国労組合員資格訴訟 本部圧倒し結審 原告が堂々と最終意見陳述

週刊『前進』08頁(2634号02面02)(2014/06/02)


国労組合員資格訴訟
 本部圧倒し結審
 原告が堂々と最終意見陳述

(写真 裁判終了後、原告を先頭にJR東日本本社前で国鉄解雇撤回署名を訴えた【5月23日 新宿】)

 国労組合員資格確認訴訟の第12回口頭弁論が5月23日、東京地裁民事第11部(佐々木宗啓裁判長)で開かれた。原告代理人が最終準備書面の要旨を読み上げ、成田昭雄原告(旭川闘争団)と羽廣憲原告(小倉闘争団)が最終意見陳述を行い、裁判は結審した。判決日は9月3日になった。
 原告代理人は、国労本部による原告からの組合員資格剥奪の不当・違法性を徹底的に暴き出した。
 国労本部は、「大会決定」という組合規約になんら規定のないやり方で原告から組合員資格を奪った。それだけでもその違法性は明らかだ。
 この裁判で被告の国労本部は、「規約に明文の規定はないが、JRないしJR関連企業に在籍することが組合員資格の前提」という主張を繰り返してきた。しかし、国労は被解雇者を組合員と認めない旧公共企業体等労働関係法(公労法)と対決し、被解雇者を守ってきた歴史を持っている。原告代理人は歴史的事実を逐一指摘して、被告の言い分を粉砕した。
 そもそも労働組合は、被解雇者を守り、解雇撤回闘争を闘うことで団結を固めていく存在だ。ところが国労本部は、解雇撤回闘争を闘っている被解雇者から組合員資格を奪うことで、労働組合の根本を破壊した。原告代理人は、2010年4・9和解以降、1047名解雇を「不当なものと認識していない」と言い放った濱中保彦国労本部前書記長の証言を取り上げて、国労本部の歴史的裏切りを断罪した。
 意見陳述に立った成田さんは、「自分の組合員資格がなくなり、国労から放り出されたと知った時のことを思い出すと怒りがわく」と切り出し、「国鉄分割・民営化に対して国労本部は闘ってきたように装っているが、闘争団組合員やJR組合員の必死の奮闘に乗っかってきただけだ」と弾劾した。また、「北海道での2・16国鉄集会に参加するため北海道に行った際、線路がひどい状態になっていると実感した。これは私を含む国労の保線労働者を大量に放り出した結果だ」と言い切り、JR体制もろとも国労本部を打倒し、組合員の手に国労を取り戻すときっぱりと述べた。
 羽廣さんは「私たちは解雇撤回闘争をあきらめてはいない。解雇撤回闘争を闘っている最中に組合員資格を奪うことは許されない」と述べ、この裁判で被告代理人が原告に対する尋問で国鉄時代の処分歴をことさら強調するなど、鉄道運輸機構やJRとまったく同じ態度をとったことを指摘して、「こんなやつらに組合を任せられないと本気で思った」と怒りを突きつけた。そして、「JR資本と闘わない本部は必要なのか。闘う方針が出せないのなら、私が指導部として責任を取る」「分割・民営化の破産が明らかとなり、本物しか相手にされない時代に、私は国労組合員、闘争団員として先頭に立って闘い続ける」と宣言した。
 原告のすさまじい迫力の前に、被告代理人の国労弁護団は一言も反論することができなかった。
 この裁判は初めは動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決を出した白石哲裁判長が担当していた。白石更迭後に着任した団藤丈士裁判長も1年で交代した。司法権力は国鉄闘争圧殺の布陣を整えようと必死だが、原告はこれを実力で打ち破る決意だ。
 原告を先頭に「共に闘う国労の会」はこの日、朝は東京地裁前、裁判終了後はJR東日本本社前で、国鉄解雇撤回10万筆署名を呼びかけ、常磐線の竜田延伸反対を訴える宣伝行動を貫徹した。
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