは絶対に許さない。
無実で獄中39年を強いられ、再審を闘う星野同志にはすべての証拠を見る権利があるのだ。証拠はけっして検察官の独占物ではない。まして国家機関がそれを「紛失」して、居直るなど断じて許されない。
「全証拠開示! 再審開始! 今こそ星野さん解放を6・29全国集会」に大結集し、ビデオ国賠裁判に勝利しよう。