石川さんと連帯し狭山集会
石川さんと連帯し狭山集会
5月23日、無実の部落民・石川一雄さんが不当逮捕されて51年を迎えた。これを糾弾し第3次再審闘争の勝利に向けて各地で狭山集会が開催された。東京、大阪、広島からの報告です。(編集局)
東京 路線を一層深化 労働者の自己解放かけ
東京の集会は、5月23日夕方から品川の南部労政会館で開催された。部落解放東日本共闘会議が主催し67人が参加した。
主催者あいさつに立った岩本正治事務局長は、「狭山闘争の勝利を。そのためにも国鉄解雇撤回10万筆署名を集めきって6・8国鉄集会を成功させよう」と呼びかけた。
大西文夫事務局次長が満身の力を込めて基調報告を行った。
まず、「新自由主義に対する労働者の怒りと反撃が爆発している。労働者が勝利できる時代が始まった」ことを鮮明にさせた。そして、その中で「袴田事件の再審開始が決定した。狭山裁判でも全証拠を開示させ再審の扉を開こう」と訴えた。とりわけ「半世紀を超えて不屈・非妥協で闘いぬいてきた石川さんの闘いを最深の軸とする狭山闘争は、全労働者階級の自己解放をかけた闘い」であることを強調。「階級的団結の拡大こそ勝利の道だ。国鉄決戦を軸に据え、星野再審と一体で狭山闘争勝利、安倍打倒をかちとろう」と訴えた。
不当逮捕51年に当たり石川一雄さんが発したメッセージが紹介された。
「事実調べを行えば寺尾『確定』判決、警察に因(よ)ってデッチあげられた『自白』の全てが崩壊」する。「警察・検察・裁判所が一体となって無実の部落民である私を犯人に仕立て上げたばかりか、一旦(いったん)は『死地』に追い込み『抹殺』しようとした事実を全国民の前に明らかにせねばなりません」「袴田事件は、600点の証拠開示がされ、そのことが再審開始への道を拓(ひら)きました。狭山事件もこれ以上の証拠隠しは許されない」
国家権力を徹底糾弾し再審・無罪への闘志がみなぎるメッセージだ。これに応え、ともに闘う決意を込めた拍手が会場を包んだ。
カンパアピールに続いて、全国水平同盟杉並支部の狩野正幸書記長が緊急アピール。八尾市との白熱した攻防の渦中にある西郡住宅闘争の現段階を報告し、7月の全国水平同盟第2回大会への参加を呼びかけた。
決意表明に移った。動労千葉の後藤俊哉さんは「外注会社で組織を拡大する」と述べ、動労水戸の石井真一委員長は、JRによる被曝強制への怒りと住民との合流を語り、常磐線竜田駅延伸絶対反対の「5・31いわき集会に参加を」と呼びかけた。杉並支部の田中れい子支部長は、石川さんの闘いの日々のドキュメント「SAYAMA/みえない手錠をはずすまで」の上映会に取り組んだことを報告した。全学連の斎藤郁真委員長は武田雄飛丸君へのデッチあげ弾圧を弾劾し、奪還する決意を語った。
最後に東京労組交流センターの仲間がまとめと行動方針を提起した。
「新自由主義と対決し、国鉄決戦を基軸に階級的団結を拡大していく部落解放闘争こそ勝利の路線」という確信を一層深め、戦争と改憲に突き進む安倍打倒への決意あふれる集会となった。
大阪 水平同盟大会へ 団結署名でムラに入る
22日、八尾市西郡第3集会所で開かれた全関西狭山集会は90人が結集してかちとられた。
深町加代子全関西労組交流センター事務局長が主催者あいさつ。国賀祥司泉佐野市議は労働運動路線を貫き勝利した市議選を報告。自治体労働者、全学連、婦人民主クラブ全国協関西ブロックが連帯あいさつをした。
続いて石川一雄さんのメッセージが読み上げられた。石川さんの国家権力への怒りと、袴田事件に続く狭山事件での全証拠開示への闘いの呼びかけに、参加者は全力で応え闘う決意を固めた。
基調報告は平沼和典全国水平同盟事務局長が行った。「新自由主義が破綻し、労働者の生きさせろの総反乱が始まっている」と時代認識を述べ、「国家総がかりで狭山再審を阻んでいる。しかし石川さんの51年の不屈の闘いが青年の希望の星となっている。差別・分断への怒りを一つにし、星野闘争とともに証拠開示―再審勝利をかちとろう」と呼びかけた。
続いて「住宅闘争の原点は、奪われてきた者の生きさせろの闘いだ。労働組合を軸に安倍打倒に進む住宅闘争を全国に広げよう」と呼びかけ、1月の反動判決・仮執行宣言と、供託者の駐車場への5月2日の強制執行を怒りを込めて弾劾。「住宅闘争の団結とは労働者階級の団結。分断・差別と闘い、自分たちをとり戻そう」と訴えた。7月の全国水平同盟第2回大会の成功に向け団結署名で村に入ることを提起。「八尾北医療センターつぶしを許さない。関西合同労組大阪東部支部を中心に無数の労働組合をつくろう」と呼びかけた。
決意表明に移り、最初に供託者が立った。「新自由主義の社会をなくすために闘おう」「駐車場の強制執行を許さない」「私らを虫けらのようにしか思っていない八尾市を許さない」 。一人ひとりの戦闘宣言に参加者は感動の拍手を送った。
藤木好枝八尾北医療センター労組委員長は「八尾市抗議闘争で市職員も変わってきた。八尾北労組・全水同盟の闘いに勝利の展望を感じ、つながろうとしている」と述べ、関合労大阪東部支部の仲間は「ムラで青年が決起し始めている。労組を組織し、職場で資本と非和解で闘い、団結を拡大する」と決意を語った。最後に西郡支部の森本政二書記長の音頭で団結ガンバローを行った。
国鉄10万筆署名、5・31いわき闘争から6・8国鉄集会に総決起し、これと一体で7月4日住宅裁判、7月全水同盟第2回大会の成功、9月西郡住宅闘争勝利全国集会へ決起する決意を固めた。
(全国水平同盟西郡支部・植村清)
広島 福島町に拠点を 労組・水平同盟をつくる
23日、部落解放広島共闘会議が主催した広島集会は、広島市福島町の西地域交流センター(旧西隣保館)に40人が結集してかちとられた。
袴田事件の再審決定という決定的な情勢下で「直ちに石川一雄さんの再審をかちとる」ものとしてあった。また昨年7月の全国水平同盟の結成以来、階級的労働運動路線での部落解放闘争が日々進展する中で、東日本と関西の闘いと固く団結してかちとられた。
集会は広島共闘議長のあいさつで始まり、映画「SAYAMA/みえない手錠をはずすまで」の予告編と、70年代の動労千葉の「狭山スローガン列車」の映像を上映。あらためて狭山闘争の歴史と現状を共有した。
さらに石川さんの5・23メッセージを読み上げ、権力の差別犯罪への石川さんの烈々たる怒りと「全証拠開示で再審勝利を絶対にかちとる」決意をともにした後、解放共闘事務局から基調提起が行われた。
冒頭、「全証拠開示で再審の扉開こう! 階級的団結の拡大で勝利しよう。国鉄決戦―星野再審と一体で闘おう」という訴えがあった。民族差別・部落差別―差別とは階級の分断であり、これとの闘いは「ひとつの労働者階級」を分断させる支配階級と闘い、強固に団結することであり、それは労働者階級の自己解放の闘いそのものであると確認した。したがって狭山勝利―部落解放の道は、国鉄闘争を軸に新自由主義を打倒する階級的労働運動を職場・地域につくり出す中にある。具体的には労働組合(広島連帯ユニオンの地域支部)と全国水平同盟の拠点(広島支部)を福島町に建設することだ。6・8国鉄闘争全国運動の全国集会へ向け、「動労千葉の最高裁10万筆署名を集めきり、6・8に広島からも大結集しよう!」と路線が鮮明にされた。
この提起を受けて、広島連帯ユニオン青年部、広島東郵便局部落解放研究会、高陽第一診療所労組、広島大学部落解放研究会、動労西日本、広島星野文昭さんを救う会がアピール。石川さんの怒りを共有し、国鉄闘争を軸に職場・地域で階級的労働運動、学生自治会運動や星野闘争を進めている様子が生き生きと語られ、その力で狭山―部落解放闘争に勝利するという確信と気概があふれた。特に福島町で闘う仲間と青年労働者・学生の、沖縄闘争の報告と勝利の展望を示す発言は決定的だった。
(広島連帯ユニオン・TO)